バブー&とのまりこの パリこれ! 住んでみてわかった、パリのあれこれ。
2003年、フランスに単身で渡り、 現在はパリを拠点にヘアメイク&フォトエッセイストとして 活躍しているとのまりこさんが、 愛犬のバブーくん(アイルランド出身)を相棒に、 パリ暮らしのちょっとびっくりな出来事や、 へぇ〜っと感心する習慣などなど(*)をお届けします。 *もちろんすべてのフランス人やフランス全土に共通しないこともあります。 週に1回、でも気まぐれにもっと更新するかも? すてきな写真とともに、おたのしみください。 Amusez-vous bien!

 
とのまりこさんと バブーくんのプロフィール
 




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「フランスでは、
虫たちは『歌う』?!」

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「フランスでは、虫たちは『歌う』?!」

バブー

突然ですが、
フランスの虫たちは「歌います」。
そんなことで盛り上がった
先日のとある出来事を紹介するね。


▲フランス語も日本語も学ぶ子どもたち。
複数の言語を同時に学んでいると、色々な「言いまつがい」が出てきたりしておもしろい。


▲フランスは、イースターのバカンス(2週間)が終わったばかりですが、祝日も多い5月。
今週は水曜日から5連休となり再びミニバカンスが挟まり、子どもたちはウキウキしてます。

とのまりこ
友人宅での夜ごはんパーティー。
パーティーが始まる前に、
子どもたちに勉強をさせていた時の会話。

以下は、文章題の問題を解いていた息子が
文章を朗読している横で、
11歳の日仏ハーフの友人の娘ちゃんが
感想をもらしている時のやりとりです。

息子:
『あきになると、虫たちが
きれいなこえでなきはじめます。
(‥‥文章が続く)
では、どうやってないているのでしょうか。
虫たちは、二まいのはねをこすりあわせることで
音を出しているのです。』

娘ちゃん:
「へ〜。」

息子:
『なくのはおすだけで、』

娘ちゃん:
「えっまじ? よわっ。」

息子:
『めすをよびよせたり、ほかのおすと
 けんかをしたりするときになきます。』

娘ちゃん:
「情けなっ‥‥。」

バブー
友だちの娘ちゃん、面白い反応をするな。
って思って聞いていたのだけど、
最後の反応を聞いてふと気づいた。

もしかして、『鳴く』を『泣く』
だと勘違いしているんじゃないかと‥‥。

オスだけ泣くなんて弱いじゃないか。
他のオスとけんかをして泣くなんて
情けないじゃないか‥‥と。

とのまりこ
そこで、本人に聞いてみたら、その通り。
まさに『鳴く』と『泣く』の
思い違いだったのですが、
これが冒頭の話に繋がります。

フランスでは、
『虫が鳴く』ではなくて
『虫が歌う』という動詞を使うため、
日仏ハーフの娘ちゃんの頭の中には
『虫がなく』と言われたら
「え〜んえ〜ん」の方の『虫が泣く』しか
思い浮かばなかったというわけです。


▲ちなみに、フランスでは「セミ」の声が聞けるのは南仏の方だけ。
パリではセミは見かけません。

バブー
『虫が歌う』。
詩的な言葉の表現がステキだよね。
そしてイメージ的には
とってもわかりやすい言葉の使い方だよね♪

「え〜んえ〜ん」泣いている
弱い情けない虫を想像して、
みんなで大笑いした
楽しい夜ごはんパーティーだったよ。
それではみなさん今週もステキな1週間を!

 

 

 

 

 

 

 

 

*とのまりこさんの新刊が出版されました*


「シンプルシックで心地よい暮らし
パリの小さなアパルトマンで楽しむおうち時間」
出版社 : 世界文化社
発売日 : 2021/5/29

 

 

※この連載を再編集し、
 書き下ろしも入れて新潮文庫になりました。
 こちらをぜひご覧ください!(2015年8月出版)

フランス雑貨のお店オープンしました。
バブーくんは日本滞在時に、お店にいます。

「Boîte」(ぼわっと)
東京都杉並区西荻北4丁目5−24
【地図】 【駅からの道順はこちら】

2024-05-07-TUE

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