現在を
どう生きるか

  • 時間

    68
  • 音質

    山梨県立文学館で行われた
    シンポジウムにおける講演。
    他の講演者には芹沢俊介氏、
    藤井東氏、山崎哲氏がいた。
    音源は主催者提供。

  • 講演日時:1995年9月3日
    主催:教育研究会/山梨日々新聞社
    場所:山梨県立文学館講堂
    後援:新潮社
    収載書誌:ボーダーインク『現在をどう生きるか』(1999年)




「現在」ということをいうのに、
一般に、「価値の多様化」ということを
人々がいっているわけですけど、
僕はそういうふうに考えていません。
もともと生活における価値観が多様だというのは
当然のことです。
僕は、「価値の浮遊性」というように考えています。
「価値が浮かんで価値の本体から
離れてどこへでも行ってしまう」
ということです。
価値ということはひとつの問題に過ぎません。
「浮遊性」──つまり、ある事柄が
本体のところから離れてどこへでも行ってしまうという
そのことが、「現在」の特徴として
いえるのではないでしょうか。
「浮遊性」を共通の理解事項とすれば、
「現在」ということがいえるのではないかと考えています。