ほぼ日テレビガイドシリーズ

秋の連ドラチェック2016

あややとふたりのプロフェッショナル
ほぼ日刊イトイ新聞
新しい連ドラがスタートする頃、
歩みを合わせるかのようにスタートするのが
この「連ドラチェック」シリーズです!
‥‥って、あかんやろ。遅いやろ。
はじまる前にスタートしろっちゅう話や。
ああ、すみません、編集者の作業が遅くて。
それはさておき、お待たせしました!
ほぼ日刊イトイ新聞が誇る、
超弩級テレビッ子、あややが
脚本家、森下佳子さんと
マンガ家、荒井清和さんといっしょに
今クールの連続ドラマについて
たっぷりこってりまったり語ります。
語ったのはドラマがはじまる前ですから
願望、予想、妄想などが交錯しますが、
脱線上等の心持ちでのんびりと
たのしんでいただければと思います。
進行は、テレビドラマについての造詣が
まったく深くならない
「ほぼ日」の永田が担当します。
味わい深いイラストと、魂の漫画は、
「沼のハナヨメ」でお馴染み、
「気仙沼のほぼ日」のサユミが描きます。
じゃ、はじまりますよー! 沼のハナヨメ
新しい連ドラがスタートする頃、
歩みを合わせるかのようにスタートするのが
この「連ドラチェック」シリーズです!
‥‥って、あかんやろ。遅いやろ。
はじまる前にスタートしろっちゅう話や。
ああ、すみません、編集者の作業が遅くて。
それはさておき、お待たせしました!
ほぼ日刊イトイ新聞が誇る、
超弩級テレビッ子、あややが
脚本家、森下佳子さんと
マンガ家、荒井清和さんといっしょに
今クールの連続ドラマについて
たっぷりこってりまったり語ります。
語ったのはドラマがはじまる前ですから
願望、予想、妄想などが交錯しますが、
脱線上等の心持ちでのんびりと
たのしんでいただければと思います。
進行は、テレビドラマについての造詣が
まったく深くならない
「ほぼ日」の永田が担当します。
味わい深いイラストと、魂の漫画は、
「沼のハナヨメ」でお馴染み、
「気仙沼のほぼ日」のサユミが描きます。
じゃ、はじまりますよー!


  • あやや

    ほぼ日刊イトイ新聞随一のテレビッ子。
    どんなに忙しくても
    録画したドラマは必ずチェック。
    毎週発表される
    視聴率なども無意味に把握。
    幼少期から蓄積された
    テレビの知識は無尽蔵。
  •  荒井清和

    漫画家・イラストレーター。
    ほぼ日刊イトイ新聞にて
    『TVウォッチャーの逆襲』を
    超不定期連載中。
    「写真より似てる」という
    高品質な似顔絵には定評が。
    ドラマ、スポーツ、
    バラエティー番組などが好き。
  • 森下佳子

    脚本家。『JIN-仁-』
    『世界の中心で、愛をさけぶ』
    『白夜行』『天皇の料理番』など
    名作ドラマを生みだす。
    NHK朝ドラ『ごちそうさん』で
    向田邦子賞を受賞。
    2017年の大河ドラマ『直虎 おんな城主』を現在執筆中。



