小林秀雄を読む
──自意識の過剰

  • 時間

    101
  • 音質

    講演は連続シンポジウムの第一部
    「現代を読む──小林秀雄を語る」
    という原題のもと行なわれ、
    講演者は吉本隆明のほか
    秋山駿氏がいた。
    音質はあまりよくない。
    冒頭は録音者の手元ノイズのため
    聞き取りづらい。

  • 講演日時:1984年3月16日
    主催:寺小屋教室
    場所:新宿・紀伊國屋ホール
    収載書誌:思潮社『白熱化した言葉』(1986年)




小林秀雄はわが国の近代批評の祖のような批評家です。
小林秀雄が文学批評のなかに「自意識」という起源を
定めたとき、はじめて日本の近代批評が
はじまったといえます。
それ以前の批評では、
「他者を批評することは自分を批評することと同じだ」
という意味で成り立っている批評文は
存在しなかったといっていいくらいです。
この人を無視して日本の近代批評は語れないわけです。
僕らも繰り返しそこに立ち戻っていかなければ
いけませんし、みなさんも文学批評というものに
関心を持たれたなら、
この人のものを読めばあとは要らないというほど
重要だと思います。