ほぼ日刊イトイ新聞 - ＴＶガイド秘宝展

───: 「西部警察」がはじまったのは、
1979年の、ええと‥‥１０月ですね。
８０年代は、もう目の前。
やなた: まだ、
あややさんも、ゆーないとさんも、
ちっちゃいですよねえ。
ゆーないと: うん、でも「西部警察」は覚えてる。
あやや: 覚えてるよね。

ゆーないと: 再放送なのかなぁ。
あやや: そうかもしれないね。
ゆーないと: とにかくすごくて、「西部警察」。
スエミツ: 画期的でしたよね。
武内: 当時のドラマの常識をはるかに超えてて、
もう、大爆破はあるわ、
カーチェイスはすごいわ。
あやや: 熱く燃える、男たちの人間ドラマも。
ヨシザワ: そうそう。
ゆーないと: あれ‥‥なんでしたっけ、
スーパーメカの、すごい車‥‥。
やなた: サファリ？
ゆーないと: そう！　サファリ、サファリ！！
あれが出てくるとクライマックス。

あやや: サファリ？
ゆーないと: すっごい車なんですよ。
なんかこう、４ＷＤの車で、
犯人がたてこもったりすると登場してた。
あやや: へえー。
ゆーないと: 車の屋根がスーッと開いて、
なんか‥‥放水銃？
あやや: 放水銃？
ゆーないと: ニューッと出てきて、
ものすごい水圧で水を噴射するの。
あやや: ‥‥ああー、あったね！
放水、あったあった。
やなた: 最後に、それいっぱつで決めるんですよね。
ゆーないと: そうそう。
で、その放水をするのが、団長なんです。
あやや: 団長、大門軍団の団長。
ヨシザワ: 大門圭介。
ゆーないと: 演じるのが、渡哲也さん。

───: かっこいいなぁ‥‥「西部警察」。
そうそうたる出演陣で。
あやや: 石原裕次郎さんはもちろんのこと。
ゆーないと: 舘ひろしさん、寺尾聰さん、
峰竜太さん、古手川祐子さん‥‥。
ヨシザワ: かっこいいですよね。
ゆーないと: かっこいい、しびれる。
あやや: いま、石原プロの社長さんは‥‥。
やなた: 渡哲也さんです。
あやや: そうですよね、
ああ‥‥だめだ‥‥
今度は「かっこいい」しか
言わなくなってきた（笑）。
───: たしかに（笑）。
やなた: では、
このあたりで休憩にしましょうか。
───: そうですね、
７０年代と８０年代のはざまで、
ちょっとブレイク。
武内: じゃあ、私はこのあたりで失礼します。
ま、どうぞごゆっくり（去る）。

あやや: ありがとうございました。
ゆーないと: すみませんでした、お騒がせして。
やなた: ‥‥休憩は、
甘いものでも食べながら。

あやや: お、甘いものですか。
ゆーないと: やったー。
やなた: 石原軍団といえば、おはぎ。
あやや: あ、それは十勝おはぎ。

やなた: そう、十勝おはぎ。
取材にうかがうと、
これを振る舞ってくださるんです。

ゆーないと: へえー。
あやや: 石原プロの「おはぎ」といえば有名ですけど、
それって十勝おはぎだったんですね。
───: 十勝おはぎ、いただきます。

ゆーないと: いただきまーす。
あやや: いただきまーす。

───: ‥‥おいしい。
ゆーないと: あ、これ、やわらかあ～い。
ヨシザワ: ぼく、食べてきたんですよ、
石原プロのおはぎを。
あやや: え‥‥？
それは、本物を食べたということですか？
ヨシザワ: はい、舘ひろしさんの前で。
ゆーないと: た、舘ひろしさんの？！
ヨシザワ: 舘ひろしさんに、
炊き出し会場で
インタビューさせていただく
機会があったんですが･･･。

あやや: 石原プロの炊き出し！
ゆーないと: 有名ですよね。
あやや: たいへんなものですよ、それは。
数千人分のご飯を用意できる道具を
石原プロは持ってるんですよね。
スエミツ: よくごぞんじで。
ヨシザワ: で、当日、
まずはごあいさつに行ったんです、
舘さんのところに。
「きょうはよろしくお願いします」
そしたら舘さん、
「よし、食おう」って（笑）。

あやや: いきなり（笑）。
ヨシザワ: まだ朝の８時くらいだったんですけど、
「とにかく食おう」と。
ゆーないと: でも、ありがたいですよね。
ヨシザワ: ありがたいです、もちろん。
なので、ありがたくいただきながら、
「今回のドラマなんですけど‥‥」
とインタビューをはじめると、
「まぁまぁ、ぜんぶ食ってからだ」と。

