「知」の流通
──「試行」刊行から34年……現在

  • 時間

    121
  • 音質

    地方・小出版流通センター
    20周年記念イベントの講演。
    やや音声が曇っているが
    比較的クリアに収録されている。

  • 講演日時:1995年2月10日
    主催:地方・小出版流通センター
    場所:幕張プリンスホテル
    収載書誌:未発表




流通のやり方を決めていく決め手というのはもちろん
上のほうから決まっていくのが常道ですが、
消費資本主義、現在の高度な資本主義が突入した段階から
いいますと、逆が成り立つということです。
つまり「価格破壊」が成り立つのであって、
それは別の言葉でいえば、
「消費者第一主義」ということを意味します。
消費資本主義の段階で誰が価格を決めるのかというと、
消費者が決めるわけです。
それにいちばん近いかたち、いちばん便利で安いかたちで
提供を受ける権力というのはどこなんだとか、
やり方はあるのかというのは、
僕が「試行」という雑誌をはじめてから
一生懸命考えてきたことです。
その原則、原理だけはいまでも通用すると思いますし、
いまのほうがある意味ではかえって
通用する段階になっているのかもしれません。