2006年07
ナスを赤玉土に植えたところ、
アブラムシが発生したので、
牛乳と木酢酢の液で消毒したのですが、
よかったでしょうか。
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諏訪さん 実際に
牛乳や木酢液で
害虫駆除を行った場合、
量によって効果が薄い
という例も過去にあるので、
基本的に、
虫が発生して
それが抑えられなかった場合は、
やっぱり
市販の農薬を使うのが一番いい
と思います。
市販の農薬であっても、
どうしても化学農薬が心配で嫌なら、
例えば
「粘着くん」とかいう商品名で、
デンプンを、
アブラムシに吹き付けて
べたべたにして、
呼吸困難で死なせちゃう、
という液体があります。
デンプンでできているので、
体に入っても大丈夫なものです。
あとは、
天然成分の除虫菊から作った
「ハイベニカ」などの薬品
を使うという方法もあります。
ただ、
「粘着くん」とか「ハイベニカ」
というのは、
今、ついているアブラムシを
殺すことはできるんだけど、
すぐに分解してしまうし、
持続性がないので、
4日後、1週間後にまた、
虫がついてしまうことがあります。

アブラムシの被害が非常に多い
場所・地域・時間の場合は、
例えば
「オルトラン」
のような
化学合成の農薬を
使ってみてはいかがでしょうか。
1回散布すると、
それが野菜の中に染み込みますので、
2週間、長ければ3週間ほどの
持続性があって、予防もできます。

もしもあまりに
頻繁に出るようだったら、
そのような化学合成の農薬
を使うのもお奨めです。

農薬の話のついでに言うと、
「農薬はイコール毒だ」
というイメージが
あるんですけど、
決してそうではなくて、
言い方を変えると、
「人間のための薬は医薬品」
と言われてますが、
農薬というのは
「農業のための医薬品」
なんですよね。
だから、
僕らが病気になって抗生物質をもらったり、
消毒液をつけたり。
わかりやすく言えば、
例えば、
お腹の中に寄生虫ができたときに、
その寄生虫を殺す薬を飲むのと
同じように、
農薬というのは、
基本的に農業用の医薬品なんです。

今は検査基準が非常に厳しくて、
当然、
直接飲んだらどうなるのかとか、
規定量を守らなければどうなるのか、
ということは、
動物実験も含めてあらゆる実験をして、
その基準に受かったものだけが、
農薬として認められています。
きちんと表示された
使用回数に従って使用した場合には、
基本的には安全だと考えていいので、
過剰なまでに
農薬をイコール悪であり、
イコール毒であると恐れる必要は
今はまったくないです。

植物の体に付いている菌を殺すのは、
人間の体の中にいる菌や虫を殺すのと
同じことなんです。
僕らが薬局に行って、
「薬に触るのも嫌だ」とか
「薬なんか嫌だ」というほど
過剰な反応はしないわけだから、
それと同じように考えればいいのです。
もし、牛乳や木酢液が
効果がないということであれば、
市販の農薬を使ったほうがいいと思います。

 
© HOBONIKKAN ITOI SHINBUN