2013/08/22 18:32
こつこつ積み上げ法は間違ってる?

どんどん行きますよ!

ほぼ日様

高2女子の母です。
突然、某有名大学に入りたいといいだし、
猛勉強を始めました。
ただそれまでも、
女子高生らしいきらきらした楽しみも味わわず、
男子とのふれあいもなく、
わりあい真面目に勉強し、
部活に行くといった生活をしていました。
でも成績はいつもぱっとしません。
とても要領が悪いようです。
学校生活はさほど楽しくもないが、
悪いものでもない、といった様子です。
テレビも見ませんし、LINEも面倒だそうです。
唯一音楽を聴くことが趣味ですが、
ビートルズ(半分故人)とか、
モーツアルト(故人)が好きで、
同年代と話が合いそうにありません。
この夏休みは、勉強した時間数を
手帳に書き込んでよろこんでいます。
そんなに勉強しているのに、
範囲としては進んでいないそうで、
私を暗い気分にさせます。
勉強ばかりしているのに
成績に反映されないということと、
将来、いわゆる
「勉強はできるけど使えない人」
になるのではないかということが、不安です。

(ときどき悩む母)


「自分といっしょです!」と斉藤さん。
勉強しても勉強しても
成績があがらなかった時期があるそうです。
「なんとかしてあげたい!」
と発奮しておられます。

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
この子は下から積み上げていく
勉強をしているんでしょうね。
おぼえなくていい単語まで
全網羅的におぼえていって
ぜんぶ覚えれば
100点というような方法なんだと思います。

勉強のしかたがまちがっているんです。

ぼくは「基礎ができていないこと」が不安で
英単語も10000単語おぼえました。
緻密に積み上げていって
レベル100にならないと
ラスボスを倒しに行けない、
みたいな。

でも自動車学校だったら
はやく路上に出ろ!
ってことなんですよ。

大学受験で赤本を
軽い気持ちでやってみたら、
結局出るところは狭い!
と気付いたのが高3の春。
がく然としました。
いままでやってきたことは
なんだったんだろうって。

だから、赤本を見なさい!
積み上げるんじゃなくて、
ボトムアップじゃなくて、
トップダウンでやりなさい。
受験から逆算して勉強したほうがいいよ!
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

そこで八尾先生もひとこと。

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
そしてね、自分があみだした勉強法が
もし彼女にあるんだとしたら、
こうすればいいって思ってることって、
ほとんど間違ってたりするよって
言ってあげたい。

そういうことって指摘されないんですよね。

僕は塾行くの好きじゃないって
この仕事するまで思ってたんです。
けど「塾ってすごいな」と
いまは思ってます。
だって勉強法のまちがいを指摘してくれるんですよ!
ぼくは公立育ちで
金かけて勉強するのはちがうって思ってたけど
間違いだなって思います。

勉強がうまい人と出会うべきです。
塾でも予備校に行くんでもいいし。
すっごいうまい人がいるから
それをマネしたらいいんじゃないかな。
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥


2013/08/22 18:25
ぐうたら息子をどうにかしたい。

さあ続いての質問です。

やる気が見えない
うちの双子の娘
どうしたらいいんでしょう
その気になれば
徹夜して宿題をするのに

それよりも大変なのが
大学受験するらしい息子
毎日夜遅くまで
部屋に明かりがついているが
何もしていない
日の高いうちは
常に寝ている

もう、奉公に出すしかないんでしょうか?

ああ、これって愚痴よね。

(てらいかーさん)


八尾先生がひとこと。
「奉公に出す必要はありません!」

そうですよねえ。

「でも息子は生活習慣をあらためるべきですね。
 ひとつ提案があります。
 朝、賞金をつけてもいいから
 7時から15分全力で走らせてください。
 毎日です。週7回。
 それだけでいいです。
 ほかはなにもお願いしないから
 それだけやって帰ってこいって」

その意図は?

「そうすれば夜起きてられなくなります」

そっか。

「そして、走ってから勉強すると
 めちゃくちゃ成績があがります」

どわっ! ほんとですか!