ゆーないと: とにかく、食べる（笑）。
ヨシザワ: そうなんです。
あやや: どんな料理をいただいたんですか？
ヨシザワ: たしか、豚汁とか、カレーとか‥‥。
これがまた、おいしいんですよ。
おいしいからどんどん食べちゃうんです、
もう、胃が痛くなるところまで。
ゆーないと: インタビューなのにそこまで（笑）。
ヨシザワ: そこまできて、ようやく、
「では、すこしドラマのお話を」
と持ちかけるんですが‥‥
「よし、じゃあ、お餅を食べよう」。
一同: （笑）

ヨシザワ: 「とにかく、話は食ってからだ」と。
やなた: 食べないと、先に行けない（笑）。
あやや: でもやっぱり、それはすごく
うらやましい経験ですよねー。
ゆーないと: うん。
だって、舘ひろしさんとですもんねー。
あやや: 面と向かって、でしょ？
こんな感じで。

ヨシザワ: ええ、まあ（笑）。
あやや: この距離でだよ、ゆーなちゃん、
いい？　いくよ‥‥
「とにかく話は、ぜんぶ食ってからだ」

ゆーないと: おおおー（笑）。
「はい」って、なるわ、これは。
あやや: 「よし、じゃあ、お餅を食べよう」

ゆーないと: い、いただきます（笑）。
あやや: かっこいいー。
うらやましいーー。
一同: （笑）
やなた: そういえば私、石原プロに
ありえない取材のお願いをしたことがある‥‥。
あやや: えー、なんですか、
ありえないって？
やなた: いつもおはぎをいただくので、
「なぜおはぎなのでしょう？」って、
厚顔無恥にうかがったことが‥‥（苦笑）。

ゆーないと: 舘ひろしさんに？
やなた: いやいや、そのときは、
石原プロモーションの小林専務というかたに。
あやや: 小林専務！　存じ上げてます。
石原プロの小林専務。
やなた: 北海道で、女手ひとつで
おはぎを作っているかたがいて、
そのかたを応援しようというのが
きっかけだったようですよ。
ゆーないと: 北海道、ですか。
ヨシザワ：: 石原プロが北海道で撮影をしていたときに、
その存在を知って･･･。
以来、応援し続けているそうです。
ゆーないと: へええーー。
あやや: 十勝おはぎって、
いまデパートとかに入ってますよ。
やなた: ええ、店舗がいくつかありますね。
お母さんが朝市で手作りのおはぎを
売り始めたのが最初らしいですよ。
ゆーないと: 女手ひとつで‥‥すごいなぁ。
あやや: わたし、ぜんぜん知らなくて
石原プロの有名なおはぎだと思わなくて、
ふつうに十勝のおはぎを
しょっちゅう買ってますよ。
ゆーないと: そうなんだ。
あやや: で？
それはそれとして、ヨシザワさん。
ヨシザワ: はい。
あやや: その、舘ひろしさんへの
炊き出しインタビューは、
結局どうなったんでしょうか？
ゆーないと: そうだ、それは気になる。
どうなったんですか？

ヨシザワ: いや、それはもちろん、無事に。
最後にはていねいに答えていただきました。
ほんとに親切なかたで‥‥。
あのですね、
舘さんのサービス精神は、すごいんですよ。
───: サービス精神。
ヨシザワ: たとえば‥‥
ぼくらが取材に行ったときの話なんですけど、
取材中に、車で１時間くらいの場所まで
移動することになったんですね。
ふつうだったら、
取材陣はそれぞれで移動するんですよ。
ところが石原プロは
「記者さんはこちらへ」と、
大きなバスを用意してくださったんです。
あやや: すばらしい。
ヨシザワ: バスに乗ったら、なんと‥‥。
ゆーないと: なんと。
ヨシザワ: 舘ひろしさんがマイクを持って、
「みなさま、ご乗車ありがとうございます」

一同: えええええーーーーーー！！
あやや: ほんとですか？　それ。
ゆーないと: すっごいですね！
ヨシザワ: 「舘ひろしです。
　つかの間ではございますがガイドを‥‥」
あやや: 乗りたーい！
ゆーないと: 乗りたーい！
あやや: ‥‥ちょっと待ってください。
わたしは今のエピソードを聞いて、
あらためて舘ひろしさんのことが、
すごく好きになりました。
ゆーないと: ね－、一気にね。

あやや: 舘ひろしさんには、
「あぶない刑事」で、
お世話になってるしね、もともと。
ゆーないと: そうそうー。
───: さて、おはぎを食べて、
石原プロのお話もうかがえて、
きっちり休憩できたことでしょう。
あやや: うん、できた。
───: お時間も、あまりございません。
８０年代へまいりましょう。
あやや: じゃあ、行きますか。
ゆーないと: 行きましょう。

（つづきまーす）

2010-12-15-WED