本読む馬鹿が、私は好きよ。
その6:スティーブン・キングを読む人

darling推薦・「タリスマン」

ほぼにちわ。もぎ・カエルであります。
現在は、次回の「夏目漱石」のために、
『夢十夜』を読み返したり、
漱石の日記を買ってきたり。


さて、本日は、darlingからやってきたメールで、
タリスマンをオススメされてみましょ〜。


タリスマン〈上〉
新潮文庫
スティーヴン キング (著)
価格: ¥857

文庫 - 578 p 上 巻 (1987/07/01)
新潮社 ; ISBN: 4102193081 ; サイズ(cm): 15 x 11

タリスマン〈下〉
新潮文庫
スティーヴン キング (著)

価格: ¥743
文庫 - 566 p 下 巻 (1987/07/01)
新潮社 ; ISBN: 410219309X ; サイズ(cm): 15 x 11

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『タリスマン』を読んでくれ〜。

darlingdarlingですけんのう。
この本が知らされないままにスティーブン・キングの
特集が終わってしまうのは、あまりにも残念だと思い、
ぼくも参加させていただきます。
なんつったって、ぼくはこの新潮文庫に、
帯文を寄せたくらいこの本が好きなんすから。

しかし、どうも、忘れられているみたいだなぁ。
これが、キングの著書としては、
ちょっと変った作られ方をしているからかもしれません。

キングは、ソフトの制作について、
いろんな実験をする人でありまして。
ネットで小説を発表して、
その有料(優良ともいえるか)購読者が何%以下だったら
連載をやめるよ、とか、
長編小説を、短く切り分けて6分冊にして
順次発行していったり、
けっこう冒険的な作家なのであります。

この『タリスマン』は、イギリスに住むもうひとりの作家
ピーター・ストラウブと、
かわりばんこに執筆して完成させたものなのです。
途中まで書いては、相手に渡す。
渡された相手は、もうひとりの張った伏線を
自分なりに想像しながら続きを書き、
また謎を足しては、相手に渡す。
こうやって書かれたものです。

「自分で解決しなくてもいい伏線」を張れることで、
イメージの飛躍がやりやすくなる。
「相手への礼儀として、相手の特長を
 いかせるような展開にしようと思いやる」
・・・プロレスのような作り方ですよねぇ。

ストーリーの紹介は省略しますが、
このわくわくわくわくわく感は、
とにかくたまらんものでありましたよ。
とっくにご承知の方々もおいでかとも思いますが、
この小説がなかったら、ぼくのつくったゲーム、
『M●THER2』は、なかったというくらいのものです。
特に「こども悪役」ポーキーの性格設定なんかについては、
この小説と、映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』に
よってずいぶん助けられました。
影の描き方の濃さが、少年物の甘さをなくしてくれてます。

上下巻で、ちょっと長いと思われるかもしれませんが、
ほんとうに一気に読み通せますし、とにかく飽きない!
ただ、ねー、品薄みたいなんだよねー、この本。
(ちなみに、amazonで検索したら、
 上巻は在庫切れだった。
 下巻は24時間以内に発送って記されていたわ??)

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さて、本日にて、
スティーブン・キングは終了であります。

2002-04-10-WED

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