ボードリヤール×吉本隆明
世紀末を語る
──あるいは消費社会のゆくえについて

  • 時間

    161
  • 音質

    第75回紀伊國屋セミナー
    「ジャン・ボードリヤール
    来日記念講演会」
    での講演と対論。
    司会及び通訳をつとめているのは
    塚原史氏。
    音源は主催者提供。クリアに収録。

  • 講演日時:1995年2月19日
    主催:紀伊國屋書店
    場所:新宿・紀伊國屋ホール
    収載書誌:紀伊國屋書店『ボードリヤール×吉本隆明 世紀末を語る』(1995年)




ボードリヤールさんは、日本というのを
褒め過ぎではないかと思います。
「日本は起源というのを担保にしていないから、
何でも自在に受け入れていけるし、
自在に展開することもできる、
それは日本の利点じゃないか」
といっておられると思うんです。
僕の考え方は、ボードリヤールさんが見ておられる
日本というのとは逆のことで、
「日本の起源はどう突っついていけば不明でないか」
を課題にしています。
僕らが見ようとしている日本は、アジア的でない、
アフリカ的なんです。
究極的には、ヘーゲル歴史哲学がいう
「アフリカ的段階の日本」というものを
はっきりさせたいのです。
それは、日本の消費資本主義社会を
「死」のほうへ向かって明確にしていくことと、
同じ方向だという方法にあたります。