シモーヌ・
ヴェイユの意味

  • 時間

    137

  • 音質

    山口県下関市の
    梅光女学院大学で行われた講演。
    録音者によるマイクノイズや
    周辺ノイズが入る。
    夏に行われた講演であるため
    外から蝉の声が聞こえる。

  • 講演日時:1979年7月14日
    主催:梅光女学院大学
    場所:梅光女学院大学
    収載書誌:春秋社『〈信〉の構造 PART2』
    (2004年)、中公文庫『語りの海3 新版・言葉という思想』
    (1995年)




シモーヌ・ヴェイユは、ヨーロッパの文化が、
世界の文化というのと同じだというほどの
勢いを持っていた時代の、
もっとも正統的な文化の、しかも、もっとも固い、
困難なところにみずからぶつかって、
粉々になって砕け散ったような思想家です。
僕たちが現在当面しているのは、
いわばカウンターカルチャーです。
ヴェイユのように正面きって
ヨーロッパが達成した根本的な問題に
ぶち当たるということは、すでに不可能であるし、
正面きった課題ではないかもしれません。
しかしこういう課題に正面からぶつかって
飛び散った文化と人間の思想の軌跡を認知することは、
決して悪いことではないと思います。
僕たちに何かをいわせて
やまないものがそこにあるからです。