バブー&とのまりこの パリこれ! 住んでみてわかった、パリのあれこれ。


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「日本の学校では
 普通にある
 お掃除当番が、ない?!」

 
     
バブー&とのまりこの パリこれ! 住んでみてわかった、パリのあれこれ。
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「日本の学校では
 普通にある
 お掃除当番が、ない?!」

バブー

パリの友人たちからのメールを見ると、
フランスはもうずいぶん「クリスマス色」が
強くなってきたみたいだよ!

わりと控えめな『ハロウィン』が終わると、
フランスでの次なるイベントは
『クリスマス』だからね!

日本のお正月と等しい、1年で最も大切な日。
パリは今の時期から年明けまで
ぐんぐん『クリスマス』一色になるよ!

とのまりこ

さて、先日日本で久しぶりに会った、懐かしい旧友。
学校の先生をしている彼女と
フランスと日本の学校教育の違いの話になりました。

その中で特に盛り上がったのがお掃除の話。
日本の学校の『お掃除当番』。
すごく懐かしくないですか?!

自分たちの教室を基本として。
学年によって理科室、音楽室、家庭科室。
トイレに廊下と担当する場所が増えたり。

保健委員による班ごとの分担決め。
1学期中の週数によって
1回でもまわってくる回数が少ないことを喜んだり。
祝日や学校行事が入って日数が減ることに
一喜一憂したりしたことを思い出します。

私が通っていた女子校では
特にこの掃除に力を入れていて、
小学校の時からトイレ掃除では
手に雑巾を持って床にはいつくばって
ピカピカに磨き上げていたのを今でも忘れません。

当時は素手でトイレを磨きあげることが
本当にイヤでイヤでしょうがなかったけれど‥‥。
小中高と、トイレ掃除から
扱いが難しい電気ワックスブラシ磨きまで
厳しく教育を受けてきたことは
素晴らしいことだったなあ‥‥なんて
大人になった今は思えるのです。

バブー
さてさて、そんな
「お勉強も大事だけれど、
 掃除や集団生活も大事」
な日本の学校から、フランスの学校へ。

こちら、フランスの学校では
生徒のお掃除当番なんてないんだって。

掃除は「掃除の仕事」をする人がするもの。
生徒がするものでも先生がするものでもない。
専門の人の仕事です。

だからフランス人に
日本の学校教育の「掃除当番」の話をすると
けっこうびっくりされるんだよね。

とのまりこ
学校はあくまでも教育を目的としたところ。
生きていく上での常識や、
集団生活についてを学ぶところではないという
考え方なのかなあ‥‥なんて
ちょっと極端ですが感じます。

「それは私の仕事じゃないから関係ない。」
「私はその担当じゃないから知らない。」
的な発言に日常あらゆるところで遭遇するおフランス。

この学校の「お掃除当番」も
きっと同じ考え方なのですね。

「生徒はお勉強をするところ」
「先生はお勉強を教えるところ」
「お掃除は掃除の人がするもの」

世界各国はどうなんだろうと調べてみると、
案外「お掃除当番」なんてのがある国の方が
少なそうだったり。
(仏教系のアジア方面の国に多いみたい)

スタンダードだと思っていた学校生活の一場面は
世界では当たり前ではないんだなあ‥‥。
雑巾を縫うとか、
三角巾を縫うとか家庭科でやったことも、
お掃除当番がある国だからのことだったのか!

バブー
文化や風習が違う世界の国。
お掃除に対する考え方も両極端だけど。
ボクは日本の学校で生徒たちが
自分たちの教室を掃除したりっていうの
とても素敵な教育だと思うなあ。

その気持ちや大変さがわかるからこそ、
綺麗に使おうとか汚れたら拭こうとか
ゴミを落としたら拾おうとか
少なからず思うようになるものね!

さて、今週からちょっとの間ボクは東京。
西荻窪の「ぼわっと」にも
できる限り出勤するよ!
ボクの出勤予定は
「ぼわっと」のツイッターなどで
チェックしてね!


※この連載を再編集し、
 書き下ろしも入れて新潮文庫になりました。
 こちらをぜひご覧ください!

 

フランス雑貨のお店オープンしました。
バブーくんは日本滞在時に、お店にいます。

「Boîte」(ぼわっと)
東京都杉並区西荻北4丁目5−24
【地図】 【駅からの道順はこちら】

 

2016-11-08-TUE


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illustration:Jérôme Cointre