読みなおす土曜。
2003/08/30
今週の一言

今週は、その人らしい言葉を3つご紹介!
言葉に、人の歴史がにじみ出ていますよ。


【パトロンがいるからできること】

「昔は、音楽でも絵でも、
 パトロンがいて、その人のために
 作っていたわけじゃないですか。
 実は、パトロンのために
 作ろうという行為が、
 非常に個人的なために、
 ものすごくいいものができたんだとも
 思うんですね。
 今は、誰のために作っているのか
 わからないから、グッとこないというか。
 捧げたい対象が、あるかないかでは
 作る側としては、
 大きな違いがあると思うんです。
 でも、パトロンがいなくても、
 結局そういう
 作りかたをしている、とは思いますが」

(※「娯楽映画の運命」で、大貫妙子さんが
  作品についてしみじみと語ったこと)


【清潔さとあいさつ】

「『清潔さ』と『あいさつ』。
 この店選びのヒントとなる
 第一印象は、実は、
 お店側がお客様を判断する際の
 重要なヒント、でもあります。
 『私はこれから行く
  レストランにとって
  本当に歓迎される
  お客様なんだろうか?』
 『レストランの支配人って
  お客様を第一印象で値踏みする、って
  本当なんだろうか?』
 こんな心配を持つ人って
 結構いるんじゃないでしょうか。

 しかし、
 お客様の『値段』を
 判断している訳じゃないんです。
 お客様の『値打ち』を判断したい。
 ‥‥うーん、わかりづらいか‥‥。
 あなたが『いくら使ってくれるか』で
 判断したいのじゃなく、
 あなたがどのくらい
 『楽しむ準備ができているか』
 というコトを直感したい、
 と言い直せばわかりやすくなる?

 お店もお客様も、決して
 『お金がかかっていそうで、豪華』
 というようなことが
 大切なわけじゃないんです。
 ただ知り合った最初のステップでは
 見た目で相手を判断するしか
 手立てがなく、
 そのヒントとして重要なのが
 『清潔感が溢れている』ということと、
 『笑顔とあいさつが美しい』
 ということなんです」

(※「おいしい店とのつきあい方」での、
  サカキさんならではの人の値打ち論)


【ベッカムを報道する目的】

「報道が、
 『レアル・マドリーは、
  ベッカムの、
  とくにアジアでの人気を買った』
 という視点からのもの

 終始してしまったのは、
 ベッカムのせいではない。
 もともと、
 スペインの多くのメディアが、
 そういうふうにしか
 捉えるつもりがないのだ。
 良い例が、ジダンが移籍してきた日に
 たまたま
 オフィシャルショップにいた私が、
 テレビ局に
 インタビューされたときのことである。

 スタッフにジダンの
 Tシャツを持たされた私は
 ちょっと緊張しつつ、
 『フランス代表として
  Euro2000では敵でしたが、
  この白いTシャツを着たら
  応援しちゃいます』と答えた。

 どきどきしながらオンエアを見ると、
 必死で考えたコメントはすべて消され、
 『このように、日本人観光客も
  さっそくジダンの
  Tシャツを買っていました』
 というナレーションを
 かぶせられていたのだ。
 私はTシャツ買ってないのに、
 こういう場面で
 取り上げられるのは日本人。
 私のときも、
 ミーハーな日本人観光客の絵、が
 欲しかったのだなぁ。
 というわけで、スペインではすっかり
 『ベッカム獲得=アジアマネー獲得』
 というイメージができてしまった」

(※「カナ式ラテン生活」から、カナさんの
  ベッカムの移籍についての生々しい言葉)



今週のこぼれ話

担当編集者からのこぼれ話や
裏話をお伝えいたしまーす。


【オトナ語の謎】

こまめにチェックしてくださっている
読者の方ならとうにご存じのように、
「オトナ語の謎」はいよいよ
ネクストレベルに突き抜けた感がある。
だって、焼肉屋で無理矢理オトナ語を
使ってみたりするんですよ?

「どう?肉の進捗状態」
「今のところ順調ですが
 火加減の要フォローという感じですかね」
「今、上がりはどれ位?」
「ほぼ1/3は仕上がってます」
「納期は?」
「間もなくです。
 仕上がり次第声掛けますので」

もう、なんだか意味がわからないよ。
ホームランを打った選手が
ヒーローインタビューで
こんなふうに言うんですよ?

