たいせつな告白のメール(B)
@@@君へ(or@@@さんへ)
こんにちは。ほぼ日刊イトイ新聞といいます。
糸井重里という人がリーダーみたいな感じでやってる
インターネットのサイトです。
こういう場所です。
https://www.1101.com/home.html
通称「ほぼ日(ほぼにち)」っていうんだけど、
まぁ、それはさておき。
今回、なぜそんなインターネットサイトから
きみあてにメールが届いたのか、
ワケを話すと長くなります。
でも、あやしいメールではありません。
時間があるときに、最後まで読んでほしい。
きみのうちには、きっとこれまで毎年
クリスマスにサンタクロースがやってきたでしょう。
それは今年か来年から来なくなっちゃいます。
いまから書こうとしていること、
うすうす気づいてた?
いや、まったくわかってなかったかな?
それとも、とっくに知ってるのに
知らないふりをしていただけかもしれない。
そう。
サンタクロースが贈ってきたものはみんな、
きみの家族やまわりの人たちからの
プレゼントだったんです。
このメールをいまきみが読んでいるのは、
きみの家族や周囲の大人の誰かが
「うちにやってきたサンタクロースは自分でした」
と告白するために、
ほぼ日刊イトイ新聞の企画に申し込んだからです。
驚かせちゃったなら、ごめん。
がっかりしたなら、すみません。
でもね。
きみがいまの年齢になるまで
サンタクロースを信じてたってことは
そうとうすごい。そう思います。
考えてみれば、煙突から人が入れるわけはないし
(だいいち煙突のあるうちは少ないよね)、
トナカイは空を飛ばないし、
防犯的なことを考えたって、
サンタクロースが派手ないでたちで
夜中にきみのうちに忍び込むのは、まず、不可能ですよね。
だけど、サンタを信じるためのしかけはいっぱいあります。
いつか、CNNなどのニュースで
「フィンランドのサンタクロースが
プレゼントを配りはじめました」
という映像を観たことはありますか?
ニュースの現実と自分のサンタ像をむすびつけて
「あ、やっぱりいるんだ」と思い直した人も
いるかもしれない。
または、いまこの「ほぼ日」でやっているようなものと
似たようなインターネットの企画で制作された
動画やメールを読んで信じた人もいるかもしれない。
きみの家族や周囲の大人たちは
ちいさいときから、きみがかわいくてかわいくて
ずーっと「サンタ」の夢をいっしょにいだいて
毎年の冬のたのしいひとときを過ごしたかった。
悪い心で「だまそう」と思っていたわけじゃ、決してない。
それから、きみの友だち。
同じ年代の友だちがもし10人いたとしたら
その中の8人か9人くらいは
「サンタクロースはまわりの大人だ」
ということは知っていたと思います。
おそらく何年も前からね。
だけど、きみには黙っていました。
サンタクロースの存在を信じている
きみの夢をくだかないように
自分の口を閉ざして、守ってくれたのです。
きみのことをまぶしく、たのもしく、
思っていたにちがいない。
すばらしい友だちをもって、よかったね!
そんな「友だちがいたこと」が
今年のクリスマスプレゼントだと思ってくれるなら
うれしいです。
いままで不思議なサンタクロースの存在を信じてくれて、
ほんとうにありがとうと、
きみのまわりの大人たちは、思っています。
子ども時代は、きっともう終わり。
きみはつぎのクリスマスから、大人になります。
今度はきみが、まわりのみんなを
笑顔にさせる何かを与える
クリスマスになることでしょう。
メリー・クリスマス!
これからのきみの人生に、幸多かれ。
2012年12月 ほぼ日刊イトイ新聞より
