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ジョージさんの社長漫遊記 その6

ノリスケ ちょうどね、裏地の大切さを
鞄買って思ったんです。
ジョージ あ、そうなの?
ノリスケ ジャガード織のショルダーバッグ買ったら、
きっちり裏地がついてたんで、
思いの外重宝してるの。
ジョージ ああ、そうなんだよね。
ノリスケ 重いのが入ってもデローンってならない。
組織もそうありたいわねえ。
ジョージ だって僕が一時期はまった‥‥。
つねさん H?
ジョージ H社(笑)。
ノリスケ はい。
ジョージ の鞄って、ほんっとにいいもん。
裏地がシルクだもん。
ノリスケ ああ。そうなんだ。
ジョージ 考えてみたらルイ・ヴィトンがそうでしょ?
ルイ・ヴィトンって表地はゴムだけど。
ノリスケ ゴムですよね。
ジョージ 中が革だもん。
ノリスケ あれ買わないの?
絨毯ルイ・ヴィトン。重いやつ。
すごい素敵だと思うんだけど。
あれほんとに織ったんでしょ? 絨毯。
つねさん ああ、そうなの?
ノリスケ 絨毯を作らせてそれを生地にして
鞄作ったんだよ。
ジョージ だって重いわよ!
ペルシャ絨毯しょって歩く?
ノリスケ 見た目は素敵なのに。
ジョージ 素敵だよねえ。
ノリスケ すごい素敵だけど、そうね、
自分で持たなきゃいけないしね(笑)。
ジョージ で、社長になって出張が増えたでしょ。
そしたら最近ゴロゴロ鞄がすごい増えたもん。
ノリスケ おばさんみたい?
つねさん おばさんか女子高生か。
ノリスケ あ、女子高生持ってるねえ。
つねさん 持ってる持ってる。
ノリスケ あれ何?
ジョージ 荷物の異様に多い女子高生?
コスプレしなきゃいけないからでしょ?
たぶん。放課後。
ノリスケ 原宿とかの駅使うんですけど、
女子がすっごい荷物多いんだよね、中高生。
家出? とか思うくらい荷物持ってるの。
つねさん じっさい家に帰らなくてもいいくらいの
荷物があるんじゃないの。
ジョージ 鞄は自分で持つべきよ。
ほんと海外出張とか行く時にも
みんなで集まって、じゃ行くよって
誰も僕の鞄を持たないときの
清々しさっちゃありゃしないね。
たまにあんまりに放ったらかしなんで、
「時には気を使って」って
思うことがあるんだけど、でも言った手前。
つねさん 言えないしって。
ジョージ で、「あ、これ重い〜」とか言うと、
「ふーん、荷物が多いですもんね」って。
それで終わりだったりなんかして。
でもやっぱりね、若くなるよ。
トップが変わると。
つねさん 会社が。
ジョージ 考え方が若くなる。
ノリスケ あなたが社長になって、
困ってる人はいない?
ジョージ 困ってた人はいた。
困ってた人は何で困るかっていうと、
自分がどういうふうに
僕と接すればいいか分からないから
困ってた。
ノリスケ ああ。
ジョージ 別に自分の今の仕事に困ってたら
辞めてるんだよね。
ノリスケ うんうんうん。
ジョージ 仕事はしっかりできていて、
それでも困っている人は
僕とのつきあい方が分からないだけだから、
その人には1人1人話をしたよ。
つねさん カウンセリングするの?
ジョージ 特に一番困ったのは、
前社長の秘書やってた人。
ノリスケ そのまま会長秘書じゃないの?
ジョージ 会長秘書だよ。
だけど、僕に秘書がいないのに、
自分の役割って何なんだろうって。
ノリスケ ああ、何だろうって思っちゃうよね。
私っていらなかったの? って。
ジョージ そう。
ノリスケ 男性ですか?
ジョージ 男性。
どうすればいいんだろうって感じだったんで、
その人にはひとつ仕事をあげたの。
当然僕と会長がお互いに
スケジュールのことくらいは
分かりあえていないといけないんで。
つねさん そこらへんの把握を。
ジョージ そう。僕は一応自分のスケジュールを
自分で組み立てたらば、
1人コーディネートをしてくれてる
女の子がいるんで、
その子は僕のスケジュール作業の
専業ではないんですけど、
とっても可愛らしい子でね、
余分な仕事だけど僕の仕事をしてもいいと
言ってくれるもんだから、
「じゃあしてちょうだい」って。
切符の手配だとかそういうのを
してくれてるの。で、その子に
全部スケジュール渡すのね。
ノリスケ うんうん。
ジョージ そうすると、彼女はそれをせよと
言われていないのに
とても気が利く子なので、
それぞれの部署の責任者に
そのスケジュールを配って歩く。
ノリスケ ああ、なるほどなるほど。
ジョージ で、結果みんな僕のスケジュールを
知ってることになっていて。さらに、
彼女のほんとに気が利いてるところが、
週末のスケジュールは最初から
×(バッテン)入れてくれてるところ。
ノリスケ ほお。素晴らしい。
ジョージ 素晴らしい。
週末働かない人ということを作ってくれてる。
ノリスケ マネジメントの才能がある子なのね。
ジョージ でも、やっぱり出張が週末まで
かかってしまうことがあるんだけども、
その時には自分と数名の人には
伝えてあるけど、
僕は仕事してないことになってる。
で、その「僕はどうすればいいんでしょう」
って言う会長秘書にだけね、
「ああ、僕自分のスケジュールって
 誰にも教えないことになってるんだけど、
 あなたにだけは教えてあげますから」って。
ノリスケ あ、うれしいね、その人は。
ジョージ それで、「僕から教えてあげることは
できないから、聞きに来て下さい。
聞きに来てくれたら全部教えてあげるから。
会長に何か聞かれた時には、
僕の方からあなたに電話をかければ
僕のスケジュールは全部分かるように
なってるから、よろしくお願いしますって
言っとくから」って言ったの。
彼は今ものっすごいやりがいを持って
会長秘書の仕事をやってるよ。
ノリスケ なるほどね。あと、その人には
このページも読むように
言っとくといいかもしんな〜い。
ぜひ社員のみなさまにこのページを。
つづきまーす。


2005-12-26-MON

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