ハイ・イメージを
語る

  • 時間

    143
  • 音質

    冒頭の司会で音が乱れるが
    比較的クリアに収録。
    テープチェンジのため講演の最後と
    質疑応答の冒頭と最後が欠け
    途中で音質が変わる。

  • 講演日時:1987年5月16日
    主催:京都書院
    場所:京都書院ヴァージョンB 4F ヴァージョンG
    収載書誌:未発表




現在、僕がイメージについて考えていることが
ふたつあります。
ひとつは〈イメージの交換〉がたやすくなっている
ということです。
もうひとつは、〈限界というイメージ〉が
可能になってきたということです。
たとえば、空間がたくさん重なったところでは、
実際にはひとつの視野で
現実のビル街の光景を見ているのに、
現実のビル街を見ているのではなくて
イメージを見ているように錯覚されるところがあります。
それは、イメージと現実が転倒してしまうということです。
また、あそこは山だ、丘だ、あそこが限界だと思って
宅地開発していくと、限界が見えているのに、
近づいていくとまた遠のいていくということがあります。
どこに限界を定めていいのか
イメージが明瞭に浮かんでいながら、
いざそこへ近づくと限界は遠のいてしまう。
この問題は、制度の問題、産業の問題など
すべてを象徴するに足るふたつの流れだと思います。