よりみち
パン!セ
中学生以上すべての人たちへ。
キミたちに、
伝えたいこと。




今日の、ひとことパン!セ

「自分らしさ」を大切にすることを、
目標(もくひょう)にしてはいけない。
「自分が大切」って、
どこか、なにかが
詰(つ)めが甘(あま)いのだよ。
もう少し、なんかこう、
「自分なんてどうでもいいな〜」
っていう気持ちがないと。

しりあがり寿+祖父江慎『オヤジ国憲法でいこう!』より

「やっぱさー、若いって、ダメじゃん。」
オヤジ国憲法が生まれた、深夜の居酒屋。
目の前のテーブルには、
ししゃも、焼き鳥、大根サラダ。
しりあがり寿さんと、祖父江慎さんの声が、ハモります。
「個性個性ってみんな言うけど、アレってなんなわけ?!」
「どうかしてるよねー。
 それとさ、ヤングって、友だちのことで悩みすぎ」
「学校しか行くところがないからしょうがないけどさ。
 うん、
 でも、オレ、いま友だちいないけど、
 平気だよ?
 あと、ビールおかわりくださーい」
「愛とかさ、幸福なんてのも、
 カエルのヘソみたいなもんだよね」
「実体がない」
「ピュアなものって、
 あんまり求めすぎないのが人生のコツよ」
「思春期だと、
 親にだって理想を求めちゃったりして」
「家族なんてそのうち解散するのにね」
「ヤングもいつかは気づくんだからさ、早いとこ、
 お父さんは家族を守れません! って宣言しとこうよ」
「だよねえ。じゃ、もう一軒いこう!」

ずっと子どものままでいたい、
おとなになるなんてイヤだ。
オヤジなんて、「終わってる」。
でも、ちょっと待って。
「個性」とか「友だち」とか、「真理」とかに
しばられているのは、
もしかしたらヤングのほうかもしれない。
オンリーワンな自分になりたくてモンモンとするよりも、
思わず我を忘れるようなことに出会うほうが、
ずっと、たいせつ。そして、
夢中になれること、「うっとり」することは、かならず、
自分という小さな枠の、外にしかない。
しりあがりさん、祖父江さんは知っています。
オヤジという、
いつまでも子どもでいられる
ネバーランドの住人でなくなっても、
なにかに「うっとり」しつづけているかぎり、
いつだって空を飛べる、ということを。

(編集担当 坂本裕美)





その7
イラストが返す着地点。
糸井 それから、このイラストがいいね。
全編通して、同じイラストレーターだよね?
清水 100%ORANGEの及川賢治さんです。
すごいですよ、このイラストは。

なにがすごいかといえば、まず、
自分たちの作風にとらわれていないんですよ。
もちろん、独自な部分は
当然お持ちなんですけれども、
毎回、「基本」よりも
遠くに行ってもらうような注文を
祖父江さんが出しているんです。
どうするんだろう、と思って
たのしみに待っていると、
着地点がすばらしい。意表をつかれます。
すごい才能だと思います。
糸井 うん、わかります。
「自分たちがなにを描くんだろう」
ということを
たのしみにしているようなかんじが
伝わってきます。
清水 まったくそのとおりですね。
不思議な客観性を持っていらっしゃると思います。
と、同時に頑固(笑)。
マッカーサーの言う、「12歳の知性」の
イキイキとした豊かな部分は持ち合わせていて、
それでいて、独自な客観性があって、
まるで、自分のことを
自分だと思っていないふしがある!
いい意味で、
地に足がついていないかんじがとてもステキなんです。
地に足がついていないのに、
作品はちゃんと着地している。
すばらしい。

(ふたりのはなしは、つづきます)

2006-01-24-TUE




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