親鸞について

  • 時間

    97
  • 音質

    冒頭部分が欠けており、
    前半はテープノイズがひどく、
    たいへん聞き取りづらい。
    質疑応答は、途中
    二度欠落している個所がある。

  • 講演日時:1973年11月12日
    主催:大谷大学 学園祭実行委員会
    場所:大谷大学
    収載書誌:春秋社『〈信〉の構造 PART1』(2004年)




親鸞は、「絶対他力」の思想を根底におく、
日本ではたいへん珍しいタイプの思想家だと思います。
僕は、家が浄土真宗だということを除いては、
宗教もイデオロギーも信じていないし、
「自立」ということばかりいうまことに不肖の者ですが、
若いときから親鸞は好きで、
まったく反対なことをいっているとは
ちっとも感じられないところがあります。
それはおそらく、親鸞の自己解体の過程が、
「絶対他力が同時に絶対自力というものを包括する」
というところを指し示しているからではないかと
考えられるんです。