高村光太郎に
ついて
──鷗外をめぐる人々

  • 時間

    90
  • 音質

    森鷗外の旧居跡地にあった
    鷗外記念本郷図書館で行われた。
    音源は主催者提供。
    ステージ付近で録音されたため
    音声はクリアに聞くことができる。

  • 講演日:1968年3月7日
    主催:文京区立鷗外記念本郷図書館
    場所:文京区立鷗外記念本郷図書館
    収載書誌:弓立社『吉本隆明全講演ライブ集 第10巻』(2005年)




高村光太郎という詩人は、複雑な思想を、
複雑に表現するというようなことはしていません。
しかし、本来的にはたいへん
気味の悪い芸術家だと思います。
気味の悪いといっていいのか、
得体が知れないといっていいのかわかりませんけれども、
とにかくそうとうなしろものだと思います。
そうとうな人だということを、
『道程』とか『智恵子抄』のような作品の背後に、
つかんでいかないと、
高村光太郎という人の総体的な人間像は、
うまくつかまえてこれないんじゃないかと思います。