像としての都市

  • 時間

    129
  • 音質

    8人連続講演会
    「アーバンコンファレンス21」
    として行われた講演。
    他の出演者には藤森照信氏、
    荒俣宏氏、中村桂子氏など。
    周辺ノイズが入るが
    内容はクリアに聞き取れる。

  • 講演日:1992年1月21日
    主催:NKK都市総合研究所
    場所:大手町・日本鋼管本社ビル
    収載書誌:弓立社『吉本隆明全講演ライブ集 第11巻』(2005年)




ひとつのビルがどうなっていくのが理想なのかを
追究することと、
都市がどうなっていくのが理想なのかを追究することと、
国家社会がどうなっていくのが理想なのかを
追究することはぜんぶパラレルで対応する、
そういう考え方を僕はしてきました。
どんな国家社会が理想的な社会かというのを弾き出す場合、
主観的に、あるいは知的に
「これが理想なんだ」といっても、
そんなことはちっとも当てになりません。
理想の設計という場合、他者というのが必要です。
理想というのは先端的であればいいか、新しければいいか、
間違っていないやつを選べばいいかといったら
そんなことはないので、いつでも一般人的なもの、
平均人的なもの、あるいはそのときの平均都市的なものを
絶えず他者としてこっちに持っていなければ、
どんな先端的な試みも危ういでしょう、と
僕は考えています。