志の輔らくご in 気仙沼

7月1日 11:00~
終演御礼

気仙沼の市民会館で「志の輔らくご」が開催されます!
2012年に最初のご縁がうまれ、
その後もご縁をかさねてきたこの場所で、
あらためて、じっくりと、
立川志の輔師匠の高座を堪能しましょう。
糸井重里も、ゲストですこしステージにお邪魔します。

気仙沼の方、お近くの方は、この機会をぜひお見逃しなく。
遠くの方も、もちろんウェルカムです。
平日夜の公演ですけれど、ご都合のつく方は、ぜひ。
初秋の港町で、
「志の輔らくご」をこころゆくまでたのしみましょう!

「志の輔らくご」が気仙沼に!

ぜんぶで3回の公演を行い、
毎回おおきなにぎわいをうんだ「気仙沼さんま寄席」は、
「さんま代を稼ぐ」という目的を果たして、
ひとまずお休みになりました。
伝説になる高座を聞かせてくださった
立川志の輔師匠、ありがとうございました。
3回の公演に集まってくれたみなみなさま、
心から御礼申し上げます。

そして、次です。すばらしい次があります。
2012年にはじまったこのご縁から、
志の輔師匠は気仙沼の市民会館で
「志の輔らくご」をひらいてくださることになりました!

地元・気仙沼にお住まいの方はもちろんですが、
遠くの方でもチケットは購入できます。
気仙沼観光と、志の輔さんの極上の落語‥‥
魅力的な旅でしょう?

志の輔落語  in 気仙沼

志の輔らくご in 気仙沼

2016年9月8日(木)

開場18:00/開演18:30

会場:気仙沼市民会館 大ホール 
〒988-0073宮城県気仙沼市笹が陣4番2号
(アクセスはこちら

出演:立川志の輔 ゲスト:糸井重里

全席指定 3,500円(税込)※未就学児入場不可

主催:TBC東北放送/気仙沼さんま寄席実行委員会

共催:気仙沼市/気仙沼市教育委員会

協力:目黒のさんま祭気仙沼実行委員会/気仙沼つばき会/
シノフィス/ほぼ日刊イトイ新聞

先行販売
7/1(金)11:00から
7/15(金)23:59までの期間限定で、
この公演のチケットを先行販売。
「ほぼ日経由のネット販売」と
「気仙沼市内の特設プレイガイド」で、
お買い求めいただけます。
ほぼ日経由の先行ネットチケット販売は終了しました。

※「気仙沼市内の特設プレイガイド」の
チケット販売は終了しました。
●気仙沼市内の特設プレイガイド
一般発売
2016年8月6日(土)10:00から、
一般販売スタート。
※チケット販売は終了しました。
●プレイガイド

問合せ:TBC東北放送事業部 022-227-2715(月~金9:30~17:30)

※本公演の主催・運営は「TBC東北放送」さんです。
チケットや公演に関するお問い合わせは、
上記電話番号まで、お願いいたします。
「志の輔らくご in 気仙沼」の開催に
 思うこと。

「志の輔らくご」を気仙沼で。
この発表を行う数日前、糸井重里に話を聞きました。
気仙沼でこの催しを行えるご縁について。
志の輔師匠への感謝について。

「震災があって5年経ったらどうなるんだろう?
 ということをみんなが心配していました。
 1年経ったら。2年経ったら。
 その都度、心配していました。
 そして5年。
 さすがに5年経ったいま、
 応援する側の人の顔が見えなくなっています。
 『元に戻った』とか『もっとよくなった』とか、
 もちろんまだ言えない段階ですけれども、
 5年前にみんなが言ってくれていた
 『大丈夫?』の応援の声が、
 いまはあまり聞こえてきません。
 東北の人たちは、
 『大丈夫?』の声がないことを前提にして、
 ものごとをすすめなければならなくなりました。
 つながりがなくなっていく寂しさもあります。
 同時に『ここまではもとに戻れた』という、
 地元の人の誇りもあると思います。

 自分たちのことを思ってもそうです。 
 ぼく自身、ひと月に1回は必ず行っていた状況から
 今はそうではなくなっているわけですし。
 東北でぼくらがやりかけていることは、
 『気仙沼ニッティング』とか
 『東北ツリーハウス観光協会』とか、
 いくつかあるんですけれども、
 そうではないことに関しては、
 どちらもそれぞれの日常に戻ってきています。

 気仙沼のひとたちも『被災地だから』という
 特別なことがなくなっていくことに対して、
 危機感のようなものを感じているでしょうし。
 どう言えばいいでしょう‥‥
 『もうほんとうに自分たちで立たないとな』
 と思っている時なんですよね。
 じつは去年も、一昨年もそうだったんです。
 『いつ、どういうふうに、何が終わるんだろう』
 ということをすごく考えている時です。

