「受け身」の
精神病理について

  • 時間

    136
  • 音質

    音源は主催者提供。
    音声の反響もあるが、
    比較的クリア。
    テープの反転にともない
    聞き取りづらくなる個所がある。
    質疑応答はていねいに答えている。

  • 講演日:1986年4月12日
    主催:宮崎市・一ツ瀬病院・精神医療を考える会
    場所:宮崎市中央公民館
    収載書誌:弓立社『心とは何か』(2001年)




精神医学についてはまったく門外漢です。
ただ素人というだけで済ましておられないのは、
ここ20年ぐらいのあいだ、
やはり「この人は少し違うんじゃないか」という人から
電話がかかってきたりということは
絶えず3人とか4人とかおられました──
電話を介したりして受けた印象を、
ひとつの言葉で要約してしまいますと、
どうしても「受け身」じゃないのかということでした。
「受け身」ということを、もう少しつけ加えると、
善意であり過ぎるとか、優し過ぎるとか、
度外れに依頼心が強いんじゃないかとか、いずれにせよ
「受け身」ということのなかに
さまざまな属性としてあるもののように思えました。
僕が20年ぐらいつきあってる人で、
攻撃的な人はひとりだけで、
「おまえぶっ殺すぞ」などと、
しょっちゅういう人がいるんですが、
そういっても本当はどうもそうじゃないんじゃないか、
やっぱり「受け身」なんじゃないか、
いい人過ぎるんじゃないかという感じを受けるのです。