芸術と疎外

  • 時間

    96
  • 音質

    第10回ICU祭にて、
    特別講演として行なわれた講演。
    年代は古いが
    クリアに収録されている。

  • 講演日時:1964年1月18日
    主催:国際基督教大学ICU祭実行委員会
    場所:国際基督教大学 DMH講堂
    収載書誌:未発表




芸術をつくる者と、創造された芸術のあいだには、
眼に見えない〈橋〉があります。
それを僕の言葉では〈自己表出〉といいます。
〈自己表出〉の構造は、眼に見えるものではありません。
その眼に見えない構造が、芸術が現在の社会に対して
何を与えるか、何を与えないかという問題の
非常に重要な契機になっていきます。
「現実に対して自己が自己たりえない」という
自己疎外の問題に対して、芸術が何を果たしうるかは、
そういう問題点をつかまえていかないと
はっきり出てこないのです。