遅くなってすみません(編集担当永田より)!
どうぞよろしくお願いします!
あやや
はい、よろしくお願いします!
森下
よろしくお願いします。
荒井
よろしくお願いします。
──
よろしくお願いしますー。
あやや
ちょっと今回は‥‥私‥‥
このコンテンツの存続の危機を感じています!
荒井
おお。
森下
そうなの?
あやや
なぜかと言うと‥‥昨今の連ドラに元気がない。
森下
うーん‥‥まぁ‥‥
そういう時期もあるさ。
荒井
この夏はオリンピックありましたし。
──
え、関係するんですか?
あやや
関係します。
オリンピック中継が入ると、
連ドラが休止になる可能性があるわけです。
なので、オリンピックの時期には
ビッグネームをキャスティングしない、
というふうに言われてます。
ほんとかどうかは知りませんが。
──
へぇーー!
森下
へぇーー!
──
‥‥いちばんドラマ業界を
知ってるはずの人も驚いてますけど。
あやや
あれ? 違うの?
森下
どうなんだろう?
荒井
まぁ、夏のドラマは
お盆休みもあって数字が読みにくく、
「夏枯れする」とも言われてますね。
森下
そういう傾向はあるかもしれませんね。
あやや
ま、でも、各局、気概は感じますよ。
結果が出ている出ていないは別にして、
チャレンジしてる感じは、します、よ、ね?
森下
‥‥。
あやや
もしもし? 森下さん?
森下
あ、ごめんなさい。
最近、テレビそのものを
なかなか観られなくて‥‥。
あやや
ああー、そうか、そうですよね。
森下さん、なんといっても
次の大河『おんな城主 直虎』の脚本を
執筆してらっしゃるわけですから。
テレビを観る時間がないのもうなずけます!
荒井
いま、たぶん、
とんでもなくお忙しい時期ですよね。
あやや
そう、そう。
森下
うん‥‥。
──
しかし‥‥ぼくは、知ってますよ。
森下
ひ。
──
次期大河を控えて大忙しの森下さんですが、
どういうわけか‥‥。
あやや
どういうわけか?
荒井
どういうわけか?
森下
やめてー、言わないでー。
──
森下さん、『ポケモンGO』、
コンプリートまであと8種類!
荒井
えーーーーー!
森下
ごめんなさいごめんなさい。
あやや
どういうことどういうこと?
荒井
あと8種類ってことは、
もうほとんど集まってるじゃないですか。
──
そうなんですよ。
あやや
どういうことどういうこと?
荒井
どうしちゃったんですか。
森下
あのね、海外で『ポケモンGO』が
大流行しているってニュースが入ってきたときにね、
テレビの業界の人たちは危機感を感じたそうです。
「視聴者の時間を『ポケモンGO』に奪われる」って。
「『ポケモンGO』はテレビの敵だ」って。
私も、ちょっとやばいなと思いました。
がんばらなければ、と。負けないぞ、と。
──
ところが。
森下
森下は『ポケモンGO』に負けました。
荒井
はははははは。
──
なにをやってるんですか、なにを。
森下
みんなは、やってないの?
あややは?
あやや
あややは負けませんよ、
『ポケモンGO』に!
──
負けませんっていうか、
あやちゃんは『ポケモンGO』はもちろん
ゲーム全体のことが
まったくわかってない人なんです。
荒井
さっき、森下さんが来るまえに
ちょっと『ポケモンGO』の話をしてたんですが、
あややさん、「ピカチュウ」のことを、
「コロ助」と言ったんです。
森下
ええええーーーー!
あやや
‥‥てへ。
──
ほんと困るよ、このまま書くと、
また、話をつくってると思われるんだよ。
森下
た、たしかに、ネタとしか思えないですね、
「ピカチュウ」を「コロ助」って‥‥。
荒井
永田さんとポケモンの話をしてたら、
無理矢理知ってる風に入ってきて、
「あの、コロ助がいるじゃないですか」って。
森下
ひ、ひど‥‥。
あやや
いや、そもそも言いたかったのはね、
私、ポケモンって、
全員がポケモンだっていうことを
最近、はじめて知ったんですよ。
森下
