本読む馬鹿が、私は好きよ。
その12:高村薫を読む人

現実がよくわからなくなるかも??

ほぼにちわっ!
高村薫、よんでますか?
ワタクシは、現在、
『黄金を抱いて翔べ』を読んでおります。
近所の本屋さんにあって、上下巻にわかれてなかったから、
そして、文庫だったから、という、浅はかな理由から
チョイスしてみました。
いま、アパートの一室が吹っ飛んだところです。
電車のなかで読みながら出勤するので、
目つき悪く、魚籃坂の明るいビルに出勤です。

なんだか、まるでヤクザ映画を見た後などに
肩で風をきったりしてしまうように、
闇に沈んだ目なんかを、演出してしまいます。
おそろしいです。
(あかるく「おはよう」といってくれるスタッフを、
 意味もなく睨んだりして、スマン。)

さて、今日は、『李歐』をオススメ?
とおもっていましたが、
『レディ・ジョーカー』へのオススメが
ざぶざぶと到着しておりますので、
そちらから、まず。



レディ・ジョーカー
〈上〉
高村 薫 (著)
価格: ¥1,700
単行本 - 426 p 上 巻 (1997/12/01)
毎日新聞社 ; ISBN: 4620105791 ; サイズ(cm): 18 x 13

レディ・ジョーカー〈下〉
高村 薫 (著)
価格: ¥1,700
単行本 - 443 p 下 巻 (1997/12/01)
毎日新聞社 ; ISBN: 4620105805 ; サイズ(cm): 18 x 13





『レディ・ジョーカー』を読む前に
一橋文哉さんの
『闇に消えた怪人〜グリコ・森永事件の真相』を
読んでみて下さい。
読書のための予習というか、
ちょっとだけでも
「かい人21面相」の事件を知っておくと
より深く楽しめますよ。
読んだ当時は
「もしかしたら、
 これが事件の真相
 だったんじゃないか!?」
な〜んて思ったものです。
それから、レギュラーの登場人物「合田刑事」と、
義理のおにいさんの予想外の急展開もあります。
とにかくおもしろいので、ぜひ読んでみてください。
(カオル)

この小説にはマスコミが決して
あからさまには報じない現代社会のタブーが
総登場します。
「同和問題」「暴力団」「身体障害者」
そして「大企業と政治のダークサイド」。。。
「グリコ森永事件」をモチーフに、
様々な裏社会の破片がモザイクのように
散りばめられています。
それらが終盤に向けて
怒涛のように
一人歩きし始める
ところがズバリこの物語の白眉。
回り始めた歯車は、
犯人にすらコントロールできないのです。
まさにゾクゾクするような迫力!
日本を平和ボケだと思っている人にこそ読んで欲しい。
圧倒的な筆力と、
日本が抱える闇の深さに打ちのめされること必至です。
(Miura)

「そういけば、昔こんな事件あったよなあ」
という不気味さ。
何か巨大な力の前にその存在さえ消されてしまう
個人の無力感。
全体を覆っているのは重苦しい雰囲気です。
目覚めた瞬間から既にどこか疲れている
ような日常の繰り返しを送り、
重い十字架を登場人物のそれぞれが抱えています。
合田雄一郎もその一人として登場しています。
そして自分たちを取り巻く環境に復讐を始める人々。
でも、「犯人」という表現がしっくりしない人々。
事を成し遂げた彼らが最終的に幸せなのかはわかりません。
最後に出てくる「怒り」 の
表情が指し示しているものは何か。
精神的に余裕のあるときに読むことをお勧めします。
生活に行き詰まっているときに
読んではいけません(笑)。
(K52)

上下巻の超大作です。
上巻頭のくだりの部分で、
実はめげそうになったのですが、それを乗り越えると、
とたんにページをめくる手が止められなくなりました。
ここでも、犯人たち(誘拐犯なんですがね)の
緻密かつ綿密、そして厚い人間性のなかに、
何故犯罪に荷担していのか。
その背景が、自分にも存在し得る物だと思えたりして、
気がつくとその世界に完全に
のめり込んでました

そして、合田刑事。
刑事としての何かが崩れるような、
そんな危うい中での強硬なまでの捜査。
そのなかで、犯罪者と同じ思いも
自分に存在するのだという事、
それを捕まえる者とする自分の狭間でゆれる合田刑事の、
切迫した部分が何とも言えません。
義理の加納検事も捨てがたいですけどね。
(まきそ)

こちら(サンノゼ)に来て、
図書館の数少ない日本の書籍の中から、
「レディージョーカー」「照柿」を
借りて一気読みしました。
登場人物が全部いい!
みんなに感情移入してしまいました。
新聞で、時々高村さんのコメントや、
エッセイを読んでいて、
「背筋のまっすぐな人だな」といつも思
っていたのですが、本当に素敵な作家だと思います。
(公子)



ああ、早く文庫になってくれるといいのに。
まきそさんもおっしゃるように、
かなり、最初は、ページがなかなか進まないんですが、
途中から、もうとまらなくなる、というのは、
2冊読んだところの、いままでのワタクシの
パターンでもあります。
決して読むとハッピーになる話たちではありませんが、
続きがよみたくて、たまらん、という本にであうのは、
いや、いいですなあ。

さて、高村さんの著作ですが。

・晴子情歌
・照柿
・地を這う虫
・神の火
・リヴィエラを撃て

等がございます。
オススメありましたら、
是非、ワタクシたちに
おしえてくださいませ!!

そのほか、「次の作家はこの人!」という
リクエストありましたら、是非!!

2002-07-24-WED

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