ナショナリズム
──国家論

  • 時間

    98
  • 音質

    第22回独立講座に招かれて
    行われた講演。
    客席から録音されているため
    周辺のノイズが入っており、
    音質はあまりよくない。

  • 講演日時:1967年10月21日
    場所:新宿・観音寺
    収載書誌:未発表




ボクシングでいいますと、やっぱり
世界タイトルというのは思想的に
奪取しなきゃいけないんです。
たとえばサルトルという人が、
日本という国家的土壌にいたとすれば、
大した人じゃないと思うんです。
しかし、ヨーロッパの土壌にのっかっている人ですから、
いい加減なやつだなぁと思うけれど、
みっちりやったら日本人である僕が
必ず負けるということはやはりわかるんです。
しかし、「それでもやる、必ず勝つ」という問題は、
どうしても持たざるをえないことがあるんです。
本当の意味の世界普遍性というものを
獲得していくためには、非常に困難な道を
歩まなければならない。
一民族、一種族、一部族の共同性というものに
固執するわけでもなんでもないけど、
それが制約している問題と、
経済的範疇としての世界性の矛盾というのは
どこにあろうと絶えず持たざるをえないということは
必ずあると思っています。