「ほんとうです。
 脳を鍛えるには運動しかないです。
 ネーパーヴィル、
 というアメリカの町があるんですが、
 その町の体育の先生が
 “0時間目”というのをつくって
 こどもに有酸素運動をさせたんです。
 そしたら子供たちの成績があがったんですよ。
 学校全体のレベルがあがっちゃった。
 脳科学者がそのデータを見て、
 そんなことがあるのかと研究したところ、
 運動で全身に酸素がいきわたると、
 そのあと逆に脳に酸素がいきわたるんですね。
 そのときに勉強をすると、
 たいへん効率がいいんです」

じゃあ、走ったあと勉強しろってことですね。

「このかたの状況がわからないんだけれど、
 学校や予備校に行ってるならそれでいいですよ。
 自宅浪人だったらすぐ勉強を、
 午前中だけでいいからしろって、
 それが次の課題かな」

お母さんは彼の
生活習慣は気に入らないんでしょうね。
夜起きててやった気に自分をしむけて、
さぼっちゃってて。

「算数の有名な先生がいらっしゃって、
 その方は東大に行きたくて、落ちて、
 早稲田に行ったんです。
 で、いま改めて東大に行きたくないですか?
 先生ほど算数ができたら
 いまからでも受かるでしょう?
 ちなみにぼくが受けようと思ったら
 何年で通るでしょうか?
 って訊いたことがあるんですよ。
 そしたら、
 『おれもおまえも受からない』って。
 『なぜなら行く動機がないから
  ぜったい勉強が続かないはずだ』って」

ああ、動機!!
双子のほうは
尻に火が点いたらやるタイプですよね。
でも日々の勉強には動機がないんだ。

「その動機がないことが問題ですよね。
 そこに気付いてあげましょうよ。
 この子たちにはなにが必要なんだろうと、
 考えてあげることがいいと思いますよ」


2013/08/22 18:15
10か月のこども、このままでいいのかな?

つづいての質問です。

今、私は10ヶ月の息子を育てています。
息子は現在、
引き出しからなんでも引っ張り出したり、
チラシを巻き散らかしたり、
エアコンで暖房を入れたり、
なんでもかんでもなめたり、
元気いっぱいいたずらする毎日です。

バタバタで、なかなか毎日
絵本を読んであげたりできないし、
早期教育もする予定はないのですが、
たまにこれで大丈夫かな? と不安になります。

小さい子供には
どうしてあげるのがいいと思いますか?

皆さんのご意見を聞いてみたいです。

(怪獣ぐずりんのママ)


これについて斉藤先生が
「まっすぐなお答えではないかもしれませんが」
と前置きして、
こんなお話をしてくださいました。

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
壮大な話ですが
前に京大にゴリラ学の
山極寿一先生に話をきいたことがあるんです。
人間は200万年前に
4足から2足歩行にかわり、
そのときに人間の女性は
産道の大きさに制限ができたんですって。
4足では出産リスクは少なかったのが
2足になって
1人のこどもを自分の産道を通る
ぎりぎりのサイズに生むようにきりかえた。

人間は超未熟児で生み、育てます。
動物にしてみたら
それはものすごいリスクがあることです。
かんたんに死んでしまうし、
餌食になってしまうかもしれないし。

そんななか、
どうしたら人を繁栄させられるか、
人はこんなふうに進化します。
●いつでも生めるようにする
●1年後にまた生めるようにする
そうすると年子がいっぱいできますね。
けれどもそれだと子育てがたいへんになる。
そこで自分の母親が手伝ってくれる。
ここがまた進化らしいのですが、
その頃になると閉経して
ホルモンバランスがかわることで
「こどもが可愛くなる」という
メンタリティをもつようになるんだそうです。
あくまでもそういう説があるという話ですが、
自分の生殖能力を犠牲にして
小さな子供の面倒をみるしくみがうまれたんです。

人間の赤ちゃんは泣きますよね。
これはたいへんリスキーで、
夜中にサバンナで泣いたら
肉食獣に襲われちゃいます。

でも泣くっていうのはすごいんです。
いやなことをされたら
泣くという手段で拒否できる。
アラームです。「むり!」っていう。
これ、どういうことかっていうと、
「ほかの人でも育てる
 (ほかの人からも育ててもらう)
 ことができる」
という能力を人間は授かったってことなんです。

つまりね、
「多くの人にかこまれて育っていく」
のが人間なんです。

年子の子がいっぱいできて、
いっしょに遊ぶでしょう。
その兄弟で遊んでいく内に
どうしても力の差があるので、
どちらかがハンデをつけなければならない。
そこで、もうひとつ人類が
手に入れた能力が「共感」です。
相手の気持ちを考える、
というのはそこから生まれた。

共感すると、チームプレイができるようになります。
いっしょに農業をする。
いっしょに狩をする。
ひとりじゃなんにもできないけれど、
いっしょになにかをするようになってから
文化が爆発していったんです。
リーダーシップとか
みんなでなにかをするところに
人類の真骨頂があって
その根底が「共感」なんです。

