思想としての身体

  • 時間

    51
  • 音質

    日本医科大学
    第12回千駄木祭での講演。
    周辺のノイズが入っているが
    比較的クリアに収録されている。

  • 講演日時:1969年10月29日
    主催:日本医科大学 第12回千駄木祭常任委員会
    場所:日本医科大学 4階大ホール
    収載書誌:弓立社『敗北の構造』(1972年)




〈わたしの身体〉というものは、皆さんの側から
客観的に見て観察することができます。
そして、自分が自分の身体を
どう思っているかという意味で、
内からも直接に見ることができます。
この種の特異性を持っている存在は
この世には〈人間の身体〉、いいかえれば
〈わたしの身体〉というもの以外にありません。
それ以外のものは客観的に観察することができるか、
あるいは主観的に検討することができるか、いずれかです。
自分自身として内側からこれを見ることもできるし、
外側からも客観的に見ることができるという
二重性を持っているのは、
〈人間の身体〉というものしか存在しません。
そのことが身体というものを
特異な存在にさせていると思います。