有吉が、 窓から風を 入れましょう。 有吉弘行+糸井重里

第4回 逆へ、逆へ。
糸井 猿岩石を結成したときは、
「どうやって出て行こうか」など、
考えたんですか?
有吉 猿岩石のときは、
えっと‥‥けっこう顔が童顔だったんで。
糸井 うん。
有吉 ぼくはデビュー当時から、
わりと「かわいい、かわいい」って
言ってもらえたんです。
それは、子どものときからそうでした。
だけど、高校生ぐらいの頃は、
なめられちゃうんですよね。
不良全盛の時代の、田舎の高校だったので。
糸井 ベビーフェイスは、なめられちゃうよね。
有吉 それで、結局
柔道部に入ることにしまして、
強くなって。
糸井 強くなっちゃって(笑)。
有吉 コンビニの袋をかぶって、
不良の生徒を襲う! なんてこと
しました。
糸井 はははは。
有吉 かわいいと言われたことで、
なめられないようにしようという
意識がすごくあったんです。
芸人になってからも、
かわいい、かわいいと言われるんで、
これじゃダメだってことで、
丸刈りにして、メガネかけて、
口からナマコを出したりして。
糸井 ぶぶぶ(笑)。
有吉 キワモノのほうに行っちゃうんですよねぇ。
糸井 行っちゃうんだね。
有吉 「かわいい」の分野を刈りきれずに、
どうしてもヤバイほうに行っちゃうんです。
だから、もう決めちゃって、
ヤバイほうでやっていこうとしていたら、
今度は『電波少年』につかまって。
糸井 そのタイミングなんだ。
有吉 はい。
糸井 一気に、ヒッチハイクの旅で、
スーパースターになった。
有吉 ワルかったはずが、結局、
「感動」のほうに行き‥‥
糸井 気がついたら、
歌とか歌っちゃうし。
有吉 そうです(笑)。
こっちに行きたいけど
あっちに引っ張られて、
と思ったら、
またちがうほうに引っ張られて、
という具合です。
糸井 じゃあ、流れはやっぱり
行こうとするほうの
逆に行くんだね。
有吉 はい。
いつも逆に引っ張られます。
糸井 それにしては、
なんだか仕掛けがどんどん大きくなるね。
有吉 はい。
それでもう、
仕事なんか増えなくていいや、
細々とやっていけばいいや、と思って、
たまに『アメトーーク!』とかに出てました。
そうしたら、また
仕事をいただけるようになりまして。
ホントに、行こうとする、
逆、逆なんですよ(笑)。
糸井 ずっとそうですね。
有吉 はい。
糸井 途中で一瞬、
有吉さんはこの道もあるかな、って、
ぼくが思ったのは、じつは柔道です。
有吉 はい(笑)。
糸井 「有吉が強い」というネタは、
笑いになりましたよね。
あの向こうには何があるんだろうと、
たのしみにしてたんですが、
柔道で番組に出る機会って
そんなにはなかったですね(笑)。
有吉 けっこうあれで、仕事をいただきましたが、
そんなにはやっぱり(笑)。
柔道で引っ張ってくれたのは、
加地さんでした。
ですからぼくは、加地さんに
2回引っ張ってもらってるんですよ。
糸井 加地さんのそういうセンスってすごいですね。

(続きます)

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2009-11-12-THU