みんなの劇団セルフタイマー展・鑑賞会
「ラブラブ」部門
─── さて、「ラブラブ」コーナーです。
糸井 うん。ラブラブ。
(部門ぜんたいを眺めて)
‥‥やはり、前回同様のことが言えますね。
どういうことかというと、
ラブラブ写真というものは
ふつうだったら抵抗を感じるものです。
でも、セルフタイマーだとそれがやわらぐ。
いやな感じがしなくなります。
─── ええ、そう思います。不思議なことに。
糸井 たとえば、こういうラブラブ。

劇団セルフタイマー監督 (のっく)さん
─── はい。
こちらは、ご結婚して2年ちょっと、
夫と初めてカレーをつくっているところだそうです。
糸井 2年はまだ新婚ですね。
冷蔵庫の上とかにカメラをセットして、
これを撮った(笑)。
─── はい(笑)。
やはり10秒前を考えるとおもしろいです。
糸井 ほほえましいね。
─── こちらも、新婚旅行で撮った作品だそうで。
糸井 ほぅ。

劇団セルフタイマー監督 (まるき)さん
─── 読みます(コメントを読む)。
「二人で初めての旅行が新婚旅行で、
 彼の思い出の木と一緒に
 写真を撮ろうとして、
 セルフタイマーなら
 2人一緒に撮れるんじゃないか?
 と、チャレンジしました。」
糸井 ご主人の思い出の木なんですね。
木が写っているのも、いいです。
─── ご主人はこの写真を
携帯の待ち受けにしているそうです。
糸井 すばらしい。
─── 木といえば糸井さん、
ほら、見てください、ここで撮った作品が。
糸井 ええ、もちろん気づいてました。

劇団セルフタイマー監督 (コビィ)さん
─── 気仙沼のツリーハウス
劇団活動をしてきたおふたりです。
糸井 うれしいね、ぼくらもこの写真は。
─── はい。
糸井 あと、やっぱりジャンプはいいです。
がんばってタイミングを合わせたんだなぁ
という積極性も見えるし、
なんといっても明るい。
5割増しだと思います、ジャンプは。
─── セルフタイマーの場合、ジャンプは5割増し。
覚えておきます。
糸井 お次は‥‥と‥‥
お、おお? これは人間が大きい。
『進撃の巨人』だ。

劇団セルフタイマー監督 (Yakushima娘)さん
─── ほんとだ(笑)、巨人に見えます。
糸井 そして、シャドー。
人間が完全にシャドーになってます。

この雰囲気は、外国でしょう。
─── そうですね、日本ではないと思います。
糸井 イタリアだと思う。
─── えーと‥‥(コメントを読む)横浜でした。
赤レンガ倉庫です。
糸井 へえー、横浜にはこういうところがあるんだ。
そっかー。
このシャドーになっちゃうのは、
これはこれでいいものですね。
─── ファンタジックです。

かと思うと、
こういうとても現実的で日常的な作品も。

劇団セルフタイマー監督 (うり)さん
糸井 なにげない一枚。
これは、あれです、
コマーシャルで
保険の相談をしているシーンみたい(笑)。
─── ああ(笑)、言われるとそう見えてきます。
「お子さんが大学を出るまでに
 3,000万円かかるんですよ」みたいな。
糸井 そうそう、そういうシーン。
‥‥‥‥ん? あれ?
─── どうしました?
糸井 このお父さん、バッグをさげてるぞ。
─── ‥‥ほんとだ。
これは‥‥おかしいですね。
糸井 おかしい。
しかもよく見るとテーブルの上に
POPカードみたいなのが見える。
─── ‥‥家でくつろいでいるのでは、ない?
糸井 ‥‥お店?
─── 読みます(コメントを読む)。
「残念ながら自宅ではありません。
 江戸東京たてもの園にある、前川國男邸です。」
糸井 はあー、そっかぁー。
─── 『江戸東京たてもの園』ですか。
糸井 そこに行って、
自分ちでくつろいでるふうに撮ったんだ。
これは、ちょっと騙されたね(笑)。
─── 騙されました(笑)。
糸井 ふたりの演技が上手だもんなぁ。
「自然にしゃべってるふうにしましょ」
とかなんとか言いながら撮ったんだよ(笑)。
─── 仲良く(笑)。
こちらにも、仲良くジャンプの作品が。

劇団セルフタイマー監督 (タオル)さん
糸井 いいなぁ‥‥。
おれもさ、こういう仲いいポーズとかしてみたい。
─── しないんですか? 手をつないで。
糸井 それは、むっずかしいことだよ!
─── そういうものなのですね。
糸井 ぼくにはむつかしい。
だからちょっとうらやましく思います。

次の作品を見ましょう。
これ。いいですよ、これは。

劇団セルフタイマー監督 (えみ)さん
糸井 普通ですよね。
でも、このおさまり方はなかなかできないんです。
─── なにか高度なテクニックが?
糸井 いや、テクニックじゃなくて、
落ち着いているんです。
この感じはたぶん、
「セルフ慣れ」している人でしょう。
いまさら特別なことをしようとしていない。
─── (コメントを読む)
「もともと、見知らぬ人に写真を撮って下さい
 の一言を出すのが苦手で劇団活動を始めました。」
糸井 やはり、前からやってる方ですね。
─── (コメントを読む)
「これは、今年のお正月に
 我が家の玄関前で撮った写真です。」
糸井 今回の募集のためにとったわけではない。
つまり、誰かに見せるわけじゃなくて、
自分たちに見せるものを撮ってるわけです。
落ち着いた作風になりますよね。
─── (コメントを読む)
「完璧だと思ってたけど、
 いまみれば、しめ飾りも曲がってます。」
だそうです。
‥‥そんな細かいところまで。
糸井 細部まで気を配る。
すばらしい完成度です。

‥‥これで、終了ですか?
─── はい。
すべての部門を見ていただきました。
糸井 じゃあ、ここから、グランプリを‥‥。
─── そうです。よろしくお願いします。
糸井 うーーーん‥‥‥‥。
さあ‥‥さあ、どうしよう!
  (次回はいよいよ、審査結果発表!)


みなさんの投稿作をギャラリーにしました。
グランプリや佳作に選ばれるのはどの作品なのか、
予想しながらこの先の連載を読めば
さらにおたのしみいただけるかも?
ぜひ、ご覧ください。
2014-10-15-WED
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