 そんな時に、志の輔さんが、
 日本の地方都市のひとつとして、
 ご縁のできた気仙沼という地で、
 復興がどうのこうのではなく、
 「落語を楽しんでもらいたい」
 という『志の輔らくご』の提案をしてくれた。
 それを聞いたときには、
 正直いってぼくは、ずしんと心にきました。
 落語という、日本にずっと続いてきた芸能を
 やっている人ならではの、
 『縁』、『えにし』に対する感覚を
 あらためて具体的に知った気がしたんです。
 せっかくつながった気仙沼との縁を、
 そのまま大事にして、
 「ここで落語会をやりましょう」っていう。
 これは、震災後とかなんとかを超えて、
 ここで、ほんとうになにかがはじまる感覚です。

 そんなふうに時間の流れとともに
 いろいろ状況は変わっていきますけど、
 最初の、あの日のことは大きかったですね。
 2012年の3月25日ですよね。
 あの日、雪の降る日に志の輔さんの落語が、
 「中村仲蔵」がね、冬の気仙沼に響き渡って、
 染み込んでいったという気がするんですよ。
 なんだかもう、
 大きな杭を打っちゃったような気がして。
 すごいものです。
 だって、遠くから来たお客さんが、
 「笑っていいんだって思わせてくれた」
 っていう感想を言ってましたよね。
 その言葉そのものが、
 あの日のあの場所にあったんです。

 『落語』という
 笑いとか人情とかを表現するものが
 気仙沼の暮らしに入ってくる機会は
 まだまだ先だと思っていたところに、
 あれがドンときたわけで。
 さらに、あの時にやった
 『中村仲蔵』という演目がすばらしかった。
 あの一席が、その後のぼくらと気仙沼の
 付き合い方を決めてくれた気がします。
 形式だけの支援じゃダメなんですってね。

 あの『さんま寄席』でできたことは、
 ぼくらは、まだやらないといけないと、
 そう思っています。
 今度はもっと、気仙沼の人たちが存分に
 スタッフワークを引き受けるかたちで。
 福島を入れた東北6県というつながりを
 もう一回確認できるようなことをね。
 東北からのスタッフと、東京からのスタッフと、
 協力しあえるようなかたちで、やりたいです。
 これはこれで簡単じゃないですが」

「ことしの秋、もう2か月後ですね。
 志の輔さんは、気仙沼という縁のできた場所を
 きっと『港』のようにとらえて、
 そこへ落語をしにきてくれます。
 この取り組み方は、
 自分たちがこれから真似しようと思うことの
 ひとつになりました。
 『気仙沼のほぼ日』をつくるときにぼくらは、
 『まず友だちになろう。
  友だちになった人が困っているなら、
  何で助けられるかを考えよう』
 というのがぼくらの姿勢でした。
 でも、ああ、志の輔さんみたいなかたちも
 あるんだと思いましたよね。
 これから先、何年後でも付き合える関係
 っていうのがあるよ、という。
 それは、
 『今年はちょっと都合が悪いからごめんね』
 ということも言えるような親しい関係でもある。

 9月の『志の輔らくご』は木曜夜の公演ですから、
 基本的には、近くの人に集まってくださいと
 まずは呼びかけます。
 でも、遠くの人もお誘いします。
 『あそこで見た落語は格別だった』と、
 味をしめちゃった全国の人にも、席はあります。
 たぶん、きっとね、
 「え? わたしたち行ってもいいんですか?」
 みたいに戸惑ってる人も多いと思うんです。
 いやいや、そんなことは考えないで、
 今回はパックツアーとかありませんから、
 自分で切符をとって、自分で車に乗って、
 仙台からでも東京からでも
 九州からでも来てください。
 いろんな場所の人が混ざる客席になったら、
 それはそれでいいと思うんです。

 ‥‥なんだろう、こう、
 『震災という言葉から解き放たれた落語会』が
 はじめてできるんじゃないかなって、
 ぼくはそんなふうに思ってます。

 おいでよ。
 ぼくもいくし。
 ぼくは今まで以上に、
 お客さんとして落語会に行けるんじゃないかな。
 はじめての心で、たのしみに。
 『ようこそ』ではなく、
 『お邪魔します』という気分でね。
 まあ、とはいえ、
 『ようこそ』になっちゃいそうですけど」

「あの、ほんとにね‥‥
 繰り返す話なんですけど、
 『被災地だから』という
 ハンデキャップとポールポジション、
 このふたつが、いまは両方なくなりました。
 つまり、被災地の人たちは、
 被災地の人してではなく
 スタートしなければいけなくなった。
 そうなることは、うすうすわかってましたけど、
 やっぱり怖いことだとぼくは思います。
 そんな時に『落語会をやりましょう』
 と申し出てくれた志の輔さんっていうのは、
 やっぱりねぇ‥‥ぼくらが思っていた枠を
 飛び越えてくれましたよね。
 『落語ってそういうものだから』
 という力強い原点を見せてもらった気がします。

 最後に、もうひとつ。
 志の輔さんに聞いてみたいことがあるんです。
 この落語会でもやっぱり、
 前もって演目は発表しないものなんですか?
 という質問。
 『気仙沼ではこれをやろうと思ってるんです』
 っていうのは師匠、言わないと思うんですよ。
 なんで訊きたいのかって?
 そういうこと訊くと、
 じぶんのお客気分が高まるんです(笑)」