こんにちは。「ほぼ日」の奥野です。

藪から棒で申しわけございませんが、
このたびは、
本当に申しわけございませんでした!

と、言いますのも、
楽しみにしてくださっていたかたなら、
きっと覚えてくださっている
あるお約束があり、
そのお約束を果たせないことが
本日ここに、明らかとなったからです。

そのお約束とは、すなわち

‥‥という、お約束でありました。

昨年9月、「逆襲の小ネタ劇場」題して、
小ネタ劇場の特集をやったとき、
かねてより、読者から
「小ネタ劇場の単行本化を」というお声を
多数、頂戴していたこともあって、
上記特集の末尾で、
「小ネタの本を3月31日までに出します」
と、赤い字で宣言しておりました。

本日、お約束の3月31日を迎えましたが、
本はまだ、出ておりません。

楽しみにしてくださっていたみなさま、
重ねまして、申しわけございませんでした。

本文自体はほぼ完成しています。

すべては私の不徳のいたすところ、
しかしながら「間に合わなかった原因」を
ひとつ挙げさせていただくとすれば、
「今日のコドモ」の「圧倒的な投稿数」を
甘く見過ぎていたことです。

4000ちかくある
コドモ10年分の採用ネタを読み込むだけで
ひとつの季節が、
そよ風のように過ぎ去って行きました。

ただ、言いわけするつもりはないのですが、
本の内容の99%を占める
「本文」の原稿整理は、ほぼ終わっており、
自分校正も2度かけています。

このお詫びの文章を書いているのは
この文章がアップされる前日の
3月30日(水)午前0時過ぎなのですが、
リアルに、つい先ほど、
デザインをお願いしております、
デザイン事務所・プリグラフィックスの
清水肇さんより、
本文部分のレイアウトが届きました。
(清水さん、遅くまでお疲れさまです!)

さすがは、
毎年の「小さいことばシリーズ」をはじめ、
「ほぼ日」の本を数多く手がけてきた
清水さんです。

相当文字の多い本になることを念頭に置き、
フォントや文字サイズを使い分け、
メリハリの効いた、読みやすいデザインに
仕上げてくださっております。

清水さん、
この方向で、どうぞよろしくお願いします!

完成まで、もう少々おまちください。

経験上、ここまで来れば、
本をやめて10巻組の絵巻物にしようとか、
そういう
ドラスティックな方針転換でもない限り、
本は、必ずや出版されると思います。

残るは、糸井重里をまじえて
チームでミーティングして本の題名を決め、
本の判型を決め、プライスを決め、
まえがきとあとがきを書き、
挿絵が必要だとなれば、
どなたか、作家さんにお願いする‥‥。

その後の流れは
入稿→校了→印刷→製本→納品→販売。

あと2ヶ月いやバッファを見て3ヶ月、
お時間を頂戴できませんでしょうか。
それだけの時間があれば充分に、
あわてることなく、
納得のいく本を、
みなさんのもとへお届けできると思います。

完成する小ネタ劇場の本には
過去10年の掲載ネタから選り抜いたネタが
1500以上、収蔵される予定です。

ただでさえ遅れているのにこんなこと言って
申しわけないのですが、
どうぞ、楽しみにしていてくださいね!

みなさんの投稿のおかげで、
きっと、おもしろくて、ちょっと泣けて、
長く読んでもらえる本になると思います。

それでは、また次回、
入稿だとか、本のタイトルが決まっただとか、
何かお伝えすべき動きがあったとき、
ここで進捗状況をお知らせすることにします。

重ねましてこのたびは、
期限を守れず、申しわけございませんでした。

そういえば‥‥昨年9月の「逆襲」のときに
「忘れられない、あのネタ」
というのを募集していたの、覚えていますか。

アーカイブが残らないので、
「ディテールは薄ボンヤリしているんだけど、
 ものすごく好きだったネタ」
を思い出せないことが
この「小ネタ劇場」にはよくあるのですが、
そういうネタの捜索依頼を、
みなさんから、メールで受け付けたのです。

本日は、せめてものお詫びのしるしとして、
「解答」をひとつ、ご紹介します。
3名の方から捜索依頼いただいたネタです。

たしか「つうじない話」だったと思いますが、
男の方で、
同僚と英語で話していたら話が噛み合わずに
ずっと
「ものすごいプレイボーイ(というか絶倫?)」
だと思われていた‥‥
というような話があったと思うのですが。
けっこう長めの記事だったと記憶しています。
同居人とふたりで爆笑しておりました。
お探しいただければ幸いです。