そこでこの質問にもどりますが、
ある程度子供どうしで
ふれあう機会をもつのも
いいんじゃないかなって思いますよ。
お母さんも
「わたしだけががんばる」モードではなく、
ワンオンワンで育てていくより
いろんな人とかかわっていくのが大事だと考えて、
保育園など、すこしちがう子の
いるところにほうりこむ。
それが大事になってくると思います。


2013/08/22 18:04
読書量と国語の力はイコールじゃない。

もうひとつ読書にかんする
質問がきております。

はじめまして。
小学二年生のムスメの母です。
ムスメが小さい頃、
ムスメより仕事に夢中になってしまい、
あまり本を読んであげないままでした。
彼女はすくすく、小学校二年生になってしまいました。
本をあまり読んであげなかったので、
やはり読解問題が苦手みたいです。
今から、どうしたら、巻き返せますか?


八尾先生、おねがいします。

「よくできる子はたしかに本を読んでるけど、
 じっさいには読書量と国語の点数は関係ない、
 とおっしゃる先生は多いですよ」

ありゃ、そうですか!

「これはあくまでもテスト対策の話ですけど、
 最近編集部が取材をした先生から、
 国語の文章題の解き方を教わりました。
 段落が6つにわかれているとしますね。
 1番と最後しか読むな、って言うんです。
 そこに大事なことはぜんぶ書いてあるから。
 はじまりと結果は、
 テーマと結論である、ってことです。
 テストに関してはそれしか大事じゃない。
 なんで間違っちゃうかというと
 ほんんどの子は2から4を読んで
 テーマを忘れちゃうんです。
 いろんなことがあたまに入ってぶれちゃう。
 1番と最後だけ読んでほかは読み流せ、
 って、その先生はおっしゃるんですね」

ひゃー!

「国語の文章題に関してもうひとつあります。
 見直しちゃいけないってことです」

見直しちゃいけない?!

「国語は最初のこたえが合ってます。
 考え出すとよけいな答えを考えてしまう。
 一発勝負です。
 たしかにぼくもそうだと思いました」

なるほど。
こちらのお母さん、
きっと本がお好きなんですよね。
だから娘さんにも本を読んでほしいなと思っている。
そのあたりどうでしょうか。

「本は読んでなくても大丈夫です!
 文字がよめれば大丈夫です!
 そのうち読みますよ。
 大丈夫、本を読む子とえらい子は
 イコールではありませんから!
 いいじゃないですか。
 お母さん、本を読んであげられなかったって
 後悔なさっているみたいだけど、
 ほかにもっと与えてるものもいっぱいありますよ。
 そして娘さんも、本を読むよりも
 好きなものがあるんじゃないでしょうか。
 それでいいじゃないですか」


2013/08/22 17:50
本を読まない小4の息子をどうしたら?

続いては、こちらの質問です。

「本を読んで感想(3行程度)を書く」
宿題が出ている息子。
なんせ、本を読みません。
この夏に読んだ本は
村上いしこさんの
『すすめ! ドクキノコ団』1冊。
これは、まず私が図書館から借りて読んで、
「絶対に面白いから」と勧めるも読もうとせず、
仕方ないので途中まで私がそばで音読し、
続きが読みたくなるようにして、
ようやく読み上げた1冊です。

40日の夏休みで1冊って・・・

マンガは常に読みます。
ネットでゲームの攻略方法は読みます。

どうやったら本を読むようになりますか。

(小学校4年まさとの母)


この質問に八尾先生が答えてくださいました。

「“こうやったらいいよ”という
 アドバイスはできませんが
 “親がこれをやったらやる気がなくなる”
 ってことはわかります。
 それを、お母さん、
 もろにやっちゃってますね!
 ぜったいダメなパターンです!」

きゃー。きびしい!
(ちなみに関西弁で読んでいただくと
 八尾先生のニュアンスがよりわかるかも。)

「彼、マンガや攻略本は読むんですよ!
 でもお母さんの勧めた本は読まない。
 だから『面白い本には出会ってない』
 ってことです。
 ドクキノコ団も、お母さんは面白いと思って
 読ませようとしているわけだけど、読まない。
 『母さんがすすめた本は読まない』
 となっちゃっているんですよ」

ここで斉藤先生もひとこと。

「基本は散らばらせとくのが
 いいって言いますよ。
 ただ、置いとく。
 親が自分の読ませたい本を置いとくだけ。
 なにも言わない。
 言っては、ぜっっっったいに、だめ!」

そして八尾先生。

「こどもが好きな本はわからない、
 というスタートラインにもどりましょうよ。
 おかあさんの発想の本でだめなら、
 おとうさん、おじさん、おばさんにも
 おすすめ本をもらうとか。
 バリエーションがあったほうがいいです」