???
荒井
?????
──
すんません、ほんま、すんません。
あやや
私、ポケモンというのは、
かぎられた子だけがポケモンだと思ってたんです。
つまり、あのコロ助みたいな子を
「ポケモン」と呼ぶんだろうな、と。
森下
コロ助‥‥が、ピカチュウのこと?
荒井
そうらしいです。
あやや
ああ、そうそう、だから、
コロ助だけが「ポケモン」かと思ったら、
もう、全員が「ポケモン」だと。
──
コロ助はポケモンじゃない!
森下
なんでコロ助(笑)。
荒井
ピカチュウをコロ助と表現した人、
はじめてですよ。
──
表現っていうか‥‥。
あやや
でさ、男の子がいるでしょ?
サユミ
(あややさん、コロ助のまちがい、
 ぜんぜん気にしてない‥‥)
あやや
ヒロシって男の子。
荒井
‥‥サトシ。
あやや
あ、サトシか。
森下
だははははははは!
──
あやちゃん、もう、ひとりで
ナイツのネタやってるみたいになってるぞ。
荒井
たしかに。
高速で細かいボケを重ねていく、
ひとりナイツ。
森下
ほんと、すごいねー(笑)。
「ピカチュウがコロ助」だよ?
ぜんぜん似てないじゃん。
まったく違うじゃん。
あやや
え、似てますよ。
だってどっちも黄色いじゃないですか。
荒井
コロ助は黄色くない!
森下
コロ助は黄色くない!
あやや
え、黄色いですよぅ!
じゃあ、何色なんですか、コロ助?
荒井
何色っていうか‥‥。
──
どうしても色を言えというなら、肌色だ。
あやや
えぇーーー、肌色ぉ? コロ助がぁ?
納得いかなーい。
荒井
収拾がつかなくなってきました。
──
森下さん、なんでスマホいじってるの!
森下
ごめんなさい、ごめんなさい、
このへんってあんまり来たことないから
なにがいるんだろうな、と。
神宮球場とか外苑のあたりに
いろいろいそうで‥‥。
荒井
森下さんって、もともと、
そんなにゲームやってないですよね?
森下
まったくやってないです。
『ポケモンGO』で
はじめてゲームというものをやりました。
あやや
それって、もしかして、
すっごいセンスあるんじゃないですか。
はじめてハマって、もうすぐ終わりそうって。
──
なにがそんなにハマらせたんですか?
森下
なんかね、このマス目がよくなかったと思うの。
荒井
マス目?
森下
集めると、図鑑のマス目が埋まっていくんですけど。
ほら、こんなふうに‥‥。
あやや
わぁーーー、たくさん!
ほとんど埋まってるじゃないですか。
森下
これがねー、そそられるんだよねー。
ほら、私、受験勉強世代じゃない?
マス目があいてると埋めたくなるの。
埋めるのに躍起になっちゃって、
かなり埋めた。
あやや
あー、なるほど。
じゃあ、森下さん、『テトリス』とかも
やったらハマりますよ、きっと。
荒井
そういう「埋め方」じゃないでしょう。
──
「埋める」の意味が違う。
あやや
また違うの?
森下
いや、だからね、何気なくはじめたんですよ。
さっきも言いましたけど、
『ポケモンGO』はテレビの敵だというから、
「なんぼのもんじゃい」と思って、
ほら、まず、敵を知れば‥‥
あやや
はいはい、敵を知れば‥‥敵を知るなり。
荒井
違います。
──
「敵を知り己を知れば、百戦危うからず」
あやや
郷に入りては‥‥
森下
ん?
あやや
あ、郷に従え。
森下
んん?
あやや
‥‥なんで? 合ってますよね?
「郷に入りては郷に従え」。
──
使うことわざそのものを
間違ってるんじゃない?
荒井
「ミイラ取りがミイラになる」?
あやや
あ、そうそうそう!
さすが荒井先生!
それが言いたかった!
──
あやちゃん、完全にひとりナイツ状態。
あやや
だから、森下さんがミイラになったんですよ!
ん? ミイラはポケモン?
荒井
‥‥永田さん、そろそろ。
──
ドラマの話を、してくださぁい!
あやや
はーい。
──
森下さん、スマホ、しまって!
タマゴの様子をたしかめない!
森下
‥‥あ、ごめん、ごめん。

