個人的なユニクロ主義。
柳井社長に至近距離でインタビュー。

第10回 超合理主義で傲慢なだけではない。


糸井 超合理主義で傲慢な経営者・・・。
そういうイメージで、一般から
とらえられていることに関しては、
もう、あきらめているんですか?
柳井 マスコミの書いたものを観ると、
最初から結論は決まっているんですよ。
結論が決まっていて、その結論に合う要素を
ぼくの発言から取り上げるという。
テレビの編集みたいなものですよね。

だから、またはじまったかな、という
そういう感じでとらえていますけれども。
糸井 そのストレスは、もう感じなくなりましたか。
柳井 いや、マスコミというのは、だいたい
そういうものだと思っているので。
糸井 まあ、事実、そうですけどね。
柳井 だからそこらへんはマスコミの特徴で、
マスコミの分類では、わたしは先に言ったような
人間に入るのかなあ、とは思っていますけど。
糸井 落ち着いてますね。
腹が立ったりはしないんですか。
柳井 腹が立つというよりは、まあ、ぼく自身にも
確かにマスコミに言われているような面があって。
でも、やはり、一面的すぎますよね?
ぜんぶで十面あったとしたら、
そのひとつの面に過ぎないわけだから、
「そういうところだけじゃないんですよ」
とは、自分でも思いながら読みますけれども、
糸井 柳井さんが傲慢なだけで
やってこられるはずがないので、
それでこういう会社をやっていけるとしたら、
見せて欲しいとぼくなんかは言いたくなりますけど。
柳井 そういう人間だったら
企業の経営もできないでしょうし。
人のことを考えないような人間が
人の上に立ったら、
会社はボロボロになりますよね。
だから傲慢なだけという評価は、
ちょっとおかしいんじゃないかと思いますけれど。
糸井 もともと、いまみたいに思われる立場に
なってしまうことについては、
いつごろから意識なさったんですか。
柳井 この一年なんじゃないですか。
急速にユニクロがブームになるにつれて
わたし自身もそうだという
虚像みたいなものが作りあげられているという
感じですよね。だからこの1年かなあ。
原宿店のオープンくらいからですよね。
(つづきます)

2001-10-30-TUE

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