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| 徳光 |
糸井さんさ、
結構いい年でしょう？
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| 糸井 |
はい、62。
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| 徳光 |
だけど、
楽（らく）しようと思わないね。
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| 糸井 |
いや、いつも思ってます。
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| 徳光 |
そんなことないでしょうが（笑顔）。
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| 糸井 |
いや、人から見ると、
徳光さんのことも
楽（らく）してないように
見えちゃうと思いますよ。
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| 徳光 |
そうですかねぇ？
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| 糸井 |
「もう寝ててもいい」
みたいな気もするのに、
楽（らく）してない。
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| 徳光 |
この顔見て
そう言わないでくださいよ、
まさにそうなんですから。
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| 一同 |
（笑）
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| 糸井 |
ははははは。
だけど、徳光さんは
多くの番組を、
ずっと長くおやりになってて。
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| 徳光 |
はい。
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| 糸井 |
それにおそらく、
ぼくなんかの知らないお仕事を、
きっとたくさんなさってますよね。
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| 徳光 |
それはまったく、
こちらが糸井さんに言いたいことです。
糸井さんこそ、我々が知らない仕事を
ずいぶんなさってるでしょう。
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| 糸井 |
たぶんそうだと思います。
みなさんの知らないところ仕事のほうが
９割９分。
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| 徳光 |
でしょうね、きっとね。
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| 糸井 |
それでもなお、ぼくは
人が思うほど
働き者ではないですよ。
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| 徳光 |
そうでしょうか？
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| 糸井 |
うん。
サボりたくて働いてる、
というところがありますから。
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| 徳光 |
糸井さんがそう言うとね、
うんと気障に聞こえるんだ（笑）。
だけど、本当にそうなんだろうな。
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| 糸井 |
そうです。
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| 徳光 |
まぁ、そうだろうとは思うんですけど、
ぼくらから見ていると、
糸井さんの頭の中では、
時計のような細かい大小の歯車が
休むことなく回っている、
という感じがします。
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| 糸井 |
年中考えてるのは、本当です。
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| 徳光 |
ですよね？
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| 糸井 |
ただ、それは、
徳光さんが競馬の予想を
考えてるときと同じです。
つまり、向いてる方向が‥‥
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| 徳光 |
違うだけで？
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| 糸井 |
そう。ぼくは、モノポリーやってたときも
あの遊びを真剣にやって、
毎日徹夜してました。
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| 徳光 |
そうなんですか。
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| 糸井 |
たまたまぼくは、
「ほぼ日」という場所を持つことになったので
徳光さんとお会いしたいな、
それを人が読んでくれるかもしれないな、
と思いついたら、
その機会を作れるようになりました。
だから、それを仕事にできます。
こうやって、遊んでいるときとおなじように
しゃべってるそのままを
読んでもらえるものにできますから。
テレビではよくあるんですが、
打ち合わせ済みのインタビューって、
あんまり好きじゃないんですよ。
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| 徳光 |
そうですねぇ（笑）、いやですね。
打ち合わせ済みのインタビューって、
見ていてすぐにわかります。
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| 糸井 |
知ってることをなぞるように
本番でやってるわけですもんね。
どこに行くかわからない旅を
誰かとやってる、というようなことが
実はおもしろいんだと思います。
昔、徳光さんが高田純次さんと
一緒に旅するような番組、ありましたね。
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| 徳光 |
ええ、ありました、ありました。
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| 糸井 |
あれなんかはもう、
本当にそのとおりだと思います。
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| 徳光 |
そうでしたねぇ（笑顔）。
予定調和なしで、想定問答もなしでした。
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| 糸井 |
あれはやっぱりメンバーがよかったから
できたんでしょうか。
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| 徳光 |
うん、おもしろかったですね。
特に、高田純次さんは天才です、
あの行き当たりばったり人生は。
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| 糸井 |
天才ですね、本当にそう思います。
いま、時代があの人のよさを
わかってくれるようになったので。
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| 徳光 |
はい。それはあるな、たしかに。
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| 糸井 |
（観客に向かって）
あのときには、
「高田純次、セーフ！」
みたいなノリだったんですから。
だけどいまは、高田さんは
内野安打を完全に狙ってます。
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| 一同 |
（笑）
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| 徳光 |
ええ、ほとんどイチロー状態ですよ。
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| 糸井 |
そうですね。
内野ゴロ転がせば、
足が早いから、セーフです。
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| 徳光 |
うん。
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| 糸井 |
それをみんなが知っている、
という時代が来たんです。
ですからいまも、たとえば、
徳光さんに
「人生とは何ですか？」
という話を聞かなくてもいい。
虚しいことをしゃべってるだけでも、
人はそこに
おもしろみを探すことができる、
そんな時代です。
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| 徳光 |
そうだね。
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| 糸井 |
だけど、そのおかげで、
遊んでる時間が全部
遊びじゃなくなっちゃって。 |
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（つづきます） |