カインとアベル

フジテレビ系●月曜日午後9時


あやや
じゃあ、月9、行きましょう。
『カインとアベル』です。
「カインとアベル」って、
よく聞きますけど、なんでしたっけ?
──
もとは、聖書?
荒井
兄弟ですよね、聖書に出てくるとか。
あやや
じゃ、原作は聖書?
──
壮大すぎるわ。
森下
漫画とか小説とかでよく引用されますよね。
むかし『ダンシング・ゼネレーション』という
槇村さとるさんの漫画の中に
『カインとアベル』という
ダンス作品が出てきたのを憶えています。
なんか、お兄ちゃんが弟を殺しちゃう
というような話だったような‥‥。
あやや
ええ!
──
なんか、そういう業(ごう)の深い話に
よく引用されますよね、カインとアベル。
荒井
で、これもそういう話?
あやや
ええと、あ、そうですね。
兄の恋人とできちゃう感じ?
兄との三角関係ですか。
森下
そうらしいね。
「優(弟)は、恋に落ちたその女性が
 皮肉にも兄の恋人だったということを知る」
あやや
なるほど。
これはけっこう、恋人役が重要ですよ。
魅力的な人でなければ。
──
倉科カナさんですね。
あやや
そうきましたか!
いいんじゃないですか。
倉科カナさん、男の人に人気ありますよね。
同性から見ても、
「この子はモテるに違いない」
という納得感があります。
森下
そうね、かわいいねぇ。
──
主役の弟役は山田涼介さん。
あやや
Hey! Say! JUMPですよ。
お茶の間的にいえばあれじゃないですか、
「じっちゃん」の役ですよ。
荒井
「じっちゃん」の役ではないでしょう。
あやや
「じっちゃんの名にかける」ほうか。
森下
あー、金田一一ね。
四代目金田一少年役。
荒井
「じっちゃん」の役だと
金田一耕助になっちゃいますから。
──
あやちゃんのひとりナイツが止まらない。
あやや
山田涼介さん、いいと思います。
最近、独特の色気が出てきましたよね。
影があるというか、アンニュイというか、
心の切なさみたいなものを演じる役だと
すごく、いいですよ。
荒井
倉科カナさんはどうですかね。
あやや
倉科カナさんはね、
竹野内豊さんと、お噂になってますよね。
その組み合わせは、私はなかなか
いいんじゃないかなと思ってます。
──
どういうことよ、
組み合わせがいいとか悪いとか。
あやや
いや、ほんとはないんですけどね、
誰が誰とつき合おうがいいんですけどね、
こう、テレビ好きとしては、
「あ、それはいいね!」っていうカップルと、
「それはないんじゃない?」
っていうカップルがいるじゃないですか。
で、個人的に、倉科カナさんと竹野内豊さんは
いいんじゃないかと。年齢差あるけど。
──
ようするに、勝手に言ってるだけだな。
あやや
そのとおりです!
ま、倉科カナちゃんは、
いい子なんじゃないかなと。
荒井
テレ朝の刑事ものの紅一点の役、よかったです。
『刑事7人』でしたっけ? 出てましたよね。
あやや
出てました。
森下
で、お兄さん役が、桐谷健太さん。
荒井
雰囲気のある兄弟ですね。
あやや
脚本はどなたでしょう?
──
阿相クミコさん。
『マルモのおきて』『残念な夫』を
手がけた方だということです。
あやや
ほう、いいかもしれませんよ。
フジテレビは成功体験として
『マルモのおきて』がありますからね。
この連ドラチェックでも
以前話題になったと思いますけど、
『マルモのおきて』は
森下さんが脚本を書いて大ヒットした
『JIN』の続編の裏番組で、
当初は、なんというか、
負け試合覚悟でつくってるんじゃないか、
なんて言われていたんですけど、
はじまってみたら、大健闘したんですよね。
森下
そうです。
けっこう数字取られたなぁ、
という印象があります。
荒井
森下さん、当時は
「なんで裏にわざわざこんな枠を設けるんだー!」
って言ってましたね。
森下
そうそう(笑)。
だって、ドラマの枠じゃなかったのに
『JIN』と同時にはじまるんだもの。
──
お話のほうは、資料によると、
ヒューマンラブストーリー。
あやや
純愛っぽく進むよりは、
こう、どんどんよじれていったほうが
おもしろいかもしれませんね。
ちょっと病んじゃうくらいの展開に。
森下
わたしこういうお話だと、
あれ好きだったんだよね。
野沢尚さんが書いた『青い鳥』。
あやや
あー、はいはいはい! 
わかるわかる!
『青い鳥』とか、
鈴木保奈美さんと三上博史さんの
『この世の果て』とか。
森下
ねー、ねー。
荒井
『この世の果て』は月9ですね。
──
それはどういう傾向のお話なんですか?
あやや
ラブストーリーなんだけど、
すごいつらいことがいっぱい起こるんですよ。
森下
犯罪が絡んでたり、
いろいろ後ろ暗いことがあるんだけど、
でも‥‥
あやや
人間愛。
森下
そうそうそう。
話としては、きれいなんです。
荒井
昔はわりとよくありましたけど、
最近は少なくなりましたよね。
森下
いま、あの系譜はなくなっちゃいましたね。
ああいうドラマをやるには、
ちょっとキャスト的に若い気もしますが。
荒井
でも、ただ、かっこいい男女が
出てくるだけの話じゃなさそうなので、
ちょっと期待したいですね。
あやや
はい、観てみたいです。
荒井
最近、月9が苦戦しているようなので、
がんばってほしい。
──
さすが、月9ファン。

