情況の根源から

  • 時間

    88
  • 音質

    三上治氏が主催した集会での講演。
    クリアに収録されているが
    テープ欠落のため途中まで収録。

  • 講演日時:1976年6月18日
    主催:三上治
    場所:品川公会堂
    収載書誌:三上治「乾坤」創刊号(1976年)




私たちが当面している情況を考えてみますと、
ひとりの人間としても、職場の組織のなかにおいても、
政治運動のなかにおいても、
当事者にとっては重要で切実な事柄が、
当事者以外の者にとっては切実でもないし
何でもないと思えるという分裂が
とても極端だということが、あげられると思います。
この問題は夫婦的な規模で申し上げることも、
国家的な規模で申しあげることもできます。
なぜこういう問題に当面しているのかというと、
古典的な政治・国家像、社会像が崩壊しつつあることが
考えられます。経済的・社会的権力が国家的に組織され、
政治的国家権力自体に対しても、大衆に対しても、
大きな力を及ぼすように変貌しつつあるということは
情況的でもあり、かつ本質的な問題ではないかと
僕には思われます。