時刻は午後6時となりました。
全国のカボチャファンのみなさんほぼにちわ。
「モギがカボチャをくり抜く60分。」の
時間がやってまいりました。
実況は私、永田が担当いたします。
解説は、全日本カボチャ連盟の小林さんです。
小林さん、こんにちは。
「こんにちは、よろしくお願いします」
ええ、ウソです。そんな人はいません。
カボチャくり抜き担当・モギ、
カメラ・ぐっさん、テキスト・永田、
たった3人でお届けします。
どうぞよろしくおつき合いくださいませ。



え、なになに? スケッチ?
くり抜かないの?
まずは、どういう顔にするか決める?
怖いのにしようよ、怖いのに!



ええとですね、
なかなか、くり抜かないですね。
もったいつけますね。
え? なになに?
カボチャの面にはデコボコがあるから、
どの面に顔をもってくるのか決めるわけ?
まだるっこしいなあ。さっさとくり抜けよ。
全国のみなさん、くり抜き作業は
もうしばらくお待ちください。




ええと、まだくり抜きません。
道具の紹介をしておきます。
まあ、ぶっちゃけ、
メインはこのミニノコギリ(980円)!
あとのカッターは予備、だそうです。
ほんとにこれだけで、できるのかしら。
ていうか、さっさとくり抜こうぜ。




さあ、いよいよ
カボチャに取りかかります。
おやおや? まずは
カボチャのてっぺんに
ぐるりと輪を書きました。
「ここから、カボチャの
 ワタを取り出すわけよ」
カボチャのワタ!
そんなものがあろうとは!



おおっ! そして顔を描く!
ここで、ヘボい絵を描くと、
全国的に恥をかくことになります。
つまり、
「絵を描くついでに恥をかく」
というわけでございます。
カボチャ亭永田でございます。




下書き終了ーーっ!!
いよいよくり抜きますよーーー!!



グサッ!!
まずはてっぺんから行きます。
いよいよはじまりますよー。
ええっ! ていうか、
もう6時半???
ハイ、延長、決定ーーー!



ザクッ!!








ズシャシャシャッ!!








ギュゥゥゥワァアアッ!!








‥‥‥‥カパッ。



「えええっ! これ、
 いきなり空洞なのかよっ!」
ああ、糸井さん糸井さん、
触らないで触らないで。
「だってさーー、
 カボチャ、空洞なんだよ!
 オレ、中身は、こう、
 ぜんぶ掻き出すんだと思ってたよ」
はい、私も驚きました。
じつは、企画当初、
掻き出したカボチャの中身を
使って料理をしようとか
思ってたんですけど、
そういう問題じゃなかったですね。 



スカスカした中身を取り出します。
種とかさ、なんか、
筋みたいなやつとか‥‥。
ここを丁寧にやっておくと、
できあがったものが
長持ちするそうです。
ていうか、ほんとに、
中は空洞なのな。
 



ぜんぶの中身がコレ!
何度も言うけど、スカスカなんですよ。
あるのは種ばっかりです。

 



サクッ!








サクサクサクサクサクッ!












シュパァァァアーーーッ!








‥‥‥‥カパッ。



左目が空きました。
ハイ、ここで60分です。
時間が来ました。
また来年お会いしましょう。
さようなら‥‥って、
そんなわけにいくか!
延長です延長です。
予定を変更して
カボチャランタン完成まで
お送りします!



おやモギちゃん、
ずいぶん太りましたね‥‥ってコラ!
あなた、いま『Say Hello!』の
単行本校了作業で
それどころじゃないでしょ!
さっそくあやちゃんに怒られてました。




はい、右目も空きました。
中継をご覧のみなさん、
「さっさとくり抜けー!」だの
「気をつけろ」だの
「うわーー!」だの、
くだらないメールを
ありがとうございます。
くだらない企画には
くだらないお客がついて
くだらないメールを
おくってくださるのです。
くだらなくて、ゴメン。



さあああ、いよいよ口部分!
クライマックス!
なぜか集まってくるギャラリー!
魔女がひとりで奮闘中!
奥様の名前はサマンサ!




さあっ、口を切り裂く!


サクッ! サクッ!


ザ、ザ、ザザザザーーーッ!!


ククククククククッ、クッ、ククッ!


ズズズズァーーズァッ、


ザザザザーーーーーッ!!


全国から巻き起こるモギコール。


モ〜ギッ! モ〜ギッ!


モ〜ギッ! モ〜ギッ!


モ〜ギッ! モ〜ギッ!


モ〜ギッ! モ〜ギッ!


グ、グ、グ、グゥワーーーーッ!


おおおおおおお!


どよめくギャラリー!


わーーー、ぱちぱちぱちぱち!
口が空いた! 口が空いた!
よかった、よかった!
っていうか、
そんなに喜ぶことか?
冷静になれよ、社会人たち。



なわけで‥‥ええっ!
なに? ほぼ完成っ?
おいおい、手順が少なすぎないか?
「だから、簡単だって言ってたじゃん」
いやいや、こっからが本番ですよ!
ロウソクが入ってないじゃないですか。
ロウソクの入ってない
カボチャランタンなんて、
カボチャランタンに入ってない
ロウソクといっしょですよ!
そりゃちょっとたとえが違いますよ!



口がくり抜かれたとたん、
ギャラリーは帰っていった!
注目されなくなって、
ちょっぴりやさぐれる魔女モギ。



ともあれ、クライマックスだ!



ロウソクを取り出し!



火を灯し!



カボチャの‥‥



カボチャの‥‥



カボチャの‥‥



カボチャの‥‥



カボチャの‥‥



カボチャの‥‥



カボチャの‥‥



カボチャの‥‥



カボチャの‥‥



カボチャのなかへ!!!!



そんで、



フタを



カパッとね。




あああっ、ついに完成っ!
これより、
感動のフィナーレへ!!!




魔女は、




おもむろに




走り出し




ハンガーにかけてあった




魔法のマントを




着込みます。




そして、




できたばかりの、




カボチャランタンを




手に取るのです。





そして、





魔女が





目指すのは、






魔法の非常口!






魔法の非常口の向こうは





なんと、





秘密の






階段に





なっていたのです!





その先にあるのは、屋上!



大都会、東京‥‥。



ビルの屋上に‥‥。



魔女がいて‥‥。



そこにカボチャのランタンを‥‥。



置いていっただなんて‥‥。



あなたは信じられますか‥‥?



そう、もうすぐ、ハロウィン。



モギは見事に
カボチャをくり抜いたのでした。


子どもたちは、今日、
カボチャの夢を見ることでしょう。


〜The End〜

MOGI,GUSSAN&NAGATA