ドクターX〜外科医・大門未知子〜

テレビ朝日●木曜日午後9時


あやや
さあ、みなさん、
わたしたちのクールに、
米倉サマが帰ってきました!
──
あ、ほんとだ!
森下
キラ星のように。
荒井
『ドクターX』だ。
あやや
米倉サマの主演ドラマはなぜかいつも
春と秋のクールになることが多く、
この連ドラチェックをやるたびに
米倉サマを語ることになっていたんですが、
めずらしく前回はお休みだったんですよね。
しかし、米倉サマ、帰ってきました!
大人気シリーズ『ドクターX』です!
荒井
もうシリーズ第4弾になるんですね。
──
「失敗しない人」だよね。
あやや
そう、「私、失敗しないので‥‥」の人です。
このまえの『ドクターX』は
最終回でなんと宇宙まで行って終わりました。
しばらく休むんだろうなと思ってたら、
わりとあっさり帰ってきました!
森下
(笑)
あやや
で、このあいだ、
このシリーズのプロデューサーさんが
なにかのインタビューで言ってたんですけど、
『ドクターX』はなにを参考にしてるかというと、
『荒野の用心棒』なんだそうです!
荒井
へぇーー。
──
西部劇。
森下
ああー、なるほど。
あやや
言われてみると、たしかにそうなんです。
腕に覚えのある人が、
ばーっと行って問題解決して、
「じゃ」って去っていく。
あれは『荒野の用心棒』のフォーマットを
研究してやってるそうです。
あと、西部劇っぽい音楽も流れるんですよね。
たらららら〜って。
もっと言うと、つまりこれは、
黒澤明であるとも言えると思うんですよ。
ってことは、三船敏郎さんですよ、米倉サマは。
いってみれば、そういうことですよ、
どうです、ゼェゼェ、はぁはぁ‥‥。
──
慣れない分析口調で一気にしゃべるから。
荒井
まあ、でも、そうなんでしょうね。
だからこそ、1回限りじゃなくて、
シリーズとして続いている。
いまのドラマの王道なんでしょうね。
その証拠に『ドクターX』に影響されたような
ドラマが増えてきていると思うんですよ。
『家売るオンナ』なんかも、
おそらく、影響受けてましたよね。
北川景子さんの決めゼリフが
「私に売れない家はありません」っていうのも
「私、失敗しないので‥‥」っぽいですし。
しかも、ふたりとも無表情で。
──
あーー、なるほど。
森下
その前に『家政婦のミタ』があるかもしれませんね。
その路線が『ドクターX』で完成したというか。
あやや
そうそうそう。
そのあたりが影響を与え合って、
いまはもう、ひとつのジャンルになっている。
──
つまり、無表情の凄腕ヒロインが
問題解決していく1話完結もの。
あやや
そう、西部劇です。
荒井
わざと取り入れてる感じはしましたよ。
あやや
このあと出てくる、
天海祐希さんのドラマも、
問題解決型のヒロインですしね。
森下
スーパーウーマン型。
荒井
『ドクターX』はシリーズを通して
視聴率高いんですよね。
あやや
この間のスペシャルも、
さすがだなと思いました、ほんとに。
脚本チームにも『トットてれび』の
中園ミホさんが帰ってきましたし、
安定感あると思います。
──
新しい要素はあるんですか?
『相棒』で言う新相棒みたいな。
あやや
生瀬さんが前回のスペシャルから出てまして、
今回から泉ピン子さんも出ますね。
あと、吉田鋼太郎さんも初出演ですよ、みなさん。
まりぶの父ですよ。
『ゆとりですがなにか』よかったですよねー。
荒井
遅咲きですが、ここのところかなり見ますね。
森下
もともと舞台で活躍していて、
『花子とアン』でブレークして、
それからいっぱい見るようになりましたね。
あやや
わたしは小栗旬さんが好きで舞台も観ていたので、
小栗旬さんの舞台といえば、この人、みたいな。
森下
仲いいんだよね。
あやや
