| ── | 今、ちょっとお話に出た 「マルセイバターサンド」について、 おうかがいしてもいいですか。 |
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| 小田社長 | ええ。 |
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| ── | 昭和５２年、六花亭の前身「帯広千秋庵」から 現在の社名に変更するとき、 新商品として開発されたものだと聞きましたが、 それまでの六花亭の主力商品が‥‥。 |
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| 小田社長 | ホワイトチョコレート。 |
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| ── | 先代の小田豊四郎社長が日本ではじめて 製造に成功したんですよね。 |
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| 小田社長 | 昭和４０年代後半、北海道に来た「カニ族」が 全国に持ち帰ったことで、有名になったんです。 |
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| ── | カニ族というのは、 今でいう「バックパッカー」のような 観光客のことですね。 |
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| 小田社長 | 当時は「池田町の十勝ワイン」に 「愛国から幸福行きの国鉄のチケット」、 それに うちの「ホワイトチョコレート」が 三種の神器とかって言われてて。 |
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| ── | そのホワイトチョコをクリームに練り込んだのが マルセイバターサンドなわけですね。 |
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| 小田社長 | そう、そう。 小川軒さんの「レイズン・ウィッチ」って お菓子あるでしょう？ |
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| ── | はい、東京の、小川軒。 あちらも、おいしいですよねぇ‥‥。 |
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| 小田社長 | 社名変更記念のお菓子を考えているとき、 お取引業者さんが、 参考までにって持って来てくれたんです。 |
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| ── | あの「レイズン・ウィッチ」を？ |
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| 小田社長 | そう、そう。 当時、大人気で製造が追いつかなかったほどの あの「レイズン・ウィッチ」を ぜひとも、新しい六花亭製菓の味にしたい。 で、いろいろと試行錯誤したんだけど、 結局たどり着いたのが、 うちのホワイトチョコレートだったんですよ。 |
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| ── | あの「レイズン・ウィッチ」が元だったとは‥‥。 |
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| 小田社長 | うちのホワイトチョコレート自体、 ちょっと特殊な製造工程でつくられているから、 それで他との差別化を図ったんです。 |
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| ── | 結果的に、小川軒の「レイズン・ウィッチ」とは かなりちがったお菓子になってますよね。 |
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| 小田社長 | そうですね。 |
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| ── | 先ほどのお話ですと、 そうして出来たマルセイバターサンドにも 改良を加えているとのことですが‥‥。 |
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| 小田社長 | 細かな改良は何度となくやってますが、 大きくわけると、３つの時代があるんです。 |
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| ── | へぇー‥‥。 |
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| 小田社長 | ２つめの時代なんて、ぜんぜんちがうよ、今と。 |
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| ── | どのあたりが？ |
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| 小田社長 | ビスケット。 |
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| ── | どんな感じだったんですか？ |
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| 小田社長 | あのね、企業ヒミツをハッキリ言うとね。 |
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| ── | ぜひ、お願いします！ |
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| 小田社長 | 今は、生地のカタマリを平らに伸ばして、 それをビスケット状に形成してるんです。 |
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| ── | ええ、ええ。 |
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| 小田社長 | 昔のは、もっと生地が柔らかかったから、 絞ってつくってたんだな。 |
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| ── | はー‥‥。 |
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| 小田社長 | 些細なことのように聞こえるかも知れませんが、 これってつまり、 今と昔じゃ「固さ」がぜんぜんちがうということ。 |
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| ── | 今のは絶妙な弾力がありますよね。 |
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| 小田社長 | 今のビスケットを知っちゃったあとでは 昔のやつは、食べられないと思う。 |
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| ── | それほどまでに。 |
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| 小田社長 | マルセイバターサンドは、父がつくったんです。 でも、あの、お菓子に厳しい父ですらも 「量産」に追われちゃって 妥協してたんだよなぁ‥‥ビスケットに。 |
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| ── | はー‥‥。 |
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| 小田社長 | 本人としても、そのことをわかっているから すごく、じくじたる思いがあったんです。 |
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| ── | ええ。 |
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| 小田社長 | だから、ビスケットが 今のあるべき姿に生まれ変わったときは、 父はまだ元気だったけど‥‥ あのときは、本当によろこんでくれました。 「よかった、よかった」って。 |
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| ── | あの、ちょっとしっとりした感じの。 |
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| 小田社長 | でもまだ、さっきのショートケーキといっしょで、 クリームからの水分の移行の具合が 外気温に、けっこう左右されちゃってたんです。 |
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| ── | ええ、ええ。 |
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| 小田社長 | 非常にデリケートなお菓子だから、 外的な条件に、影響されやすかったんですね。 |
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| ── | はい。 |
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| 小田社長 | そこで、外的条件が変わっても なるべく味が変わらないようにする「ひと工夫」を、 この春に、ほどこしたわけ。 |
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| ── | そうだったんですか。 |
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| 小田社長 | お客さまによって、 お菓子の扱いがちょっとブレちゃったとしても クオリティにバラつきがでないよう、 安定させたんです。 |
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| ── | 今、マルセイバターサンドの年商は‥‥。 |
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| 小田社長 | ８０億円くらいですかね。 |
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| ── | 今みたいに、六花亭のメイン商品になったのは、 いつごろのことだったんですか？ |
