読みなおす土曜。
2003/09/20
今週の一言

今週は、反響の大きかったふたつの特集を、
かなり長めに、ご紹介いたしますね!
まだ読んでいない人で、きっと、
「あ、読んでよかった」と感じる人も、
いらっしゃるんじゃないかと思いまして。


【キャッチフレーズが変わります】

「ほぼ日刊イトイ新聞の題字下には、
 小さめではあるけれど、こう書いてある。
 「インターネット、
  飽きてる人から初心者まで」
 けっこう考え抜いて
 作ったキャッチフレーズだった。

 何度か、この一行を変えたいと思った。
 しかし、考えても考えても、
 これだという答えが見つからなかった。
 ここにぴったりはまる一行が見つかるときが
 いつかはくるのだと思っていたし、
 そのときがきたら、
 ほぼ日刊イトイ新聞は、
 もっと力を発揮しやすくなる。
 それは、予感していた。

 もっと、「ほぼ日」が、どうしたいのか?
 「ほぼ日」で、どうなってほしいのか?
 「ほぼ日」でなにができるのか?
 そんなふうなことが、漠然とでもいいから、
 見えるようにならないといかん、
 と思っていた。

 しっかし、
 わかったような気がしてきたぞ。
 『智慧の実を食べよう』
 というイベントをやったせいか、
 それとも、
 月が満ちるようにそのときがきたのか、
 だいたい見えてきた。
 近日中に、
 あの題字の下の一行は、変わっているはず。
 その変えたキャッチフレーズについて、
 賛成されようが反対されようが、
 押し通すことにする。

 なんだか、うれしくなっている。
 「インターネット、
  飽きてる人から初心者まで。」
 というキャッチフレーズさん、
 どうも、お疲れさまでした。
 長年、ありがとう。」

(※月曜更新の「ダーリンコラム」に書かれた
  ほぼ日表紙の言葉を変えるという言葉です



【意志を持っている人は柔軟だ】

「なまじ意志なんかもつから、
 ちがう意志を持つ人と
 ぶつかったり、打たれたり、
 角が立つのだ、
 と思っている人も多いと思う。

 でも、実際、「自分はどうしたいか」という
 明確な意志を持っている人は、柔軟だ。
 自分の意志に照らして、
 相手のやりたいことも
 スピーディに理解する。
 相手の意志と、自分の意志、
 重なる部分、はっきり違う部分、
 両者の関係がわかるから、
 できる協力はおしまずするし、
 協力したからといって、
 それに、自分がのっとられたりはしない。
 相手がしたいことを、
 無意識に助けてあげよう、
 という心が働く。

 一方、自分の意志がない人は、
 他人の意志に、反発したり、
 吸引されたりしながらも、
 無意識に、他人の意志に便乗しようとする。
 自分の意志と、
 他人の意志の境界があいまいだから、
 しまいには、
 相手との微差も、許せなくなる。
 相手がしたいことを
 助けてあげるようなふりで、無意識に
 自分探し、自己実現をしようとする。

 いま、消耗感を強めているのは、
 意志と意志のぶつかりあいではなく、
 意志あるものと、意志なきもの、
 あるいは、意志なきものどうしの
 ぶつかりあいではないだろうか?

 だから、稚拙でも、あやふやでも、
 くりかえし、くりかえし、
 「今から未来に向け、
  自分はどうしたいか?」
 と自分に問うこと、
 それを、コミュニケーションの要所で
 しっかり言葉にして、
 人に伝えてみる、ということは、
 とても大切だ。」

(※水曜日更新の「おとなの小論文」より、
  意志を持つということについての言葉)



今週のこぼれ話

担当編集者からのこぼれ話や
裏話をお伝えいたしまーす。


【新連載:シリコンの谷は、いま】

いま、ほぼ日創刊5周年ですが、
この5年間はちょうど“インターネット”が
ほんとうの意味で一般的に、広まってきた
5年間ではないかな、と思います。
コンピューターとインターネットの普及に
シリコンバレーという地名は、
欠かせませんが、まあ知らなくても
パソコンは使えますし、
ネットにもつなげます。
でも、コンピューターと
インターネットという、
新しい娯楽であり、メディアであり、
ビジネスチャンスであるものは、
同時に、コンピューター関連、
インターネット関連、という、
あたらしい“職業”を生み出しました。
スパゲティ屋さんになるなら、
本場イタリアでいっぺん働きたいなぁ、
という人がいるように、
コンピューターの仕事をするなら、
シリコンバレーで、と、思うが早いか
あっけらかんと飛んでいった人、
それが著者の上田ガクさんです。
コンピューターの性能も一般的な使用には
十分すぎるほど上がり、
インターネットも苦労なく使える人が
増えている現在、本場と言われる
シリコンバレーは、どうなって
いるのでしょうか。
今も、熱く燃えているのでしょうか。
とても楽しそうに仕事をしている
上田さんに、いろいろ聞いてみたいと
思います。みなさんも質問や感想を、
postman@1101.comへ、
題名を「上田ガクさんへ」として
メールをくださいね。
どうぞよろしくお願いいたします。
(担当者 斉藤リカ)


●【postman@1101.comから。】

先週土曜の5周年イベント
「智慧の実を食べよう。300歳で300分」は、
現場の盛りあがりも、ネット生中継の反響も、
ほんとに熱い熱いものが、ありました。
観客席では涙を流している人も見かけたし、
postman@1101.comには、ひっきりなしに
メールが届きつづけ……「ほぼ日」の中では
歴史的な一日になったのだと思いました。

これだけ反響があったのだから、と、
土曜からいただきつづけたメールの数々を、
「300歳で300分へのメッセージから」
「智慧の実会場にいた人のメール」
「小野田さん夫妻を客席で見かけた」
「独りでじっくり」
と、4日間にわけて紹介してみたところ、
その紹介したことへの反響を、まだ、
いただいているという日々が続いてます。

今日の編集後記の欄では、そのうちの
ひとつを、おとどけしたいと思います。

「家についてから、さっそく
 講演会の感想をポストマンに
 メールしたいなぁと思っていたのに
 なかなかことばにできなくて・・・。
 みなさんのメールにはちゃんと
 思いの伝わることばが綴られていて、
 どうしてわたしは思いをことばに
 できる術がないんだろうって
 正直なところ、すこしだけ
 おちこんでいたりしたのですが、
 『人に推薦できないぐらい、
  大切なことというのもある』
 とお聞きして、今抱えている
 もどかしい思いがほぐされたようで
 とてもうれしくなりました。
 輪郭がはっきりしている
 5人の長老の方々の言葉が
 ひとりのわたしに届いてくる感じがして
 瞬間瞬間、心に刻まれることばに
 出会えたこと、ほんとうにあの日
 あの席を得られたことを貴重に思います」

こちらは、文筆業をされている
ある方からいただいたおたよりなのですが、
「ほぼ日」メールを送れないほど
たのしんでくださったかたが、
もしこのページを読んでくださっているなら
感謝をお伝えしたくて、紹介してみました。
(担当者 木村俊介)

2003-09-20-SAT


戻る