戦後詩における
修辞論

  • 時間

    121
  • 音質

    場所は、京都精華短期大学大教室。
    一般の人にも開放され
    他大学の学生の聴衆も多かった。
    音源は主催者提供。
    冒頭欠けており、ノイズも入る。
    途中でテープが変わるため
    音質が変わる。

  • 講演日時:1977年10月20日
    主催:京都精華短期大学 学生部
    場所:京都精華短期大学
    収載書誌:京都精華短期大学「木野評論」第九号(1978年)




歌謡曲やフォークソングの詞と現代詩を比較する場合、
直喩と暗喩を取り出す場合にだけ、
同じものとして扱うことができます。
ところが戦後の詩が突っ込んでしまっている
迷路ともいうべきものは、
無定形な喩、つまり直喩でも暗喩でもない
喩の使い方にあります。
それは曲に乗せることもできなければ
歌うこともできないものです。
これを理解するすべを考えると、
言葉というものは、発音や記号ではなくて、
それが思想だという全体的な見方を
とっていく必要があります。
このことは現代詩の詩人だけでなく、
フォークソングの作詞者たちが落ち込んでいる問題を
理解する為にも必要だと思われます。
それをつかまえることで現代詩が
フォークの作詞と共通に落ち込んでいるところから
抜け出す道が開けていくんじゃないかと思います。