斉藤先生ふたたび。

「図書館にほうりこむのはどうです?
 お母さんと一緒に行くんだけど、
 夢中になるのはお母さんで、
 帰りたがらないわけ。
 そうすると仕方ないから
 なにか適当に読もうと思いますよ。
 ぼくも最初はバーバパパ読んでたけど
 だんだん探して読むようになりましたから」


2013/08/22 17:42
TO DOリストでパニックをおこさない方法。

さて、そんな斉藤先生に
まず質問がとどいております。

ほぼにちわ。
私は高校生の頃、数学の宿題を
期限内に終わらせることができず
(友達のを写すということすら
 間に合いませんでした)、
ほぼ白紙の状態で提出して
そのまま踏み倒す、ということを
3年間続けてしまいました。
そのせいか、大人になっても締め切りを守れず、
周りに迷惑をかけてばかりです。
昨年、斉藤賢太郎さんが
「TO DOリストを作るとよい」と
おっしゃっていました
が、
TO DOリストを作っていると、
あれもこれもそれも
できていないことばかりが目について、
どれくらい時間がかかるかも見積もれず、
かえってパニックを起こしてしまいます。
パニックを起こさずに
TO DOリストと向き合うには
どうしたらよいのでしょうか。

(山形県・むら)


「超きもちがわかる!」
と斉藤先生。
こんなにもいっぱいあるのか!
とパニックになるきもち、
とってもよくわかります、と。

つくりかたのコツは、
「ものすごくしょーもないこともいっぱい書く」
だそうです。
たとえば、

●ページを開く
●えんぴつを出す
●かばんを整理する
●机を整理する

そんなことまで。
それは意識的に書く。
斉藤先生、いまもそうしているそうです。
そして、

●誰々に電話する
●編集長に何々を確認する

書くまでもないような、
10秒くらいで終わることも
意識的に書きます。
TO DOリストって、つい

●新企画1本
●原稿アップ

とかそういう大きなことだけを書きたくなるけど、
そうじゃないんですね。

「そして、小さなことから始めるのが大事です」
それでも「やった」は「やった」。
いつの間にか3つもおわってる!
と、だんだんノリノリになっていくそう。

そして、大量のTO DOを前にがく然とするかも
しれないけれど、
「すごくかんたんなことも書いてあるんだから!」
「そんなにたいした山じゃないから大丈夫!」
「手抜きポイントもあるじゃない?」
ということが自分にはわかってる。
高い山に見えても一歩目の攻略はできる。
だから挑みやすくなる。

なるほどー。

「書くのは朝がいいですよ。
 別に夜でもいいんですが、
 ここしばらくの経験から、
 ぼくは会社に行く電車で書くようにしてます。
 そうすれば着いたとたんに始められます。
 これやったら帰る!
 というところまで書きます」

むらさん、ぜひやってみてくださーい!


2013/08/22 17:34
効率のよい勉強法って。

同席してくださった斉藤先生が、
「八尾先輩は、ほんとうに効率よく
 勉強をしたんですね」と。

取材をした東大生たちを思い出すと、
彼らは「間違い」に対して、
ポジティブさとまで言わないけれど、
ネガティブな感情がないのが特徴なんだそうです。
のびる子にとってテストというのは
「理解が足りてるかどうかわかるためのツール」
なんだそうです。そして多くの東大生が
受験勉強時代にやっていた習慣があって、
それは「なんでわからなかったか」を
ひとこと書く、というもの。
ツイートみたいな感じでメモをしておく。
あとから見直すことすらしないらしいんですが、
「間違えた記憶が残る」のが大事なんだそうです。

基本的に点数を上げるには
間違えたところを間違えないようにすることが
いちばんの近道なので、
それを潰していけば点数が上がっていく。
すごく効率のよい勉強法なんですって。

いっぽう、できる子の親というのも、
「なんでこの点数なんだ!」と
数字に感情を載せることをしないそう。
「点数は点数」と
フラットに見ることができる親の子は、
こどものテストにたいする気持ちも
フラットにしていくのだそうです。


2013/08/22 17:28
八尾先生の受験生時代は?

八尾先生の受験勉強のことを聞きました。

「受験勉強を始めたのは遅かったんです」

というように、
初めて受けた模試で
結果を見てがく然としたのが、
公立高校の3年生になったばかりの4月。
偏差値は48だったそうです。

国公立は無理!
でも浪人はできない!
地元にいたい!
時間がない!

