緑のなかに出かけようよ。
先輩、後輩、そしてなかよし。

たのしい仲間といっしょに一泊だけ、
緑あるところに出かけてみましょう。
おなじものを食べ、火をたいて、
終わりのない夜をむかえます。

ふだんとちがうおしゃべりが花開き、
いつの日か、
「そういや、あんなこともしたよね」と思い出す
時間になるにちがいありません。
3人が訪問したところ:WOODLAND BOTHY
第14回 コーヒーキャンディふたたび。
写真
糸井
おはようございます。
みうら
おはようございます。
きのう足がつりそうになってさ。
みんなは足、つらない?
みうら
ぼく、つります。
足がつるのには芍薬甘草湯ってのが、
てきめんに効くんだ。
糸井
てきめん?
ぼくは常時携帯してるよ。
糸井
へぇ。
みうら
その薬は痛くなる前に飲むんでしょ? 
あぁ、それでもいいし。
写真
みうら
痛くなってからでもいいんですか。
うん。すぐ効く。
糸井
じゃあ、薬局にある貼り紙は、
究極の親切みたいなもんなんだ。
うん、つる人は知ってる。
みうら
つる人は必ずその薬を出されるんですか。
こむら返りの薬はいろんな名前で出てるけどね、
だいたい成分が同じだ。
芍薬と甘草が入ってる。
みうら
名前のとおりね。へぇ、今度買ってみよう。
糸井
俺はまだそんなつらないんだけど、
きっとこれからつると思う。
みうら
つると思うって(笑)。
写真
糸井
つると思うし、あと、
同じ格好をずーっとしてると、
立ち上がるときに、
俺はもう、どこにも力が入らない。
え? どこにも?
糸井
どこにも(笑)。
いや、ちょっとは入るところもあるかもしれない。
でもさ、俺たちは、
このためにいるんだよ。
みうら
なんですか、急に。
糸井
「どこにも」って言うのが
仕事だからさ。
それがいわば、伸坊の大きな役目なんだよ。
逆にぼくもやるよ。
逆にって(笑)。
写真
みうら
南さんや糸井さんに
「どこにも」と言われたら、
そうでない部分があるような気がしてきますよね。
それは
みうらさんのやり方ですよ。
みうら
あぁすみません、ぼくのやり方ですね(笑)。
私たちはそれをもう最初から、
受け取っていますよ。
みうら
ではすみません、
巻き戻しましてもう一度、
糸井さんは「どこにも」力が入らない。
糸井
入らない。
もう本当にどこにも力が入りません。
みうら
えーと、ぼくがいない限りは、
その話は誰もあげあしは取りません。
しかしスルーすると、これは
なんでもないことになっちゃうから、
用心しないと。
糸井
「だから、どこにもだよ」
写真
みうら
自分で強調していくんですね。
「それはどういうことかね」
みうら
いちおう乗っかっていく、と。
糸井
たとえば、立つときに、
どこにも力が入らないことがあるよ。
それって、しびれちゃうみたいなこと? 
糸井
しびれ以上に、
このままじっとさせときたい力が
加わってるような感じだよ。
なるほど。
みうら
この、小芝居と現実が
混じっている感じがたまらないですね。
糸井
ところで、さっきからずーっと、
俺が何度も間違えてることがあるんだけど。
みうら
なんでしょう? 
糸井
お皿のここにある、
ちょっと薬味っぽいものは‥‥。
写真
みうら
あ、本当だ。え?! 
なんなんですか? 
なんだろう。
みうら
だって、俺の皿には
そんなタレはついてないですよ。
俺のもない。
糸井
そうなんだよ。ごめんごめん。
みうら
なんだろう‥‥。
糸井
これはね、舐めて。
あ(笑)。
みうら
ああ、あいつですよ、あのあめ、
糸井さんの好きなコーヒーキャンディですよ。
なぁんだ。
糸井さん、本当に好きなんだ。
こんな朝から(笑)。
みうら
魚の横に置くなんて(笑)。
糸井
はははは(涙)。
写真
しかも噛んじゃわないでさ、
ちゃんと置いておいて。
みうら
朝食のあと、もっぺん口に戻そうとしてるんですね。
糸井
あまりそのつもりもないんだけど、ただ単に、
あめを舐めているところにごはんを食うのは
ちょっと無理だなと思って。
捨てるにはしのびなく。
みうら
ここにこんなふうにあったら、
ふつうは味噌ですよね? 
俺は「ふき味噌だな、なぜか俺の皿にはないな」と
うっすら思ってました。
糸井
俺も、この味噌を何につけるんだろうと思って、
ちょっと取ってごはんにのせようとした。
推理力がほとんど同じだね。
みうら
そこはあめ置き場としては、まぎらわしいですね。
糸井さんは自分で「マイあめ置き」を
持てばいいんじゃないかな。
糸井
そうか。灰皿みたいに。
写真
(明日もたのしい朝ごはんのできごとをおつたえします。つづきます)
2019-12-22-SUN