ミシェル・ゴンドリーに会ってきた。〈前編〉ゴンドリーを知ってるかい?

こんにちは、岡田です。
みなさんは、ミシェル・ゴンドリーという人を
知ってますか?

ビョークやダフト・パンクなど、著名アーティストの
ミュージックビデオを手がけていたり、
『エターナル・サンシャイン』
『ムード・インディゴ うたかたの日々』など、
映画監督としても世界的に知られている、
フランス人の映像作家です。

そのゴンドリー監督を取り上げた展覧会
「ミシェル・ゴンドリーの世界一周」が、
いま東京都現代美術館で開催されていて、
しばらく前のことですが、
ゴンドリー監督ご本人も来日されました。

で、プレス向けの記者会見が行われたのですが、
そこに、どういうわけだか、
「ほぼ日」も出席できることになったのです。

ワオ! ファンとしては、なんとラッキーな機会!

「ほぼ日」のみんなにも声をかけてみたら、
この5人があつまりました。


かなりのゴンドリーファン。
作品をあつめたDVDも持っている。
新作が出たら、観ずにはおれない。


かなりのゴンドリーファン。
どうやって撮ったのかを探るため、
何度も執拗にDVDを観たりしている。


そんなにくわしいわけではないが好きという、
ふつうのゴンドリーファン。


「おもしろそうだから」という理由で参加した、
ヤジ馬ゴンドリーファン。


どれがゴンドリーの作品だかよくわかっていない、
うっかりゴンドリーファン。


みなさん、
ぼくらゴンドリーに会えるんですよ!
すごーい!
すごーい!
せっかくだから、取材しましょうよ。
はい、でも記者会見ですから、
ゴンドリーさんとお話するには、
なにか質問する必要がありますよね。
ただのファンやから、
とくに訊きたいことはないなあ。
ていうか、わたし、そんなにくわしくないよ。
わたしもー。
みんなで、ちょっと予習したほうがええかもね。
わかりました。
じゃあ、まずは、
主要な作品をみんなで鑑賞しましょう。
みんな いいね!




Star Guitar
The Chemical Brothers(2002)

なにがどうなっているか、分かるでしょうか?
実はこれ、音楽の要素(それぞれの楽器の音)と、
映像に出てくる風景のなかの要素が、
すべて連動しているんです。
こんなミュージックビデオ、見たことない。
そうとう衝撃を受けました。


Let Forever Be
The Chemical Brothers(1999)

わたしは、これがいちばん好きなんです。
ぼくも、このアホらしさが大好きです。
70~80年代に流行った安易なビデオエフェクトを、
人力でやってしまおうという発想がすごい。
あと、この感じ、曲とすごく合ってますよね。


Fell in Love with a Girl
The White Stripes(2002)

まずもとの映像を普通に撮影して、
その1コマずつを、ぜんぶレゴでつくり直したらしい。
15人がかりで、2ヶ月かかったらしいです。
これだったら「できるかも」って思うんだけど、
徹底的にやるのが、ゴンドリーのすごいところですね。


Around The World
Daft Punk(1997)

こ、これはいったい‥‥?
これは「Star Guitar」とちょっと似てて、
ぼんやり見てると、なにがなにやらという感じですが、
実は、ドラム=ミイラ、ベース=運動選手、
ディスコガール=シンセ、ガイコツ=ギター、
昆虫っぽいロボット=ヴォーカルというふうに
曲で使われる楽器ごとに分けられてて、
出てくる音と動きが完全にシンクロしています。
全員ヘンな動きだし、狂ってるなぁ。


The Hardest Button To Button
The White Stripes(2002)

ドラムセットとギターアンプが
ビートに合わせて並んでいくという、
実にシンプルなアイデアですが、
ここまでやるとすごい。おもしろい。
このためにドラムを32セット買ったらしいですよ。
並べては撮って、並べては撮ってって考えると‥‥。
うわぁーっ!
イヤだぁーーーっ!

どないしたんや? たぐちゃん。

(つらそうな声で)おれ、この撮影現場、
ぜったい行きたくない‥‥。
わはははは!
だって、アンプとかドラムとか、
これぜんぶ、ほんとに動かしてるんでしょ?
何十キロもあるやつを。
それをちょっとずつ撮ってるんでしょ?
‥‥ぜったイヤだ! むり!
たしかに、現場は大変そうですね。
じゃあさ、記者会見に行ったときの
ゴンドリー監督への質問は、
「撮影現場を逃げ出す人とかいませんか?
 実際のところ、どうなんでしょう?」
にしない?
それはええかもね。
たしかに知りたいですね。
でも、そんなこと訊いて怒られないかな?
「ゴンドリゃあ、なめとんのか!」って?
(田口を無視して)
記者会見の雰囲気って、どんななんでしょうか?
みんな うーん‥‥。
だれも行ったことないから、わからない。
当たってくだけるしかないわ。
しかし、質問だけやと、
ちょっとさみしい気もするね。
さみしい?
うん、なんちゅうか、
もうちょっと仲よくなりたいやん、ゴンちゃんと。
ゴンちゃんて。
あっ‥‥、くま!
くま?
あの、ふと思ったんやけど、
ゴンドリー、
「誤解されやすいくま」を、
もらってくれへんかな?
えっ?
なんとなく、
好きになってくれそうな気がするねんけど。
親愛の情をあらわすものとして、
プレゼントするわけ。
まわりの人に怒られないですかね?
「ゴンドリゃあ、勝手に何さらとんじゃ!」って。
(田口を無視して)
質問より、そっちのほうがハードル高そうですね。
うん、でもせっかくのチャンスやからね。
どう、岡田くん?
二人でがんばろうやないか。な。
えっ、なんでぼくが!?
あんたが今回の首謀者でしょう。
‥‥よくわからないけど、はい。
うぅ、でも、緊張するなあ!


質問とくまという、よくわからない二本立てで、
ゴンドリー監督にお目にかかることにしたわれわれ。
無事、記者会見で質問して、
ゴンドリー監督にくまを受け取ってもらえるのでしょうか?
その模様は、明日お伝えします。
(つづきます)

 


ミシェル・ゴンドリーの世界一周

ゴンドリーの世界を満喫できる、またとないチャンス!
路地裏、カフェ、電車などのセットを舞台に、
オリジナル映画作りに挑戦できるワークショップ
「ホームムービー・ファクトリー」は、
とくにおすすめです。

会期:9月27日(土)-2015年1月4日(日)
休館日:12月28日-2015年1月1日
会場:
東京都現代美術館
  (企画展示室3F/ 1F・B室 /ホワイエ)
   135-0022 東京都江東区三好4-1-1
開館時間:10:00-18:00 ※入場は閉館の30分前まで
お問い合わせ:
03-5245-4111(代表)
03-5777-8600(ハローダイヤル)
公式サイト


2014-12-25-THU