「今日は相手方のピッチャーも
 結構調子良かったんで
 物理的に難しいかなと思ったんですが、
 ファンの皆さんの待つ外野を
 視野に入れつつ、
 無理に引っ張ろうとしないで、
 タマにあわせてフレキシブルに
 対応できたのが
 良い結果につながったと思います」

そんなような愉快な投稿が
多数送られております。
以前は会社の昼休みに送られてくる
投稿の量がもっとも多かったんですが、
最近はアフターファイブに
じっくり考えて送られる人が多いようです。
そして、ここだけの話ですけど、
次回の「男女の別れ編」も傑作ぞろい。
月曜掲載にさきがけて、
ちょっとだけご紹介すると……。

女「ところで、こんな場所で
  大変申し上げにくいお話なのですが、
  実は、今後あなたとの
  お付き合いを見合わせたいな、と。
  そう思っておるんです。」
男「見合わせる・・・
  と、おっしゃいますと?」
女「今申し上げた通り、
  そのままの意味で
  とって頂いて結構です。」
男「な、る、ほ、どー・・・。
  何か手前どもに
  手違いでもあったでしょうか?」
女「いや、というわけではなくてですね、
  単純に、今後お付き合いをしていく上で、
  将来的展望が見えないな、と。
  そういうことなんです。」

うははははは、こんな素敵な投稿が
たくさん届いてるんです。
悪いけど、期待していてください。
新人さんの初投稿も増えてます。
みなさんもぜひ一度ご参加くださいませ。
よろしくどうぞー。
(担当者 永田ソフト)

【仁礼さんの写真展】

この週末、31日まで、仙台で
仁礼博さんの写真展が開かれています。
その写真展へご来場くださった
みなさんへ、また、いつもページを
見てくださるみなさんへ、感謝のメールが、
仁礼さんの奥さんから届きましたよ!

「ほぼにちわ。「写真で深呼吸」で
 お世話になっています、
 ニレイの家内です。

 今、夫の写真展が開催されております、
 仙台の「コーナー・ストーン」という
 セレクト・ショップに、
 「ほぼ日」をご覧になった、
 というお客さまがたが
 大勢お越し下さっています。
 「ほぼ日」経由のお客さまは、
 控えめで品のいい
 知的な印象の女性が多いように思います。
 男性の方は、お洒落でセンスのいい
 大らかそうな方が多いような気がします。
 お店のかたも
 「マナーのいいお客さんが増えた」と
 おっしゃっておられました。
 ありがとうございます。
 「ほぼ日」の連載コンテンツに
 していただけたことで
 いい気分が伝わっていく手応えを
 実感しています。
 そう。いい気分、
 ちょっといい気分になるような
 (できるだけ、あまり意味のない)
 でも、クオリティーは
 <それなり>の写真を
 発表させていただけるように
 わたしたちとしては
 <力が抜けるカンジ>を、
 追求したいです。
 ひとつこれからも、
 どうぞヨロシクお願い申し上げます。」

みなさんも機会があったら、
ぜひ行ってみてくださいね!!
(担当者 斉藤リカ)

【東京糸井重里事務所の
  『経理』募集】


初めて、人の募集について、
「ほぼ日」で呼びかけているのですが、
掲載までに、
実はけっこう時間をかけました。
専門のかたから、
アドバイスをいただいて、
じっくり準備を続けてきました。

やっぱり、やってよかったと思います。
経理採用について、いろんな経験をした
方々からのメールも、
ほんとうにありがたく読んでいます。

優秀な人が、
実はその会社の経理の人を見て
「引き抜き」に応じてくれたという
エピソード。

経理は信用が第一だから、
そもそも、自分の売り込みが難しい、
しかし愛を持って数字を扱うと、
会社は驚くほど変わる、という意見。

郵送での応募が到着する前に、
こんなメールがいただけるとは、と、
「ほぼ日」読者の
懐の深さを感じた思いがします。

今、履歴書を送るかどうか、
ためらっているかた、
東京糸井重里事務所という「船」で、
乗組員の一員として、
一緒にがんばってくださるかたのご応募を
こころよりお待ちしております。
(担当者 元木恵里)

2003-08-30-SAT


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