2010年12月29日さよならペンギン探してます。

さて、「さよならペンギン」グッズ製作記から、
復刻記にもどろう。
ともかく、グッズは3月25日に注文受付を開始だ。
どこまでいったのか振り返ってから先に進むことにする。

復刻再出版しようと、印刷の版、原画を探したが見つからない。
最終的には本をスキャンして復刻するということに落ち着いたが、
その本すら、糸井事務所にあった1冊しかない、という状態だ。
しかし、スキャンをするためには、絵本を解体する必要がある。
そうすると、「復刻前の絵本」が私たちの手元から、
無くなってしまうということになる。
それは、困る。
さらに、調査を進めていくと、
「さよならペンギン」には、
事務所にあったソフトカバーとは別に、
表紙の違うハードカバーの存在もうかがわせる情報があった。


▲それが、この表紙。
 当時はペンギンチームの誰もが現物をみたことがなかったし、
 その情報すら確かなものではなかった。

この本の存在を確かめるためにも、
スキャンのための保存状態のよい
「さよならペンギン」を探すためにも、
「ほぼ日」の読者の中に、
保存状態のよい「さよならペンギン」を持っている人がいないか、
広く呼びかけることにしよう、と、決まったのだった。
ただ、そこには「それは勝手すぎる!」と
後ろ指をさされそうな条件があるのだ。

「持ってます!」と名乗りでてくれた人の本が
美しければ、美しいほど解体される可能性があるのだ。

いくら復刻のためとはいえ、こんな条件にオッケーをしてくれて
メールをしてくれる人などいるのだろうか??
やっぱり、事務所にある本が解体されるのではないか、
と、考えながら「ほぼ日」で更新するページの準備をしていた。

その矢先に、ひとつ事件が起こる。

2冊目の「さよならペンギン」が発見されたのだ。
糸井重里事務所は、12月も押し迫ったところで、
事務所の移転を控えていた。
そのため、社長をふくめて、
全員で事務所の大掃除をしていた時のことだ。

「おーい! 永田く~ん! あったぞ~~~!
 だれか永田くん呼んでくれる?」

と、社長こと糸井重里である。
永田は、その日大掃除の模様を中継していたので、
なにか掘り出し物かとおもって、社長室に駆けつけてみると。

「『さよならペンギン』あったよ。」

「えええ~~~? どこに?」

「ここのオレの部屋の棚。」


▲これが、その時の様子。ソフトカバーが出てきた。
 この時に、モギはあいだに挟まってたチラシ(当時のもの)が
 床に落ちたんですけどね、それを踏んづけちゃって、
 社長に怒られたんですよ。

わ~~~~~~! 

じゃあ、この「さよならペンギン」は、
荒井良二さんとの対談のときも、
「さよならペンギン」の印刷の版がないんですよ、
なんて話をしていたときも、
静かにそこで本の間に挟まっていたってことか!

あれ? これで「さよならペンギン」は2冊。
しかも、これ相当綺麗ですよ。
永田さん、読者のみなさんに呼びかけなくても??

「いや、やる。やらないと。
 あの、青い表紙のハードカバーの存在がまだ掴めてない。
 もしかしたら、それを持ってる人がいるかもしれない。」

そ、そうか。ソフトカバーで満足してちゃあダメか。
あいかわらず、低い方へ流れる茂木である。
じゃ、廣瀬さん、頑張ろう。
がんばって、年末に呼びかけをするページを作ろう。

そうして、12月29日、
糸井事務所が冬休みにはいったその日に、
年末年始の特別コンテンツとして、
「『さよならペンギン』さがしてます。」
というページが「ほぼ日」にアップされた。

第一報は、アップして、
二日目の12月30日の午後にやってきた。
それも、驚くべき人物からだ。

(つづく。)

2011-03-13-SUN
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