── このたび、安藤裕子さんが
とくべつなアコースティック・ライブを
聴かせてくださるということで
ほぼ日乗組員のなかでも
とくに小躍りしているのが、おふたりなわけですが。
キノシタわたし‥‥泣くかも知れない。みんなの前なのに。
── そんなに。ムネ様は、いかがですか。

※ムネヒロは、親しみをこめて
 乗組員から「ムネ様」と呼ばれることがあります。

ムネヒロ 感無量です。
── はやくも。この段階から、すでに。
ムネヒロ はい。まだ信じられません。
── 安藤裕子さんといえば、
ふだんは
何千人クラスの大きな会場ばかりですよね。
キノシタ そうですね。
── でも、あす見てくださる読者の中には
はじめてというかたも、
当然、いらっしゃるじゃないですか。
ムネヒロ ええ、ええ。
── そこで、たいへんな安藤裕子さんファンである
おふたりに、
安藤さんの魅力だとか
ライブの見どころを教えてほしいなあと。

明日(10月30日)の本番の前に。
キノシタ わかりました。
── じゃあ、さっそくですが
キノシタさんは、
どうして安藤さんのことが好きなんですか?
キノシタ わたしは、まだファン歴は浅くて
おととしの夏くらいに
国際フォーラムで見たライブが初でした。

それ以降、ほとんどのライブにお邪魔して、
そのたびごとに、こっそり泣いています。
── すごいですね‥‥。
「ほとんどのライブに行っては
 毎回、泣く」というのは。

その理由は、なぜですか。
キノシタ んー、うまく言葉で言えないんだけど‥‥。

歌詞、メロディ、歌声、MCすべてに
グッと来ちゃって、
気づいたら、隣の子と一緒に泣いてる。
── 隣の子というのは、知り合い?
キノシタ そう、安藤さんファンの友だちと行くんですけど、
その子も、
隣でグジュグジュに泣いているんです(笑)。

で、おたがいにバレないようにしているんですが
途中で隣のカバンがカチリと開いて、
なんだか布みたいなのを取り出したりとか(笑)。
── あ、泣いてる‥‥と。泣きながら。
キノシタ そう(笑)。

で、おたがいに
「今回はバレなかったな」と思ってるんだけど
ライブが終わったら
「あんた、また泣いてたでしょー」って。
── なるほど‥‥。
キノシタ なんか、説得力がないというか、
もう「聴いてみてください!」としか言えなくて
申しわけないんですけど。
── いえいえ、「大好き」ということが
ものすごく伝わってきました。

では、ムネヒロさんは、どうですか。
ムネヒロ そうですね、あの、顔が好みなんです。
キノシタ ‥‥ムネ様?
ムネヒロ あっ、いえ、すいません、あの。
── まあ、ムネ様も男ですから
「そっちの入口」も、当然ありますよね。
ムネヒロ やっ、いえっ、あのっ‥‥ですね、
いちばんはじめは
タワーレコードのインストアライブで見て
「TEXAS」という曲が
なぜか、すごく耳に残ってしまって。
── ええ。
ムネヒロ すぐに、CDを買って聴いていたんですが、
いい歌だなあ、
グッと来るなあと思っていたところ、
だんだん、だんだん「ああ、かわいい」と‥‥。
── 正直でいいと思います。
ムネヒロ いちばん好きな曲は「よいこのクルマ」です。
レゲエ調っていうか、ラバーズ・ロック風で。
── なるほど。
ムネヒロ 個人的にいちばん思い入れのあるアルバムは
『shabon songs』という3枚目です。
── 必死に「顔だけじゃない」というのを‥‥(笑)。
キノシタ でもね、ここ何回かは、
ムネ様といっしょにライブに行ってるんです。
── あ、そうなんだ。楽しそうですね。
キノシタ わたしと、ムネ様と、ムネ様の奥様と。
── 安藤さんのライブの魅力って、どんなところですか?
キノシタ 「誰かと聴いてほしいライブ」ですね。
── ほー‥‥「誰か」とは?
キノシタ 誰でもいいんです。

