黄昏 た そ が れ  日光・東北編       南伸坊さんと、糸井重里。昔なじみのふたりが、始終しゃべりながら小旅行。前回は鎌倉の名所をめぐりましたが、今回は日光、松島、花巻あたりを回ります。ゆっくと変わる風景と、めくるめく無駄話。いったいいつまで続くのかな‥‥? そしてこの不思議な企画は、なんとすべてをまとめて本になるのです。いえ、ほんとの話です。
第6回 オバケも死体もイージーライダーも。
糸井 (窓の外を見ながら)おお、見てよ。
ライダーたちが、東北道を行くよ。
おおー、たくさんいるね、
『イージー・ライダー』風の人たちが。
糸井 そういう趣味の人たちだね。
ああいう、うしろにふんぞり返って、
長ーいハンドルを高い位置で持つスタイルは
『イージー・ライダー』で認知されたよね。
糸井 そうかもしれない。
いまも、けっこう見かけるよね。
あの姿勢、疲れるんじゃないかと思ったら、
けっこう、ラクなんだってね。
糸井 あ、そうなんだ。
うん。人間の姿勢として、正しいらしい。
こんなふうに、前屈みになって
バイクにしがみついてるよりも。
糸井 へぇ。
漢方の先生が言ってたよ。
糸井 「イージー・ライダーは体にいいんです」
って言ってた?
体にいいっていうか、
リラックスできるポーズなんだって。
なんとかいうポーズなんだよ。なんていったかな。
セイタイイ、かなんか。
糸井 セイジョウイ。
セイジョウイは違う。
糸井 ともかく、イージー・ライダーはいいと。
いいらしいよ。
あの、「オバケだぞー」みたいな形は。
リラックスするらしい。
糸井 それでオバケもあの姿勢なんだね。
なんかね、焼死体とかね、どざえもんとかも、
結果的に、ああいう格好になるらしい。
糸井 オバケも死体もリラックス。
うん。
オバケも死体もイージー・ライダーも、
理にかなってる。



(こういう話が、つづきます)

2009-10-06-TUE

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