2007年04
バジルを鉢植えで育てたのですが
プランターと素焼きの鉢では
成長が著しく違いました。
プランターで育てたものは
夏になっても本葉が数枚でた段階で
成長が止まってしまい
それ以上は大きくなりませんでした。
素焼きの鉢で育てた方が
収穫量が多かったようです。
プランターと素焼きの鉢では
育ち方に違いがでるものなのでしょうか?
category:


諏訪さん どちらが良いかを比べるとしたら
素焼きの鉢の方がいいですね。
なぜならプランターは プラスチックなので
水をはじき、 外の空気も遮断します。
夏になると日光による
熱の伝導率も高くなります。

植物の根は成長すると
広がってプランターの壁沿いに
根が張るようになりますが
炎天下にプランターを
ベランダなどに置きっぱなしにしておくと
プラスチックの熱が根に伝わり
根が弱ったり傷んだりすることがあります。

水を与えた時も
土にはしみこみますが
当然、プランターの材質そのものには
しみこみません。
一方、素焼きの鉢は
素焼きの中にも水がしみこみます。
そのことによって乾燥状態が続いても
素焼きの中で湿度が保たれるので
湿度がじわじわと土に入っていき
植物に水分を供給する役目も果たしています。

素焼きの鉢の一番いいところは
素焼き自身が湿っているので
太陽の光があたった時に
じわじわと蒸発していくんです。
これが気化熱の効果をもたらし
冷えていくわけです。
ぼくらも団扇や扇風機で風にあたると
涼しく感じるのは
クーラーは気温そのものを下げます。
一方で団扇や扇風機は暖かい空気を
送っているにもかかわらず
涼しく感じます。
それは気温が下がっているわけではなくて
汗が蒸発する気化熱を利用しているわけです。
同じことが素焼きの鉢でもおこるわけです。
夏の高温状態を緩和してくれる利点があるんですね。

それが素焼きの鉢の方が
成績が良かった理由だと思います。

プランターの利点は軽いということ。
日当たりの良い場所に
移動するのに便利です。
ベランダでの栽培には
日当たりは欠かせないので
育てる環境によって素焼きとプランターを
使い分けてください。

 
© HOBONIKKAN ITOI SHINBUN