いまの社会と言葉

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    110
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    2週間前「現代用語の基礎知識」が
    新語・流行語大賞を発表したので
    「ファジー」「ちびまる子ちゃん」
    などの言葉を取り上げていく。
    音質はあまりよくないが、
    ステージ近くで録音されたため、
    内容は聞き取ることができる。

  • 講演日:1990年12月12日
    主催:白梅学園短期大学
    場所:白梅学園短期大学
    収載書誌:弓立社『大情況論』(1992年)




今日の言葉と明日の言葉とは
ちっとも変わっていないように見えるんですが、
1年なら1年、2年なら2年たつと、
いつの間にか変わっているという変わり方を
することになります。
もちろん断絶的に新語が勝手にできたということも
自由自在です。
しかしそうではなくて、1ヵ月や2ヵ月では
ぜんぜん変わっているとは思えないんだけど、
「候べし」と昔いってたのが、
500年もたつと、「そうだぞ」という言葉に
変わっています。
ところが501年、500年、499年前と連続的にとったら、
ちっとも変わり方がわからない。
それが蓄積すると変わっている。
言葉というのはそういう変わり方をする面があります。
言葉の断続性、新語とか流行語と同時に、
日本語は日本語じゃないかという連続性、
そのふたつの面をつくって、時代とともに
移っていくのです。
これが言葉の持っている生理・心理に属するわけで、
その背景の社会はそれぞれいろいろ
変わっていくことになります。