猫屋台 nekoyatai

ハルノ宵子さんの、お料理と、猫と、父。

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猫屋台

第5回 未来の猫屋台。

こだわりがないんだなぁ、という
雰囲気を全面に出している
ハルノ宵子さんが
「ぜひこうしたい」と
はっきり要望を示した改装箇所がありました。
それは「玄関のドア」でした。

当初は出入口を、
現在の居間がある「窓」にしようとしていました。
「窓から出入りするのか! さすがだ!」
と思っていたのですが、やはり考えなおして、
現在の玄関をメインゲートにしようと
いうことになりました。


▲最初はこの窓を玄関につくりかえようと計画。
「そうなると、
 玄関のドアは引き戸がいい」
とハルノさんは言うのでした。



▲この「ドア」を、「引き戸」に‥‥?
 これまた別のびっくりです。

現在は、前後開閉式のドアです。
間口は固定されているのに、
どうやって引き戸にするのだろうか‥‥?
それは大工事になるのではないだろうか‥‥?
はたして、予想どおり、この「引き戸計画」に
最も予算を割くことになりました。


▲手前の門と奥のドアはデザインが統一されています。
 この雰囲気を残したいとハルノさんは希望。

そして、居間の畳を
調湿性にすぐれると言われる
「ひのき畳」に張り替えることも、
ハルノさんが自分で決断したことでした。
「ひのき畳」、すごくよさそうです。
(ひのき畳については、下に補足を書きました。
 くわしくはこのページの下のあたりをごらんください)


▲畳の部屋は猫屋台のお客さんが
 食事や休憩をする場所になる予定。

全体の計画が固まったら、図面を引いていきます。
図面作成に2週間、それをもとに話し合い、
調整に約半月かけたのち、工事へ入ります。
着工してからはおよそ1か月で終了するとのこと。
決まればすぐに建ってしまいます。
「後悔のないように決める」までが、タイヘンなのです。


▲通算6度目の打ち合わせです。
着工前、最後の打ち合わせでは
リノベーション後の猫屋台を使いはじめて
ハルノさんがじっさいに暮らしたとき、
どうなっていくかを想像して話し合いました。
「未来に出てくる願望」を、
ここで考えておくのです。

夏の陽射しはどんなふうに入ってくるか、
冬はどんな風が吹き込むか。
お客さんは何歳くらいの人で
どんな酔っ払い方をするか。
キッチンやトイレでは、どんなことが起きるのか。

そして、このリノベーションで、ハルノさんの
「ほんとうにやりたかったこと」が実現するのか。


▲エントランスには猫用の砂利を敷くから
 酔っぱらいの人が足を取られたらタイヘンです。

保健所に話を聞きにいってわかった、
「お客さんが入る場所と厨房を
 カウンターなどでしっかり分ける」
「厨房の入口に、肘まで洗える手洗いをつける」
「トイレと厨房は仕切りをつくって分け、距離をつくる」
などのルールも取り入れながら、
さらに図面を引き直し‥‥

いよいよです。

全体の予算と進行を確認し、
着工の契約となりました。


▲契約書に印鑑を押す。やけに緊張するハルノさん。
玄関の扉工事だけが、案の定大がかりで、
工事はその部分だけ6~7週間ほど
日程を要することがわかりました。
2階部分に住みながら、
1か月以上、工事の人が自由に出入りする
状況になってしまいます。
ハルノさんは大丈夫なのでしょうか。

「大丈夫です。
 以前言ったように、
 うちは前からずっと玄関は開けっぱなし。
 こないだ、ちょっと旅行に行ったんだけども、
 その旅行のときも、そのまま
 ドアを開けて行ってみましたら、
 大丈夫でした。おほほほほ」

てことは、旅行中、無人開放‥‥?


▲工程もしっかり確認。いぇーい。
私は、ハルノさんの猫屋台のお料理が
とてもたのしみでした。
ハルノさんは
「言ってもらえればなんでもつくるよ」
とおっしゃっていました。
煮込み、サラダ、鍋もの、スープ、麺類、
キッシュ、春巻き、コロッケ‥‥。
もともとお酒が好きなハルノさんのことです、
オードブル系はお手のものでしょう。

ここで私は、ハルノさんに訊いてみました。

ハルノさんの、いちばん得意な料理はなんですか。

すると、こんな答えが返ってきたのです。

「サンドイッチかなぁ」

へぇぇええ、サンドイッチかぁ。



ひのきの畳について


猫屋台の居間に採用された畳は
ひのきの間伐材を使用したものです。
ふつう、畳の土台となる畳床(たたみどこ)は
わらやポリスチレンフォームなどを使用しますが、
(最近はわらを使った畳も減っているようです)
この畳はひのきの間伐材を圧縮し、
麻で縫いあげてつくっています。


▲断面図はこんな感じ。
 最も分厚い畳床の部分がひのき。表面はいぐさです。

化学物質に過敏な猫もいるし、
なによりひのきは防ダニ効果があるということで
ハルノさんはこの畳を使用しました。
東京では現在、クマイ商店さんで
取り扱いがあるそうです。
製造は社会福祉法人アンサンブル会で、
GTF Green Challenge AWARDS 2014
間伐・間伐材利用コンクールにおいて
林野庁長官賞を受賞しました。


▲猫屋台の居間。すっきりと、畳仕様です。


(つづきます)
2014-10-06-MON