『ほぼ日刊イトイ新聞の謎。』について詳しくはこちら。


第1回 そもそも、いったい、何の本?
まいどっ!
おおきにっ!
見本、できたね〜!
できたわよ〜! 厚いのよ〜!
ええと(計る)。
3センチ8ミリの
束(つか)がございます!
3センチ8ミリっつったら‥‥。
ちょっとした弁当箱なみだよねえ。
それに、重いしねえ。
重いのよ〜。ええと(量る)。
964グラムございます!
964グラムっていったら‥‥
150グラムのとんかつ6枚、
おばちゃーん1枚ちょっと大きくしてね、
っていうくらいだよ! そりゃ多い!
食べ切れない! げふー!
どんな比喩よ!
まぁまぁ、ともかく、
『謎。』本は厚くて重い、と。
そもそもこの本がなぜ
つくられることになったのかと
申しますと。
遡ることゴールデンウィークあけの
企画会議でございました。
8周年の記念日である
6月6日をどう祝おうか?
でたアイデアが
「そぶちゃんとにらめっこ」。
悪くないんじゃな〜い?
と思っていたら、
社長がやってきて!
「記念日かぁ〜。
 なんかこう、
 リアルにお祝いできるような
 ものをつくりたいねえ。
 ゴールデンウィークの
 絵はがき企画、
 よかったじゃないか。
 ああいうふうに
 実物が手元にとどくようなことが
 いいんじゃないか。
 あのさ、
 ‥‥雑誌作らない?」と!
言ったのよ〜。
ちなみに私たち、創刊記念日には
年に一度しか更新しないコンテンツ
「ほぼ日年表」というものを
つくっているんだけど。
「あの年表、面白いじゃない。
 あれを目次にして、
 本をつくったらいいんだよ!
 だってもう原稿は、
 あるわけだからさ〜!」
シェフがちょっと青くなりながら
「‥‥で‥‥できますね‥‥」
と言ったのを覚えてるわ。
ぼくが「ほぼ日」に入ったのは
1999年の4月なんだけど、
そのころ糸井さんがモギちゃんに
「更新したコンテンツを
 紙にしたらどのくらいになるんだろう?
 ちょっとプリントアウトしてみない?」
って言ってさ‥‥
じっさいにプリントしはじめてみたら
1週間ぶんくらいで
「こりゃやばい! 資源のむだ!」
って思うくらいの量になったのよね。
それを思い出してさ、
8年ぶんのコンテンツが
どのくらいの分量になるのかを想像して
最初は気が遠くなったんだよ。
で、いままで更新したコンテンツを
ファイルメーカーで
データベース化するところから
始めて‥‥
ぼくはぼくで、
それをどう本に
落とし込んでいけばいいのか、
編集テーマを考えて‥‥
「総じゃばら本」を
つくろうとしてなかった?!
してた!
年表だからさ、
巻物にしてもいいかなと思ったんだけど
それは前に「ユラールのTシャツ」の
解説書でやってたし、
総じゃばらの本って
あんまり見たことないでしょ?
「見たことない本をつくりたい」
ってのが、そもそも間違いよ。
その通りでございます。
結局、かなり厚い本になることが
わかったんで、
じゃばらは諦めました。
で、インターネットというか
その前のパソコン通信の時代に、
「世界とつながってる」実感を
さいしょに味わわせてくれたころの
画面サイズを本にしようと思って。
ぼくにとっては
マックの「SE/30」っていう
マシンだったんだけど、
その画面が、だいたい、
A5横のサイズなんで、
そんな気持ちをこめて
判型を決めました。
さて中身は!
テーマ別にしようか
年度順にしようか。
糸井重里の対談もの、
乗組員によるインタビューもの、
著者原稿もの、イベント系、
読者のみなさんとつくったもの‥‥。
でも、考えれば考えるほど
「年表を目次にして本をつくろう」
という最初のアイデアに戻ってって。
年表と、コンテンツのよりぬきを
重ねていった、ミルフィーユのような
本をつくろうということになったんでした。
最終的には乗組員のアンケートをもとに
「こんなのあったよね!」
という8年間の「ほぼ日」の幅を
表現できそうなコンテンツを選んで。
それが「よりぬきコンテンツ」。
見開き2ページに入るだけの分量で、
「途中でごめん!」な状態で
入っております。
この本は、
その「よりぬきコンテンツ」が、
「できごと年表」のあいだに
はさまっていくのよね。
年表部分は、ウェブ版から
全面的に改稿しております。
改稿っていうか、もう全面的に
新規原稿といっていいくらい。
年度ごとに、年表とより抜きコンテンツが
重なっていくんだけど、
その巻頭にカラーグラビアがあるのよね。
初期のころの画像は
失われちゃったものも多いんだけれど、
解像度が低くても
面白いものを使いました。
たとえばこんなの。
創刊の日に、ファイルをアップする瞬間!
さらに、本の巻頭には
今回資料整理をしたら出てきた
ほぼ日刊イトイ新聞の黎明期の、
「創刊準備のための資料」を載せてます。
たとえばこんな!
アッキィ画伯の、おさるの試作!
顔が、ちが〜う!
ほかにも、企画書だとかルールブックだとか
そういうのがちょこっと見られまーす。
社長がゲラをみて
「頭のなかが、まるみえだ!」
と叫んでたね〜。
もう見せるならどーんと見せるのよ!
ということで英断いたしましたわ。
そんなこんなで624ページ!
そんなこんなで964グラム!
『ほぼ日刊イトイ新聞の謎。』を
よろしくおねがいしまーす!!

2006-10-26-THU

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