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| 小田社長 | 昭和60年代かな。 気がついたらホワイトチョコレートを超えてた。 |
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| ── | 気づいたら。 |
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| 小田社長 | でもおもしろいのはね、全国的に見たときでも お菓子単品の売上額って、 だいたい８０億円くらいで頭がそろってくるの。 |
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| ── | とおっしゃいますと？ |
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| 小田社長 | たとえば、伊勢の赤福さん。 |
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| ── | ええ。 |
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| 小田社長 | ピーク時、だいたい８０億円くらいだったの。 |
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| ── | あ、そうなんですか。 |
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| 小田社長 | それから、石屋製菓さん。 |
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| ── | 「白い恋人」ですね。 |
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| 小田社長 | あちらも、だいたい８０億円。 |
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| ── | で、マルセイバターサンドも８０億円。 |
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| 小田社長 | その３つが、単品の売上では上位なんだけど。 |
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| ── | へぇー‥‥。 |
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| 小田社長 | だからね、マルセイバターサンドは おみやげ品としてつくったんじゃないんだけど、 「おみやげ品」には 最大マーケットサイズというのがあって、 それが８０億円くらいなんだ、不思議なことに。 |
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| ── | そこが「天井」なんでしょうか？ |
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| 小田社長 | うーん‥‥天井だと思いたくはないんだけど、 なぜか、そういうことになってるんだな。 |
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| ── | これ以上には、ならないんでしょうかね？ |
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| 小田社長 | わからない。 |
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| ── | 北海道大学出版会から出ている 『北海道の企業２』という研究書っぽいカタめの本に 「北海道内でだけで展開する六花亭は 売上高が１００億円を超えたとき、 もうマーケットの拡大は 見込めないと感じたという」 と、書かれていたんですが‥‥。 |
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| 小田社長 | ええ。 |
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| ── | 今や、１００億円は超えていますよね？ |
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| 小田社長 | 六花亭全体でいうと、年に１８０億円。 |
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| ── | その規模というのは‥‥。 |
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| 小田社長 | 同業他社さまでいうと、 とらやさんが、１８０億円くらいですよね。 |
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| ── | あの羊羹の、とらやさん。 |
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| 小田社長 | 全国にお店を展開してらっしゃいますから 単純な比較はできないと思うんですけども。 |
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| ── | 今も売上は、伸びているわけですよね。 |
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| 小田社長 | 落ちてますよ。 |
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| ── | え‥‥ああ、そうでしたか。 |
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| 小田社長 | ピーク時は２００億を超えてましたから。 |
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| ── | そうですか。 |
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| 小田社長 | でも、成長することだけが いいことだとは思っていないんでね、ぼくら。 |
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| ── | はい、雑誌の記事で読みました。 今年（２００９年）の新入社員さんに向けて 「これから六花亭は成長しません」と おっしゃったとか。 |
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| 小田社長 | まぁ、経営の第一目標を「成長」に置かない、 という意味なんですけどね。 まず、お客さまに満足いただけること、 そして、従業員にも楽しく働いてもらうこと。 ここが、ちゃんとしてないと。 |
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| ── | ちなみに、マルセイバターサンドをつくった当時、 ここまで有名になると思ってましたか？ 六花亭さんの売上の、約半分を占めるほどに。 |
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| 小田社長 | いやいや、そんなこと、ぜんぜん思ってないです。 はじめは「タバイセルマ」ありますか‥‥ なんておっしゃるお客さまもいたくらいですから。 |
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| ── | タバイセルマ‥‥あ、反対から読んで？ |
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| 小田社長 | そう。マルセイバターサンドの 名前の由来って、知ってる？ |
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| ── | いえ、詳しくは存じ上げません。 |
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| 小田社長 | 明治時代に、依田勉三さんという 十勝開拓の祖がいらしてね。 「晩成社」という移民会社を 設立した人なんだけど、 その晩成社牧場でつくっていたバターが 「マルセイバタ」なの。 |
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| ── | ええ、ええ。「バター」と伸ばさずに。 |
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| 小田社長 | 今つかってる「マルセイバターサンド」の包装紙は、 その当時の「マルセイバタ」の缶ラベル。 当時は「右から左」へ文字が綴られていたから、 これを現代の人が読むと 「タバイセルマ」になっちゃうんだな。 |
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| ── | 今や、あの朱赤と金の包装紙は マルセイバターサンドの代名詞になってますよね。 |
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| 小田社長 | うん。 ‥‥それにしても、あの缶ラベルって いったい誰がデザインしたんだろうなぁ‥‥。 |
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| ── | あ、わかってないんですか？ |
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| 小田社長 | うん、わかってないんですよ。 |
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| ── | へぇーえ、誰なんでしょうね。 |
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| 小田社長 | 依田勉三さんは、伊豆のご出身で 黒船到来の年にお生まれになってるから、 ああいうセンスが 備わっていたのかもしれないなとは思うけど。 |
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| ── | ええ、ええ、なるほど。 |
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| 小田社長 | 実際、誰がデザインしたのかは、 わかってないんですよ。 ‥‥あのパッケージ。 |
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| ＜つづきます＞ | |||
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