世の中に、「珍味(ちんみ)」と呼ばれるものが
たくさんあります。
しょっぱくて、うまみがあふれて、
しかも、ちょっと珍しい、おいしい食品。
「珍味研究ゼミナール」は
その珍味をこよなく愛するものの集いです。
おいしい珍味をひろく世にひろめ、
いっしょに楽もう! という志のもと、結成されました。

ちなみに、ゼミ生たちが突っ走りすぎないよう、
珍味にくわしい料理研究家の瀬尾幸子さんをお招きし、
冷静に研究をすすめてゆく所存でございます。

‥‥なんて、少し大げさに書いてみましたが、
じつは「ほぼ日」の珍味好きのめんめんが
集まって作った社内サークル。
ときおり集まっては
あちこちで仕入れた珍味を食べくらべるという、
地味な活動をしてまいりましたが、
満をじしてこの場所でその活動を
レポートしていきたいとおもいます。

ちなみに、ゼミ生たちが突っ走りすぎないよう、
珍味にくわしい料理研究家の瀬尾幸子さんをお招きし、
冷静に研究をすすめてゆく所存でございます。

まずは、「ほぼ日」の事務所もある
気仙沼の珍味から研究を始めてみようとおもいます。
できたら、その他の地方、そしてゆくゆくは
世界の珍味まで手をひろげでいく野望を持っています。
(あくまでも野望です)。
登場珍味一覧
気仙沼珍味マップ
瀬尾幸子さんプロフィール
モギ&サユミ&ゆーないと
今日はよろしくお願いします!
瀬尾
こちらこそよろしくお願いします。
とても楽しみにしてきたのですが、
わたしでよいのでしょうか?
モギ&サユミ&ゆーないと
もももも、もちろんです!
モギ
わたしたちのほうこそ、
このような集いに瀬尾さんをお迎えできて感激です。
どうぞ、珍味をたのしくご一緒に!
瀬尾
はい。では、遠慮なく楽しませていただくことにします。
モギ
さっそく珍味を、となる前に、
「珍味研究ゼミナール」なりの
珍味とはいったいどの範囲をいうのか、
というのを定義したいと思うのです。
ゆーないと
珍味って、「珍しい味」って字で書きますが、
それを全部ひっくるめてしまうと、
なんだか範囲が広すぎるような気がしています。
瀬尾
「珍しい味」全般にしてしまうと広すぎる、
ということですね。
なるほど、そうですね。
ちょっと考えてみましょうか。
サユミ
わたしが今回珍味を買う前にちょっとしらべてみた
全国珍味商工業協同組合連合会の定義を
ご紹介します。
あ、ちなみに、「全珍連」と略すようです。
ゆーないと&もぎ
ぜんちんれん‥‥。
サユミ
そこふたり、唱和しないでください。
いきますよ。
「珍味とは主として水産物を原料とし、
特殊加工により独特の風味を生かし、貯蔵性を与え、
再加工を要することなく食用に供せられる食品
(陸産物に類似の加工をほどこしたものを含む)で、
一般の嗜好に適合する文化生活の必需食品である。」
モギ
さすが、ぜんちんれんさん、
たいへん簡潔ですばらしい定義ですね。
ゆーないと
ひらがなにしないほうがいいとおもいますよ。
ぜんちんれん。
モギ
あら、そうかしら?
ゆーないと
それより、なんか、
こざっぱりしすぎていませんか?
この定義。
瀬尾
そうですねえ。
じゃあ、自分たちなりに上げていってみましょうか?
まず一般的に、珍味は大量に食べないものですよね。
豆皿のようなものにちょっぴり盛って
ちびちびと食べるという印象のものが多いかな。
だから、印象として「しょっぱい」ものが多い。
モギ
そうですね。
たしかに、ちょっとずつたべます。
瀬尾
それでもって、味が濃いですよね。
ゆーないと
イコール、お酒が進むということでしょうか。
瀬尾
進みますね。
または、お酒を飲まない方は、ご飯が進みます。
ゆーないと&モギ&さゆみ
進みます。
ご飯とお酒を進ませます。
瀬尾
そして、しょっぱい、味が濃いということは、
保存食的な意味合いもありますよね。
フレッシュな珍味というものは
あまり思い浮かばないかもしれません。
モギ
たしかに、それはそうかもしれない。
とって出しの珍味‥‥。
ゆーないと
それは、刺し身だ‥‥。
瀬尾
なにか乾燥していて長持ちをする、
酒粕や味噌に漬かっていて長持ちをする、
もしくは燻製になってて長持ちする、
という具合に「長持ちをする」というもの。
モギ
多くは常温でも保存が可能というもの。
サユミ
今回気仙沼から買ってきたものでも、
常温のものは多いです。
瀬尾
そうだ、長持ちをするという中には、
「熟成が進む」というものもありますよね。
サユミ
塩辛とかそうですよね。
瀬尾
そうです。そうです。
チャンジャなどもそうだと思います。
ゆーないと
あ、チャンジャ登場で
珍味がインターナショナルになった!
瀬尾
熟成によって
わたしたち日本人の大好きな「うま味」が
増しますよ。
モギ
ああ、「うま味」。
それは「珍」とイコールな気がします。
瀬尾
その「うま味」があるからこそ、
全珍連の定義するところの、
「再加工を要することなく食用に供せられる」
でもありますよね。
すでにそれ自体でうまいわけですから、
料理はしないでもよろしい!
モギ
味を追加する必要は全く無いのですよね。
瀬尾
食べるときにはむしろ中和しないと。
うま味はじめとする味の濃さを、
ご飯なりお酒なりで中和しながらでないと。
ゆーないと
あとドキドキしちゃう。
サユミ
しますします。
瀬尾
しちゃいます。しちゃいます。
旨そうでドキドキもするし、
しょっぱくて食べ過ぎてドキドキもします。
過剰摂取は要注意です。
モギ
両ドキドキ。
瀬尾
「珍味は、過剰摂取すると、ドキドキしちゃうもの」。
というのも追加しましょうか(笑)。
モギ
(笑)。
やっぱ、みんな経験があるんだ‥‥。
食べ過ぎでドキドキしちゃうやつ。
では、ちょっとまとめてみましょう。
ゆーないと
ええと‥‥。では‥‥。
まとめまっす。
珍研ゼミの珍味とは?!・味が濃いので、ちびちび食べるもの。・料理をしないで、そのまま食べるもの。・保存がきいて、長持ちをするもの。・熟成したものは、うま味たっぷり。・過剰摂取すると、ドキドキしちゃうもの。
瀬尾
そんなところにしておきましょうかね。
もちろん例外もありますし、
そこは、臨機応変にいくのがいいと思います。
ゆーないと
おおらかに行きましょう!
定義するといいながら、
おおらかにいきましょう!
モギ
賛成!
サユミ
では、いよいよ次回から、
珍味を楽しんで行きましょう。

(さあ、並んだ珍味を前に、ドキドキしていきますよ!)

2015-05-22-FRI

第1回
珍味研究ゼミナールの定義する「珍味」とは 
2015-05-22
第2回 
水揚げ日本一! カツオの珍味
2015-05-23
第3回 
気仙沼といえばサメ 
2015-05-24
第4回 
ホヤという大珍味
2015-05-25
第5回 
ちょっとあっさりいきましょう 
2015-05-26
第6回 
煮物も缶詰も珍味かな 
2015-05-27
第7回 
塩辛は外せない 
2015-05-28
第8回 
珍味界の両横綱登場
2015-05-29
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