(匿名さん)

育毛剤(名前は忘れました)と
バイアグラを言い間違えて、外人としていた会話。
筆者は育毛剤と言ってるつもりで
口からはバイアグラと発して話が流れていくもの。
小ネタというにはかなり長文でしたが、
電車の中で、ひとりで笑い続ける自分を
どうにもできませんでした。
忘れられないヒットです。

(匿名さん)

海外出張で取引先の外国人の方と話していたら
なぜか相手は
バイアグラのことと思ったらしいという
コントみたいな話ありましたよねぇ。
結構な長文で。
読んでて大笑いしました。

(みかんおじさん)

お探しのネタは、ズバリ、こちらでしょう。

フロリダでの仕事が終わり、
現地のアメリカ人仲間と
打ち上げをしていたときのこと。
お土産の話になり、
「お前自身のためには何を買うつもりか?」
と聞かれました。

私は頭が薄くなりはじめていたので、
「ロゲイン(日本名『リアップ』)」を
買うつもりだったのですが、
その名前がなかなか出てこなくて、
「何だっけ、血行を良くして、
 改善してくれるあれは‥‥」と考えた末、
思い出したつもりで次のように言いました。




「バイアグラを買って帰る」
(もちろん、自分ではきちんと
 ロゲインと言っているつもりでした)


仲間
「そんなに深刻なのか?」



「うん、このざまだ」
(両手で「お手上げのジェスチャー」をしながら、
 頭のてっぺんを見せました。
 しかし、彼らにはその仕草が
 あたかも私が自身の下半身を見下ろして、
 お手上げしている、というふうに見えたのです)


仲間
「まだ、お前若いだろ、もうだめなの?」



「いや、もう薄くなって‥‥」
(ふつう英語で
「my hair is getting thinner.」
 と言いますが、私はhairを省略して
「mine one is getting thinner.」
 と言ったのが悪かったのです。
 thinとは「細くなる、薄くなる」
 という意味合いですが、
 もちろん相手には「髪の毛」ではなく
 「別のモノが細くなった」
 というふうに聞こえるわけです)


仲間
「Well,
 how often do you want to do it?」
(そうか。で、
 どのくらいの頻度で致したいのか?)



(私としては『ロゲインを
 どのくらいの頻度で使うのか?
 と聞かれたと理解しましたので)
「twice a day!(1日2回!)」
と堂々と断言します。


仲間
「わお! そんなに?」



「Yes, every morning and evening.
 It is minimum requirement.」
(イエス、朝晩1回ずつだ。
 これは最低決まっていることなのだ)
 再び堂々と断言。


仲間
(呆れて)「you are like an animal!」
と笑います。



(この時点で「何かおかしいな」と
 思ったのですが、未だこちらとしては
 髪の毛の話をしているつもりですから、
 「animal? ああ、獣は毛深いからな」
 と勝手に理解して)
「yes, my wife likes hairy one.」
(うん、妻は毛は多いのが好きだから)
と、またも肝心な名詞を
oneで省略して返事してしまいました。



私が頭に手を当てながら話すのを見て、
ようやく仲間も
「お前、ロゲインの話をしてるの?」
と気づき、大笑いになったのですが、
ひどい言いまつがいもあったものです。


それも私の下手な英語が災いして、
きれいに会話がずれたまま進んで行く、
というおもしろい経験でした。


(Ken)

どうです、このネタだったでしょう?

人の記憶ですから、
どうしても細部があいまいになるため、
投稿してくださった方が
「ものすごいプレイボーイ、絶倫」
と、じゃっかん誇張されて
覚えられてしまっている点も見逃せませんね。

ちなみに、このネタが投稿されたコーナーは
小ネタ劇場ではなく「言いまつがい」でした。

担当の永田によると
「言いまつがい」の歴史のなかでも
「名作」のひとつに数えられるネタとのこと。

他の「忘れられない、あのネタ」についても、
本を発売するときに、
同じような要領で特集したいと思います。

もし「忘れられない、あのネタ」があったら、
今からでも、
どうぞ、どしどし、ご応募くださいね!

それではまた、
このページでお会いしましょう。さようなら。