私は、何人かで行くことが多いんですけど、
ライブの最中は、
隣の人と「共有」する感じじゃなくって
お客さんそれぞれが
安藤さんと「一対一で対峙してる感じ」が
すごくするんですね。
── ええ、ええ。なるほど。
キノシタ だから、たとえば
スカパラ(東京スカパラダイスオーケストラ)の
ライブみたいに
みんなで「イェー!」みたいにはならないけど、
じんわりと、深く‥‥みたいな。
ムネヒロ アーティストと自分、という感じはありますね。
キノシタ 安藤さんの音楽と向き合っているんだけど、
その歌声を媒介にして
いつの間にか、
自分自身と向き合ってる感じがするんです。
── ‥‥それなのに
「誰かと聴いてほしいライブ」なんですか。
キノシタ そう、聴いているその時間は、
安藤さんと、
安藤さんが連れてくる自分と向き合うんだけど、
やっぱり、
あとから誰かと「共感」したくなるんです。
ムネヒロ わかります。

まだ聴いたことのない知人を連れて行って、
ライブを聴いてほしい、という思いもあります。
キノシタ ですから、あす(30日)のライブのご招待を
10組20名様という「ペア」にしたのは、
安藤さんファンが応募してくれて、
まだ安藤さんのことを知らないお友だちを
連れて来てくれたりとか、
そんなふうになるといいなあと思ったんです。
── 安藤さんをおすすめしたいぞって気持ちが
おふたりに共通して、あるみたいですね。
キノシタ そう、仲のいい友だちや家族に聴いてほしい。
そういうアーティストだと思います。

だから、あす、
パソコンの前で聴いてくださるみなさんも
友だちでもいいし
お母さんやきょうだいなど家族でもいいし、
誰か大事な人と聴いてもらえたら、いいなあ。
ムネヒロ お酒を飲みながらとか
自宅ならではの聴きかたもできますしね。
── インターネットでライブを配信すること自体、
安藤さんは、はじめてだと聞きました。
キノシタ わたしたち、ものすごいファンということで
司会進行役を仰せつかってるんですが
セットリストも、まだ知らされてないんです。

‥‥というか、当日のお楽しみみたいで。
── この曲はやってほしい‥‥というのは、
あったりしますか?
キノシタ わたしは、
最新アルバム(『グッド・バイ』)に入ってる
「愛の季節」ですね。

もう、何回聴いたかわかんない曲なので。
── ムネ様は?
ムネヒロ 僕自身は何度も聴いていますけど
やっぱり、はじめての人も多いと思うので
代表曲「のうぜんかつら」ですかね。
── 月桂冠のCMで流れていましたね。
あれ、いい歌ですよね。
キノシタ 目の前で歌われたら
また、こっそり泣いてしまうかも‥‥。
── では最後に、あらためて
読者のみなさんへ「おすすめ」コメントを
お願いいたします。
キノシタ 安藤さんって、
ふだんは国際フォーラムとかNHKホールとか
大きな会場でライブしている方なので、
雰囲気的にも、お客さんとの距離的にも、
ここまでアットホームなライブは
めったにないと思います。

あすは、ぜひ、Wi-Fi環境のよいところで
スタンバイをしていてくださーい!
── ムネ様は、いかがですか。
ムネヒロ まだ、信じられない気持ちで‥‥。
── まだですか(笑)。
ムネヒロ だって、
安藤さんが自分の勤務する会社の会議室で
歌ってくれるなんて
そのことだけで、信じられないです。
── たしかに
「安藤さんが自分の勤務する会社の会議室で
 歌ってくれる」
という部分は、
文字面としては相当おかしいですもんね。

でも、「本当」です。
キノシタ あと、あと、いつもMCがおもしろいんです。

いい意味でユルユルで(笑)、
かわいらしい感じがして、
私、大好きなんです。
そこも、密かに注目ポイントかもしれない。
── わかりました。ぐーっと楽しみになりました。
それではおふたり、司会がんばってください。
ムネヒロ せ、精一杯やります。
キノシタ 本当に素晴らしいので、
みなさん、ぜひぜひ、見てくださいねー!
<おしまい>
2013-10-29-TUE