つくば、
都市への課題

  • 時間

    93
  • 音質

    講演時間は2時間だったが
    吉本隆明の体調不良のため
    1時間30分に変更された。
    音源は主催者提供。
    ところどころマイクノイズあり。

  • 講演日時:1990年5月18日
    主催:筑波西武リブロブックセンター
    場所:エキスポセンター コズミックホール
    収載書誌:未発表




都市というのは、非常に嫌らしい本質を持っています。
都市は、産業が高次化して農業や漁業のような
第一次産業が衰退していけばいくほど成長します。
次に、第二次産業、製造業が
大きくなればなるほど成長します。
しかし第三次産業に重点が移っていったとき、
都市はなお成長します。
これは感情論でもなければ倫理の問題でもありません。
数学の定理のように、産業が高次化するほど
都市は成長するということです。
それが歴史の発展する方向であることは
疑いないと思います。
産業の高次化と都市の成長が比例関係にあるという定理を
冷静に見つめて分析し、
さまざまな条件をとりだしたうえで、
これを理想の状態に近づけるには
どういう考慮が必要なのかを問題にすべきだと思います。