戦後文学の発生

  • 時間

    141
  • 音質

    宮城学院女子大学の
    日本文学会の招きによって
    行われた講演。
    音源はたいへんクリア。
    一部音質が悪くなる個所がある。

  • 講演日時:1980年11月29日
    主催:宮城学院女子大学 日本文学会
    場所:宮城学院女子大学
    収載書誌:未発表




〈発生〉というのは非常に不安定な状態です。
いつ消えてしまうかもわからない不安定な状態ですが、
同時に何とでも結びつくことができる活性力を持っている。
何かと強力に結びついて持続するかもしれないけれども、
結びつくものがなければ
そのまま消えてしまうかもしれない。
不安定さと活性を持った〈発生〉の状態の戦後文学のなかに
何があったのか。
何かに結びついていまも持続している要素は何か。
もはや跡形もなく消えてしまった要素は何か。
敗戦を迎えた1945年の8月から、
ほんの数年のあいだに出てきた
日本文学の作品のさまざまな要素を
〈発生〉ということで取り上げれば、
大きく分けてふたつのことを
象徴させることができると思います。