バブー&とのまりこの パリこれ! 住んでみてわかった、パリのあれこれ。


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「日本の老舗の百貨店で
 フランスとの違いに
 また驚愕!」

 
     
バブー&とのまりこの パリこれ! 住んでみてわかった、パリのあれこれ。
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「日本の老舗の百貨店で
 フランスとの違いに
 また驚愕!」

バブー

秋の京都から「ボンジュ〜ル」♪
ちょうど1週間前に日本に到着して、
すぐに京都へ移動して。

京都タカシマヤでのイベント。
フランス雑貨「ぼわっと」期間限定ショップ
今日1日(火)が最終日。
ほぼ日読者の方もた〜くさん、
お店に立っているまりこちゃんに
会いにきてくれているそうで、
みなさん「メルシー」♪

日本の百貨店では残念ながら
ボクがお店番でいることができないからね‥‥。
お宿でお留守番なんだけど、
毎日お宿のご主人が面倒をみてくれて、
御所の方にお散歩に行ったり、
鴨川をお散歩したり、めいっぱい
京都を満喫しちゃってるボクなのです。

とのまりこ

約1週間お世話になった日本の老舗百貨店。
百貨店でのイベントのたびに
フランスとの違いに
驚愕することだらけなのですが、
今回も毎日、日本の老舗百貨店の格を守るための
お客様への徹底したサービスや対応に驚き。
おフランスの百貨店で働く店員さん連れてきたら
1日で、いや半日で脱落するだろうな〜
なんて妄想しています。

日本の百貨店といえば、開店と同時に
従業員がずらりと並び、
「おはようございます。いらっしゃいませ。」と
深々とお辞儀をしながらお客様をお出迎え。

ちょっとこっぱずかしくなるくらい
きっちりしていますが、
フランスの百貨店で開店のご挨拶で
「ボンジュール・マダム。ビアンブニュ。」
なんて頭をさげる姿なんて想像もできない。

逆にこの丁寧なご挨拶に対して、
お客様が「おはよう。」なんて返してくることも
日本ではほとんどないのが当たり前ですが、
こんなことされた日にゃ〜、
「チッ」と舌打ちして怒っちゃいそう。
そしてその後は接客もせずに
無視しちゃいそうです。
おフランス。

お客様は神様じゃないもの。
どっちかといえばお客さんの方が
「ボンジュール」と先に言ったりするのが
フランスルールなので、
ご挨拶にお返事を返さないなんて
とっても失礼なことだと思われてしまうのです。

と、朝一番から毎日色々な想像をしながら、
私も丁寧に頭をさげて
お客様をお出迎えしていますよ♪

バブー
日本って、デパートの入り口に
必ず総合案内があって、
きれいなお姉さんが座っていて、
何を聞いても丁寧に答えてくれるじゃない?

フランスって、
「う〜ん。
 お姉さんが座ってる総合案内
 あったかなあ???
 あ、あのデパートの入り口にはひとつあるけど、
 あっちのデパートでは見たことないかもなあ‥‥。
 どこにあるんだろう?
 ま、あったとしても、
 人がいなかったりすること多いし、
 聞いても『そんなのわからないわ。』とか
 適当な返事が返ってくること多いからなあ‥‥。」
って感じなんだよね。

お人形さんのようにかわいい美しい
おしとやかな感じの、厳しい教育を受けた
日本のデパートガールが聞いたら
きっとびっくりするね!

とのまりこ
総合案内だけにとどまらず、
日本では他の売り場のこと、
他の売り場の商品のこと、
トイレのことなどなど、
ありとあらゆる質問に
自分のお店を投げ出して対応するのが
当たり前ですが、おフランスじゃ
「(あたしの担当・仕事じゃないから)
 そんなの知らないわ。
 あっちで聞いて。」
的に返されるのが普通です。

休憩時間になれば、タバコを吸うチームは
裏の喫煙コーナーで一服し。
ただしタバコの匂いがしたりは絶対にNG。
だからみんな必死で髪の毛にも洋服にも、
消臭スプレーを使ったり
コロンを使ったりと様々な工をし、
万が一匂いが残っていた場合には
売り場にはもう立てないそうなのです。

一方おフランス。
デパートの玄関横の段差など、
座れるところに座ってお客様が出入りし、
普通に人が行き交う路上で
従業員たちタバコ休憩。

もちろん、タバココーナーではないので
普通にポイ捨てですしね。
これ、百貨店やブティックなどにとどまらず、
スーパーの店員、レストランの従業員、
高級ホテルの従業員などなども全く同じく。

そんな姿をとがめる人はおらず。
どちらかといえば、通行人として
前を通るときに、彼らが「ポイッ」っと
車道の方に捨てる投げタバコに
当たらないように
注意して歩かなくてはいけないし。

日本の店の厳しいルールのもと
働く人たちが見たら卒倒してしまうかも?!

バブー
日本では、とにかく百貨店全体として、
その老舗のブランドイメージを大切にして
きちんと管理されている感じだよね。

営業中も教育係りが密かに見回り、
お客様への対応のルールや販売のルール、
服装や立ち姿のことなどチェックして
すぐに注意が入るしね。

そんなことはフランスじゃありえない。
いや、ボクたち実際にフランスの百貨店で
働いていないから、
本当のルールはわからないけど、
ないに違いない。
あったとしても機能してない。
「百貨店」という建物に、
勝手気ままな対応のショップが色々
たまたま同じ建物に入っているという感じだよね。

まさに「天と地」ほど違うルールと印象。
日本の厳しい百貨店。
NGだらけで働くまりこちゃんも
「ひょえ〜。」と思うことも多いみたいだけど、
でもだからこそお客様との強いつながりや、
『贈答品を買うならどこどこの包装紙』
的な考え方が根付く、
日本独特の老舗百貨店のブランドイメージが
保たれているんだろうね!

 

 


※この連載を再編集し、
 書き下ろしも入れて新潮文庫になりました。
 こちらをぜひご覧ください!

 

フランス雑貨のお店オープンしました。
バブーくんは日本滞在時に、お店にいます。

「Boîte」(ぼわっと)
東京都杉並区西荻北4丁目5−24
【地図】 【駅からの道順はこちら】

 

2016-11-01-TUE


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illustration:Jérôme Cointre