そうそう。
で、ラスボスの西田敏行さんもいるし、
いつの間にか豪華キャストですよ、
『ドクターX』。
荒井
数字を持ってる岸部一徳さんも。
──
出た(笑)! 荒井先生が提唱する
「岸部一徳さんが数字持ってる」説。
森下
うーん、今回はとくに説得力あります。
あやや
たのしみですねぇ、このシリーズ。
そして、米倉サマはご自身の
生き様も気になるところ‥‥。
──
もうライフワークですね、
女優の生き様チェック。
あやや
とくに米倉サマは気になります。
森下
ご結婚されたまま、ですよね?
あやや
そのあたりが微妙に謎めいているのもいいんです。
米倉サマはどこに行くのか!
そもそも、もう『ドクターX』は
やめますと言ってたのに!
荒井
そんな発言があったんですか?
あやや
そうなんですよ。
『寅さん』にも『釣りバカ日誌』にもしません、
みたいなことをおっしゃってたのに、
半年後にはスペシャルをやり、
1年後には連ドラ復帰で、
わたしたちのクールに帰ってきました。
その軽さもまた素敵です!
しかし、みなさん、
私はちょっと悩んでいるんです!
米倉サマ、今後はどういう路線を
歩むべきなんでしょう!
森下
え? どういうこと?
あやや
ここまで当たり役が固定化されちゃうと、
テレ朝の定番女優さんとして
がっちり安定しちゃうんですよ。
つまり、名取裕子さんです。
沢口靖子さんです。
いいといえばいいんですが、
果たしてそれでいいんでしょうか?
荒井
いいんじゃないですかぁ。
森下
いいんじゃないでしょうか。
あやや
そうなんだー。
そうなんだー。
えー、そうなんだー。
──
ははははは、なんだそのやり取り(笑)。
荒井
いまテレ朝の定番ラインにハマるって
すごいことなんじゃないかなあ、と。
森下
むしろ、女優さんは
みんなハマりたいんじゃない?
荒井
沢口靖子さんの安定感。
あやや
いや、でもね、米倉サマはね、
40代とはいえ、脚とか腕とか、
まだまだ見せられるものがいっぱいあるんですよ!
もっといろんな役も見たいのに!
森下
でも、いいんじゃない?
荒井
うん、いいんじゃないですか?
あやや
そっか、わかりました。
‥‥今日をもって、
私、あきらめたいと思います!
──
あきらめるのかよ。
あやや
あと、最後にもうひとつ、
私はドラマファンのみなさまに
ぜひお伝えしたいことがあります。
しかし、それは、永田さんが
今回の連ドラチェックをさっさと編集して
ドラマがはじまる前に掲載できるかどうかに
関係してくるんですけど‥‥。
──
あ、おい、そういうこと言うなよ。
あやや
あの‥‥言ってもいいですか?
森下
言うんでしょ。
荒井
言うんでしょ。
──
言うな、言うな。
あやや
みなさん、『ドクターX』はね、
シリーズの1話目のファーストシーンに、
ものすごく力を入れるんですよ!
──
わぁ。
あやや
これ、毎回そうなんです。
こないだのスペシャルでも、
ビートたけしさんが
路チュウしてたところからスタートして、
路チュウ相手が突然、心臓が、
ううーっとなる印象的な場面から
はじまりました。
森下
「路チュウ相手」(笑)。
荒井
はははははは。
あやや
それとか、
米倉サマがクラブで、
脚も腕も、こーんなに出して、
その姿にわたしたちがうっとり見惚れてると、
突然客が倒れる、っていうのとか。
つまり、第1話の、
それもファーストシーンが
とにかく見逃せないドラマなんです!
──
なるほど‥‥。
あやや
さあ、これが掲載されるのは、
第1話のファーストシーンの
前かな? 後かな?
──
ど、努力します‥‥。
(すみません、間に合いませんでした)


(‥‥つづきます)
2016-10-24-MON

(C) HOBO NIKKAN ITOI SHINBUN