── 76歳という年齢をうかがって、
びっくりしたんですけども、
ショーの現場で働くというのは
自分がいくつであろうとも、
楽しいものなのでしょうか?
ブライアン イエス、イエス。
そういう環境はすごく大事です。
いま、私は若い連中にもまれて
いっしょにショーをやっていくことで
自分の若さを保っていると思います。
── ああ、なるほど。
ブライアン また、私の家族たちは、妻も、息子も、
たいへんエネルギッシュで、
体を動かすことが大好きなものですから、
やはり、こういう環境にいて、
パフォーマンスし続けるというのは楽しい。
たとえば、息子や孫たちと、
いっしょに丘を滑り降りたり、
スキーにでかけたりということも
いまだに私はできますから。
── なんだか、うらやましいです。
あの、ちょっと変わった質問になりますが、
年齢を重ねたほうができるようになることって
なにか、ありますか?
ブライアン 年をとったほうができるようになること?
逆じゃなくて?
── (笑)
ブライアン いや、おっしゃってることはわかりますよ。
それは、やっぱり「経験」でしょうね。
たとえば子どもたちとなにかのゲームをやると、
以前は私が勝っていましたが、
いまはどんなにやってもかないません。
そういうところでは負けてしまいますが、
やっぱり人生においての経験というのは
年をとればとるほど、私のほうが豊かになる。
そう思いませんか?
── はい、そうですね。
ブライアン ですから、子どもたちや孫たちに
なにか困った問題が起こると、
彼らは私を頼りにしてくるんです。
たとえば、息子はシルク・ドゥ・ソレイユで
私と同じ、クラウンとして働いています。
何か問題があったときは、すぐに電話してくる。
私が年をとっても現役でいることで、
すごく密な、濃いコミュニケーションを
交わすことができていると思います。
‥‥これは、シルク・ドゥ・ソレイユには
ぜんぜん関係ないことなんですけど、
明日は祭日なので、家族みんなで集まって、
私が山に持っている別荘に行く予定なんです。
── ああ、素敵ですね。
ブライアン どうもありがとう(笑)。
(続きます!)



常設ショーの大先輩。

シルク・ドゥ・ソレイユの常設ショーが
今年(2008年)の10月に
日本でオープンすることになりました。
ラスベガスで15年間も常設ショーを行っている
「ミステール」のスタッフの方に
移動テントのツアーショーと
常設ショーの違いについて訊いてみたところ‥‥


●パフォーマンスの部分では、基本的に
 “シルク・ドゥ・ソレイユ”ですから、
 そういう意味では、あまり変わらないとも言える。


●ただし、テクニカルな部分では、大きな違いがある。
 常設ショーでは、例えば、
 空から降りてきて地下から出てきたり、
 想像を絶するような展開を作ることもできる。
 シルク・ドゥ・ソレイユのショーのスケールを
 無限に広げられる。


●その演目を気に入ったら、何度も劇場を訪れて
 観ることができる。

というポイントを挙げてくださいました。
でも、もっとも大きなことは、と前置きして
こんな話をしてくださいました。

「アメリカやカナダでは、子どもたちは
 だいたい12歳くらいの頃に、はじめて
 シルク・ドゥ・ソレイユを観ます。
 そのうちの何人かは、うれしいことに、
 “シルク・ドゥ・ソレイユで働きたい”と考えて、
 そのために勉強をして、就職をしていきます。
 昔だったら、弁護士になりたいからこうする、
 医師になりたいからこういう勉強をする、という
 ことだったのかもしれませんが、
 そこに新しい道を生むことができたのは
 シルク・ドゥ・ソレイユにとって、大きな歓びです」

常設ショーを観て
シルク・ドゥ・ソレイユで働きたい、と考える
日本の子どもたちが、
たくさん生まれるかもしれませんね!

(スガノ)
シルク・ドゥ・ソレイユ シアター東京の
トライアウト公演は
こちらのサイト
チケットが販売されています。

2008-06-11-WED




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Photo: Tomasz Rossa Costume: Dominique Lemieux