そんな条件から、
受験勉強をして偏差値を上げて行くことを前提に
関関同立を志すことにしました。
お兄さんが通っていたのが関西学院大学。
いっしょじゃつまらないからと絞り込んだ志望校が
同志社大学だったそうです。
「どうせ行かしてもらうなら
 すこしでもいいところに行きたい」
と考えての決断でした。

受験科目は3科目。
国語・英語・社会(世界史)。
どれもこれもダメだったなか、
最初に手を付けたのが英語でした。
なぜなら「問題文すら読めない」という
学力だったから。
まず英単語がわからない。
単語がわからないと文章が読めない。
問題文のなかの日本語しか読めない。
ずっと先に進んでいる同級生と
同じことをやっていてもしかたないと、
ベネッセの付録だった真っ赤な
『単語3000』という小冊子を
ぜんぶ覚えると決めたそうです。

それは「A」という単語から載っているくらい、
レベルが自分向きだったと。
しかも小さくて、
いっぱい入ってるから効率がいい。
これしかない!
買ったほかの参考書のは捨て、
ぼろぼろになるまで毎日覚えました。
1日1ページでは間に合わないので
三か月で覚えられるようにページを割って
覚えていったそうです。

次にやったのは熟語。
英単語は組み合わせで意味が変わるので、
これもわからないと問題文がわかりません。
これは「桐原」の参考書を1冊だけ。
なんとこの2冊だけを
受験のための基本参考書としました。

社会も1冊だけ。これも「桐原」の1問1答。
夏休みが終わるところで
問題文の1文字目を見たら
すぐ答えられるまで覚えたそうです。

完璧じゃないけど英文がわかり、
世界史も覚えた秋、
48だった偏差値は
70台になっていました。
なんと国語は捨てたそうです。
もう時間がなかったと。

社会は何点とれたかわかったけれど、
英語は最後までわからなかった。
国語はもののみごとにわからなかった。

あとは赤本で傾向を絞っての勉強をすすめ、
同志社に現役合格をはたしました。


2013/08/22 17:15
八尾研司先生です。

さて、つづいての先生は
プレジデント社で
プレジデントファミリー誌の
編集長をつとめる、
八尾研司(やおけんじ)先生です。

昨年たいへんお世話になった
斉藤賢太郎先生
社の先輩にあたるかた。

八尾さんは
同志社大学経済学部卒業、
化学メーカーの営業マンを経て
プレジデント社へ。
編集の世界に来た理由は
高校のときスポーツ新聞の記者になりたかったことを、
就職5年目にして「思い出した」からだそう。
大学のときは「就職できればいいや」で
いちばん最初に決まった会社に入ったそうですが、
親友である日刊スポーツの記者の存在が
八尾さんを転職へいざいないました。
そうして東京駅の本屋さんで
転職雑誌を見たとき表紙に書いてあった
プレジデント社に日程ぎりぎりで応募。
27歳から編集者になりました。

最初に配属されたのはプレジデント本誌編集部。
「なにも仕事させてもらえなかったです!」
と元気に笑います。
「棒ゲラって何? ぼうだら?」
編集出版用語もなにもわからなかったそうですが、
5年ほどして、小中学生のこどもを持つ親を対象にした
子育て・教育・受験雑誌である
「プレジデントファミリー」誌に転属、
いまは編集長をつとめています。

画像は、左が斉藤先生、
右が八尾先生です。


2013/08/22 17:13
ありがとうハリ先生。

ハリ先生のお話を聞いていると
要所要所を
「何かに、強烈に憧れる力」で
突破してきている、
そのような感じがいたします。

そう、こんなことも言っておられました。

「好きになれたら、
 そのことにたいして根気が出てくる。
 好きになれないのに、
 問題集を解こうとしたって続かない。
 だから、まずは
 何が好きかを見つけるのがいいのでは
 ないでしょうか。
 そこがすべての出発点じゃないかなと
 思います」

興味を持って「好き」になったものが
思いもかけないところで
ちょっと姿を変えて
「好きになってくれた人」を助けてくれる。

そんなふうに、思いました。

なお、ハリ先生の取材では、
他にも、おもしろい話がたくさん出て
「大学卒業までに8年かかった話」
とか
「民族舞踊を研究していた時期があり
 コサックダンスも踊れた」
とか
「エッチな映画館を借りきって
 フェリーニ映画の
 自主配給をしていた時期がある」
とか
時間の関係で
残念ながら割愛させていただいた話が
たくさんあることを
ここにお知らせしておきますね。

ハリ先生、ありがとうございました!
たのしかったです。


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